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第一章〜遭遇

引き続き 書かせていただきました。いよいよ 物語が展開していきます。よろしくお読みになっていただけましたら幸いです。

そこには、黒い学生服を着た俺より頭ひとつ分は背の高い、いかつい男が立っていた。髪は肩に落ちる程長く整髪料で形良くセットされた様がその几帳面(きちょうめん)さを物語っているようだった。

男は余裕の笑みを浮かべている。俺の目の前で余裕をかませるなんて、大したタマなのだろうか。

そう考えた時だ。ヤツがいきなり俺の鼻の頭辺りを目掛けて拳を突き出してきたのだ。それも俊足ストレートで。

俺の特殊能力『動体視力』がなかったら、とても拳の軌道を読むことなど出来なかったろう。

学院のここまでの授業で習得した唯一の技といっても過言ではない。

俺は瞬間的にボクシングのクリンチよろしく男の胸元に組み付いて、拳を()り出すスペースを奪ってやった。それがなかったら、俺の鼻 頭は砕け散っていただろうと思われた。

ふ、と再び笑い声が聞こえた。

「なるほど。噂通りだ」

俺は問う。

「どういうことだ?何のつもりだ」

「君の能力を試させて貰ったまですよ。たいへん失礼致しました」

男がおどけたように言った。

「ほんとに失礼だ」

その言葉は無視された。

「桜木玲王クン。探しましたよ。どちらへ?」

「家に決まっているだろう。他に何処へ行けと?」

「お話があります。いいですか?」

「よくないと言ったって聞いてくれるわけではなさそうな顔してるけどな」

男は俺より歳上に見えるが、だからってひるんでは舐められるだけだと俺は知っていた。男もそれは承知しているようだった。

「申し遅れました。獅子堂 あやと申します」

男が笑って手を差し出してきた。俺はそんな握手は拒否する主義だ。手を軽く 払いのけたが、男は動じなかった。

やっぱり なかなかのタマなようだ。

俺たちはゆっくり歩き出した。向かう方向は 獅子堂 彩と名乗ったヤツに任せた。

男は少し焦っているように見えた。この俺に、背中を見せて歩くほど 無防備だからだ。

してやったり。今度は俺が背後を取り返してやった。それほ、まったくの自己満なのだがね。


お読みになっていただきまして誠にありがとうございました。次回も乞うご期待!

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