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錬金術?

机に重ねて置いていた貰った本たち。真ん中の『アダム・クリフの冒険記録』を引っこ抜いて机に広げる。

目次には「キイロ地区の開拓」「呪木伐採」「ラビリンス・バラビドロの探索」の3目とそのページが綴られている。

バラビドロだけやたらと長い。半分以上はこの話なのではないか?大分間が空いたのにも納得が行く。


ペラペラとキイロ地区開拓を読み進める。

僕はまず記録をざっと読んでしまって、そのあと本の後ろに付属しているアダム本人の手帳の複製を見る。最後に複製手帳と記録を合わせて読み直すことでアダムの冒険の解像度をあげるのだ。


いよいよ未開拓領域へと足を踏み入れる...!

「どう?面白い?」

背後からヒイロに声をかけられた。

「んー、今からかな。大体最初の準備フェーズは面白くないから。」

「そう?邪魔しちゃった?」

「そうでもないよ。1人でゆっくり読むから。」

「そっか」ヒイロのテンションが何か低い。


「それより」広げた本を閉じる。

「何で薬学の本にしたんだ?」退けておいた本を引き寄せる。

「特に理由はないよ?メインの本を挟んで隠すためのものだからね。だからその2冊は新品じゃなくて古本なの。強いて言うなら...」

ヒイロは少し「んー」と鼻を鳴らすと

「シアンが読んだこと無さそうな本、かな?」

人差し指で空を切ってみせた。


「そういえばもう一冊は...」

未だ見てなかった最後の一冊に目を向ける。裏返っていた。向き揃えろよと思いつつひっくり返す。

「錬金術?」

錬金術入門のタイトルとそれに負けじとデカデカとヘルメスと著者名が書かれている。

「主張すごいよね?」ヒイロが覗き込んでくる。

「これ面白さとかで選んでないよな?」じとーっとした視線を向ける。

「ソンナコトナイヨー」アハハとヒイロが笑う。


でも錬金術か...。あんまり聞いたことはないな。

ペラりと最初の方のページを開いてみる。

「何々...『錬金術とは火、風、水、土の四元素を触媒として、物質の変化、変質、昇華または凝華させること...。』」

「魔法と何が違うんだろうね?」

聞いていたヒイロが問いかけてくる。

僕もそう思う。魔法も物質の変化や変質はできるし昇華と凝華がそのままの意味ならば腕利きの魔術師ならできるだろう。

だが、わざわざこのように書くということは...


「昇華や凝華がそのままの意味では通らないか、はたまた通常よりも楽にそれが可能なのか...。」

「ふ〜ん?」

ヒイロは多分分かってないな。半分つまらなさそうにしてる。買ってきたのお前だろ。

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