「映画鑑賞」20:45
わたしは『2-1』にお邪魔して映画を見ることにした。
雷に耐えられないわたしは、館山さんにいっしょにいてもらうことにした。
だがしかし、まだ用事があるとのことで、館山さんは行ってしまった。
彼女が戻ってくるまで『2-1』にお邪魔して映画を見ることになった。
元々学校ということで部屋――教室前方には、天井に吊り下げ式プロジェクタスクリーンがついていた。
「どれにしますか、矢部さん」
小野くんがDVDケースを運んできた。
どっさり、と。
「めぇっちゃ、あるねぇ!」
「はい。こういう設備があるって聞いていたので。せっかくなら利用しようと持ってきてたんす。呪力制御の修行ができるくらいにはあります」
「じゃあポテチとコーラを準備しなきゃ!」
「もうあります」
「さすがっ?!」
小野くんから赤色の缶を手渡された。
教室のイスに座って視線はスクリーン。
「でもさぁ窓ガラス事件、このままで大丈夫なのかなぁ」
絶賛映画放映中だが、小野くんに話しかけた。
映画がつまらない。
「わたしは、もっと他の人のアリバイも深く調べてみるべきだと思うんだけどぉ……」
「矢部さん、きびしいすね……」
「アレが真相で、『読者』は満足してくれるのかな?」
「いやコレ、めちゃメタ発言じゃないすか? そもそも『読者』じゃないすけどね?」
「こんなトラブルまであって、本当に大丈夫かなぁ。この合宿……」
「大丈夫だろう」
自信満々の声だった。
後方、わたしたちよりも2列程後ろのイスに座っていた。
「萬井さん」「萬井代表」
――いつからいましたか?
そういえば最初からいたような気がする。
会話に入ってきていなかったので、半ば存在を忘れていた。
「この程度のトラブル、『あいつ』ならば難なく解決するだろ」
「なんでそんなことわかるんですかぁ?」
「……気にすることないぞ矢部。『あいつ』も別にお前のせいだとは思ってないだろ」
「たしかにそうですけど。わたしのせい、なんて思わないでしょうけど」
わたしは『トラブルの原因』になった。
それを気にしている。責任を感じている。――見抜かれている。
あの状況では断ることができなかった。――そうなのだが、私の血が原因だ。
「でも萬井さんって、そんなに長い付き合いじゃないですよねぇ? ちょっと理解し過ぎっていうか、信頼しすぎじゃないですか?」
「そうか?」
「そうですよぉ。わたしの方が付き合い長いのに……なんだか嫉妬します」
わたしは頬を膨らます。
これが性別の差だろうか。
萬井さんの方が『あの人』を信頼している気がする。
「『あいつ』にはそういう才能が――能力がある。だから大丈夫だ」




