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第42話:優勝パーティ

 ◇


「十……九……八……七……六……五……四……三……二……あっ、アルス君たち無事に帰還ですね。お疲れ様です」


 地上に戻ると、シルファがミッション終了のカウントダウンをしているところだった。

 なんとか二秒前に地上に戻ることができたが、かなり危なかったようだ。


 既に他のパーティは地上に戻ってきているようで、一番を目指していたというのに俺たちは最下位になってしまったようだった。


「一位で帰還したのはランド君のチームですね。優勝候補ですが……魔物の素材数によって順位は変動してしまいます。それでは、みなさん魔物の素材を出してくださいね」


 シルファの指示により、一斉の周りのパーティが素材を取り出す。


「なるほど……みなさんあまり魔物は倒さなかったのですね」


 確かに、シルファの言う通り皆持ち帰った素材の数は少なかった。


「第十層に時間内に辿り着くだけでもかなりの時間がかかってしまいましたから、あまり魔物の素材を集める余裕がありませんでした。それに、実は第九層からは他のパーティ——アルス君のところは除きますが、それ以外の居合わせたパーティと協力して進んだんです。素材も均等に分けたので、こんなところです」


 黒眼鏡がどこか知的な印象を受ける少年——ランドがそう答えた。


「なるほど、そうだったのですね! 色々な進め方があって良いと思います。先生個人的には、敵である別のパーティと協力して進めたというのは学院生らしくてすごく良いと思います」


 それから各パーティごとに持ち帰った素材をシルファが点数化し、紙にメモしていった。


「あれ? アルスくんたちのパーティは素材を持ち帰らなかったのですか?」


 俺たちが魔物の素材を訝しんだシルファがそう尋ねた。


「ああ、俺たちのはちょっと数が多いのと、大きくてな。向こうにまとめて出してもいいか?」


「え、ええ……それは構いませんけど」


 許可を得られたので、Sクラスの面々からは少し離れた場所に向かう。

 アイテムスロットから大量に集めた魔物を一気に放出し、山積みにした。

 数え切れていないが、おそらく千体くらいはあるはずだ。


「な、な、な、なんですか……えええええええ!?」


 講師らしく落ち着きをもって話していたシルファだったが、素が出てしまったらしい。


「ど、どうやってこれほどの魔物を持ち帰って……いや、その前にどうやって倒したの……?」


 シルファだけでなく、他のパーティもざわざわとし始めた。


「アルスのパーティなのに遅いと思ってたらこんなことになってたのか……」


「ヤバすぎるぜ……」


「同じミッションをしていたとは思えないわ……」


 驚いていたシルファが正気になり、魔物の分析を始める。


「……これ、本当に第十層までで倒した魔物ですか?」


「ああ、それは間違いない。ちょっと特殊な空間があったからそこに入ったけどな」


 俺はシルファに二重ダンジョンを見つけ、そこをクリアしてから戻ってきたことを伝えた。


「ま、まさかそんなことが……。この魔物は第十一層以降の階層に出てきてもおかしくないほど強力な魔物です。それをこの数……」


 塔のように山積みになった魔物の死骸をシルファはぼうっと眺めた。


「あっ、それで点数ですが、本来なら一体につき二百ポイントくらいで評価するのが妥当でしょう。しかし今回は上限を百点としているので、百点で計算します。これって何体いますか?」


「数えてないが……千体はいると思うぞ」


 俺がそう言うと、どよめきが起こった。


「千体……ということは、単純計算でも十万ポイントになりますね……」


 一位での帰還時に得られるポイントが一万ポイント。

 俺たちは十位での帰還だったから〇ポイント。

 普通ならここからの逆転は難しい。


 しかし——


「優勝はアレン君のチームで決定のようですね……!」


 どうやら、魔物の数によりポイントだけで優勝が決まったようだった。


「アレン、やりましたね!」


「帰還はビリだったけど、良かったわね」


「ああ、ちょっと安心したよ」


 シルファからも期待されていたことは伝わってくるし、嬉しいというよりもホッとしたという気持ちの方が大きかった。


「それでは、クラス対抗戦の出場メンバーを決めようと思うのですが……」


 優勝パーティの発表の後、シルファはすぐにこの話を切り出した。

 今日の地下ダンジョンミッションの当初の理由は、土曜日に行われるクラス対抗戦の代表パーティを選ぶことにある。


 もともとクラスメイトたちは俺たちアルスパーティを推薦する意向だったようだが、どうなるか——

 という心配は杞憂のようだった。


「この圧倒的な実力を見せられちゃなぁ」


「やっぱり、代表に相応しいのはアルス君たちだと思います!」


「代表はアルス君のパーティで決まりでしょ〜!」


 どうやら、クラス対抗戦の代表パーティは俺たちで決まったようだった。

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