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第36話:学院の地下ダンジョン

 ◇


 翌日の朝九時すぎ。

 俺たちSクラスの学院生は、担任であるシルファに連れられて地下ダンジョンに繋がる階段の前に来ていた。


「この階段の先がダンジョンに繋がっています。これからミッションについての説明をするので、よく聞いてくださいね。……と、その前にこれを配ります」


 シルファは、各パーティのパーティリーダーに一枚ずつ紙を手渡していく。

 俺も紙を受け取ったので確認すると、そこには地図が描かれていた。


 ダンジョン全体を模した地図というわけではなく、どこかの階層だけを示しているようだった。


「まず初めに、学院生であるあなたたちを死なせたくはありません。ですので、使用するのは地下ダンジョンの中でも既に攻略されている第一層から第十層までとなります。それでも危険は伴いますから、細心の注意を払ってくださいね」


 なるほど、当然と言えば当然だが、既に地下深くまで攻略済みなんだな。

 だとしてもこの言い方だとまだ攻略されていない階層が残っているように聞こえてしまう。


 一般的なダンジョンは十層あたりで打ち止めであり、最終層のボスを倒すことで無事ダンジョン踏破となることを考えると、このダンジョンはかなり大きなものであることがわかる。


 階層が多いダンジョンのボスは強力だと言われているから、もし本格的に攻略しようとする者がいれば大変な苦労があることだろう。


「皆さんには、まず地図に書かれた第一層の地点に移動してもらい、私の合図でミッションを始めます。第十層に設置された旗を持ち帰ってきてもらいますが、そのスピードで競ってもらいます」


 なるほど、さっき渡されたこの地図は第一層のスタート地点を示したものだったということか。


「ただし、ただ速いだけでは足の速い人が勝ってしまいますから、面白くありません。魔物を倒した数も評価に入りますので、パーティで協力してたくさんの魔物を倒しつつ、早く地上へ帰還するようにしてくださいね」


 そう言った後、シルファはまた一枚ずつパーティリーダーに紙を配った。

 紙には、地上に帰還した順位によるポイントと、魔物を倒した際に得られるポイントが記載されていた。


 ————————————————————

 【帰還した順位】

 ・一位:10000ポイント

 ・二位:8000ポイント

 ・三位:5000ポイント

 ・四位:3000ポイント

 ・五位:2500ポイント

 ・六位:2000ポイント

 ・七位:1500ポイント

 ・八位:1000ポイント

 ・九位:500ポイント

 ・十位:0ポイント


 【魔物を倒した数】

 ・第一層〜第三層:1ポイント

 ・第四層〜第六層:10ポイント

 ・第七層〜第八層:50ポイント

 ・第九層〜第十層:100ポイント


 ※注意事項

 「魔物を倒した数」は証明が必要です。魔物の一部を持ち帰ってください。

 ————————————————————


 なるほど……なかなか良い塩梅で決められているな。


 旗を取った後、深い階層で魔物を狩っていると戻るのが遅くなってしまう。

 かといって浅い階層で魔物を狩っていると、魔物によるポイントを損してしまう。


 本当にパーティごとの考え方によるところが大きそうだ。


「帰還までの制限時間は三時間です。どのような作戦でも構いません。皆さん、頑張ってくださいね」


 シルファがそう言い、ダンジョンへ繋がる扉の鍵が開けられた。

 ゾロゾロと三〜四人組のパーティが指定された地点へと歩いていく。


「アレン、作戦どうしましょうか?」


「魔物重視か、スピード重視か……よね」


 二人はシルファが用意した二択に頭を悩ませていたようだ。

 実は、あれはどちらかを選べという問題ではないと俺は認識している。


「両方重視すればいいだけだろ?」

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