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チャット恋愛  作者: さくら
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我が家の生い立ち

私は35歳の平凡な主婦。


24歳の時に出会った夫と2年半の交際を経て、27歳で結婚した。

大学卒業後から勤めた会社は結婚を機に退職した。


そして結婚後は夫の地元で暮らしている。

実家から車で1時間程と遠くはないものの、近くに友達も知り合いもいない環境になった。


結婚してからはいつ子供が出来てもいいようにパートをちょこちょこしている。

が、6年経っても1度も妊娠検査薬すら反応することはなかった。


原因ははっきりしている。

結婚後しばらくしてからセックスレスなのだ。

一般的にセックスレスは何ヶ月ない状態を言うのかは知らない。

しかし結婚後は月に2、3度あったセックスも2年後には数ヶ月ご無沙汰なんてざらとなり、年に1、2度になった。

そして結婚5年目には完全なセックスレス。


その頃から会話が減った。

夫は結婚当初からゲーム依存だった。

それがスマホへと乗り換えたのを機に更にスマホ依存になった。

私もかなり遅れてスマホへと変えた。

夫婦の会話が減り、私は1日誰とも話していないような日が続いた。

それに苦しくなり、居場所を求めてある出会い系に登録した。

出会いたいわけではない。

会話出来る相手が欲しかっただけ。

その出会い系はチャット機能があった。

リアルで会話している気分になれるチャットは私の心の拠り所となった。

ただし、チャットで会話ができることを楽しんでいただけで浮気も不倫も一切していない。


そんな状態でもお互いに子供は望んでいたため、結婚6年目に病院に行く決意を固めた。

病院は初めから高度不妊治療も視野に入れ、不妊治療専門クリニックを選んだ。


病院ではまずは検査から始まった。

私の方は全く問題なかった。

しかも夫は精子の運動率が非常に悪く、運動率40%以上が正常とされているが、運動率10%を切っていた。

夫の精子は運動無力症だったのだ。


しかし病院ではまずタイミング指導から始まった。

愛のない子作りのための久しぶりのセックス。

全く気持ちよくなかった。


すぐに人工授精にステップアップした。

人工授精にステップアップした時からまたセックスレスに戻った。

人工授精を3度試したが、かすりもせずに全滅。


そして担当医から体外受精を勧められた。

夫とセックスしたくなくなっていた私は体外受精に二つ返事で飛びついた。


体外受精は奇跡的に1度目で成功した。

相変わらず夫婦の会話は少なかったけど、妊娠してからはチャットはほぼしなくなった。

日々体調の変化があり、お腹が大きくなり、胎動も感じた時は幸せだった。


無事に妊娠は継続でき、出産予定日を過ぎて出産することが出来た。


初めての育児はとにかく大変だった。

知らないことだらけで、子供も十人十色だから子育て経験者に聞いても返事がみな違う。

我が子をただただ『可愛い』と思える余裕なんてなかった。

それに加えて、夫の育児しない姿勢にイライラした。

出産後、会話は増えたが主に喧嘩だった。


それでも子供も少しずつ成長してくれた。

成長は本当に嬉しい。

そして我が子が10ヶ月を迎える頃には少しだけ自分の時間が出来た。

お昼寝やひとり遊びしてくれる時間もでき、夜の寝かしつけも楽になり、子供が寝た後に自分の時間が出来た。


相変わらず会話は少なかった。

夫とは子供関連の会話が出来たので、以前よりは増えたが事務連絡的な物だった。

セックスレスは変わらず。

キスや触れ合いも一切なかった。


夫は子供が生まれても変わらずスマホ依存、ゲーム依存だ。

テレビゲームは子供の前でやるのは止めてと注意して止めてもらったが、その分ずーっとスマホを触っている。

ゲームが主だった。

子供がスマホに興味を持つようになり、つかまり立ちの出来るようになった10.ヶ月頃からは触りに行くようになった。

それに夫は怒る。

そんな夫を見て、私はイライラした。


私はまたチャットを覗くようになった。





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