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一部の枝分かれが収束して一つになる歪な形をして

生き残るためにクラスが動き出した。

一つは未来を見据えるために町を目指す。

また一つは現在を生き抜くために水、食料を探す。

最後は過去を守るために教室を見守る。

その三つを成し遂げるため、皆が協力した。

町を見つけ出す班が15名

水源、食料採取班が10名

居残り組が5名          計30名

自分が出来ることを心に秘め、考えそれぞれの道へ進んでいく。



△△△場面は町を探す班

教室のあった場所をまっすぐ出発して既に2時間が経とうとしている。

しかし、未だに彼らの周りには木々が生い茂り2時間進んできたことを疑い錯覚させるほど景色が変わらないでいる。

それも相まってか2時間歩いてきた以上にみんなの顔色は疲れて暗くなっていた。

「くにたちー、全然景色が変わらないけどまだまっすぐ進んでくのか? もしやこの木のせいとかでまっすぐ進んでるつもりが教室周辺をぐるぐる回ってたりしてな」

木村は國立に向かってそう言った。


「大丈夫だよ。しっかり目印をつけて進んでるから同じ道は繰り返してないはずだよ。だけどこの一向に変わらない景色が続くとそう思うのも仕方がないね。何か看板でもあればいいのだけど。でも、ひとまずここらで休憩にしようか。ここまでノンストップできたからね」

國立は木村が聞いてきたことに対して問題ないことを伝えた後みんなの表情を見て休憩の選択をとった。

その言葉を聞いてか皆からの緊張が切れたみたいで表情も多少は柔らかくなっていた。


そして彼らは木陰のそばに行き木に寄りかかり休憩をとる人や休憩の言葉を聞いた瞬間にその場で芝生に倒れこみ身体を大の字にして大げさに休憩をとる人と各々楽な体勢に座ったり寝ころんだ。

そして、携帯している自分の飲み物をそれぞれ飲んだ。


「10分くらいしたらまた歩き出すからそのつもりでいてくれ。その分この10分でしっかり休憩を取てくれな。今日中にも町を発見したいから、皆もそうでしょ?」

10分という短い休憩時間を突き付けられて顔をしかめたクラスメートだが次の言葉でこの状況であることを認識し文句は言えずその言葉に頷くしかなかった。


「國立、今日中には着きそうなのか? 流石にこの大人数で野営となると色々と危険が出てくる。何なら引き返してもいいんじゃないか?」

そう聞き返してきたのはこのクラスの國立と双璧をなす男子で二年生にしてテニス部の副部長を務めていた神崎真(かんざきまこと)が言ってきた。

彼はそのこともあってかある程度の発言力が強く。このクラスにも慕っている人がいる。

勿論のこと外見も國立と肩を並べることものがありテニスをしているので引き締まった身体でそれに加えクール系の雰囲気があって本人には自覚がないが学校では人気があった。

流石に今までは國立に対してそこまで口を出さなかった神崎だが、急ぎすぎているような感じがする國立に向けて代替案を言った。


「もちろんその選択肢もある。けど、何も成果を得られずにのこのこと教室に帰ることになるよ? それならギリギリまで探して町を今日中に探した方がいいと思わない? 大丈夫! ある程度はここの地理について分かってきたから必ず町に着いてみせるよ」

國立はいったんその案を飲み込んだかのようにみえたがすぐにそれは下策だと理由を述べて、士気の低下も考慮してかはったりとも思われる大口をたたいた。


「そうか。悪い口を挟んで」

神崎は短く言葉を募り自分の非を認めたかのようにみえた。

これも、副部長という立場も相まってか神崎なりのクラスの雰囲気を思った事なのだろう。集団を預かっている身だからわかることだ。


そんなことがありすぐに出発の時間になった。

皆が重い腰を上げていき数人は立つと腕を大きく上げて唸りながら伸びをした。

全員が準備が出来たところを見て國立を先頭にして木々の間を進んでいった。

休憩を挟んでからはみんなの歩くスピードも戻り順調に進んで一時間が過ぎようとして太陽が横に落ち夕方になったと思われるときに夕日の光からか少し先に人影が二つ見えてきた。


「みんな見て! あれは恐らく人影だ! その人に頼れれば町に行けるかもしれないぞ。ここまで来たかいがあった」

國立の目に影が写りそれが人影と分かったなら後ろに続くクラスメートに伝えこれで町に行けると言った。

それを聞いた皆は沸き上がり周りの奴らとこれで町に行けると喜びを共有しようとした。


「そうと決まればさっさと行かないと! 見失ったらここまでの苦労が水の泡になってしまう。 皆行くぞ!」

國立の言葉を聞いた木村もそこに人がいると分かれば見失わないようにすぐに行動しなくてはと促した。


「いや待って! 皆で行かない方がいいと思う」

皆が藁にすがる思いで歩き出そうとしたところに國立の「待って」が飛んできた。


「俺もそう思う。みんなで行くのは駄目だ」

國立の言葉に同調してまさかの神崎も言ってきた。


「なんでや? もうすぐそこに人がいるんやったら行かなくっていいのかよ?」

思わずの反論に木村も疑問の声を上げ後ろを向いて二人を見た。


「神崎君も言う通り皆ではいかない方がいいよ。なぜならもしその人が僕たちをみつけた瞬間に敵意を向けて来る可能性が高いこんな大所帯で行けばその確率は高くなるだろう。だから数人で接触してファーストコンタクトが敵意にならないようにすべきと思う。神崎君も同じ理由でしょ?」


「ああぁ、そうだな。大勢で行くのは俺たちが危険になる。國立の言う通り少数精鋭が好ましいだろう」

流石はアクラス男子の中心である二人はいち早くそれに気づいて皆を止めに入った。

他の誰かは気付いて言ったとしてもこうはならなかっただろう。

この状況に千慧がいたのならそのことに誰よりも早く気付けることが出来たかもしれないが千慧が止めに入ったとしても誰も止まらずに人影の人と大勢で接触してバッドエンドを迎えることになる。

二人だからこそ皆は足を止めることが出来た。

それに気づくやつはここの場所にはいない。

なぜならくしくもこのクラスにボッチは千慧と神無の二人しかおらず、ボッチの特性となっているどんな状況でも周りを客観的に見ることができる。今のこの場にはおらず教室で意識を失っているためだ。

だから早くもこの班は皆知らず知らずに國立、神崎が主導の元に動く体制が出来てしまったのだ。

それでも心内は良く思ってないやつもいるみたいだが・・・


「それじゃあ、まず僕が接触しようと思う。ここは知らない土地もあってか日本語が通じるとは限らない。僕なら多少他の言語の心得があるからね。それに危険もあるから皆には学級委員長として任せられないよ。決める時間もないし」

本心かはさておき國立一人がその御役目に立候補した。

それに続く対抗馬も出なかった。

あの神崎でさえ國立の言動に頷くだけであった。

本当に彼はクラスの安全が最重要事項なのであろう。


「そうと決まれば行ってくるよ。危険だと分かればすぐに戻ってくる。だから一応すぐに動けるようになしといてね。もしいつまでも戻ってこなかったら・・・神崎君頼むよ!」

それをクラスに伝え、後半の部分は神崎にだけ聞こえるように言って彼は走りっ出していった。


「ああ、分かってる」

これまた國立にだけ聞こえるような声音で神崎も了解した。


その中でもクラスメートが集まっているその片隅に二人の生徒が國立、神崎に視線を向けて羨むようなそれとは少し違った憎んでるかのような視線を送っていた。

「ここは絶対に異世界だ。なのになんであの二人がラノベの主人公みたいな動きをしているんだ。そうゆうのはオタクが主人公であるのが定石ではないのか!」


「そうとも、我々がこの世界では主人公に決まっているのだ。こうしているうちにも主人公の力の覚醒は始まっているのかもしれないな。同志よ」


「愚問であるな」

怪しげな会話が他の人に聞こえない様に話され始めていった。


一方そのころ教室の簡易ベッドの千慧sideは人知れず静まり返っている中


「はっっくしょん!!」

静まり返った教室の中で突然のくしゃみの音がこだました。

発生源は千慧であった。

意識がない中でも千慧の身体は千慧の噂を観測したのかもしれない。


「神凪君!?」

それにより居残り組には波乱が巻き起こった。

閑話休題

それにより千慧は体の隅々まで診られることになったとか・・・

勿論千慧の意識はまだ回復していない。





しばらく主人公はフェードアウトします。

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