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私にとって。
『わたしと青春しよっ!』
テレビから流れてきたドラマのセリフに、私は反応した。
親が家にいる時間がとても短くて、一人でカップ麺をすする毎日を過ごしている私が、青春だって。
全く笑えない。
そこでふと思い出したのは、あの一年…宮…宮なんちゃら君だった。
どうして彼はあそこまで目を輝かせていたのだろう。
ふと気になってしまった。
私はなにをやっても鈍臭い。
そんな私でも、きっと誰かと一緒ならキラキラ輝くことが出来るんじゃないか。
そう思ったから、学園青春部を作って、その誰かを待った。
待ち望んでいた。
「あちっ」
薬缶から弾け飛んだお湯の飛沫が皮膚を刺激する。
毎日作っているカップ麺さえ、アクシデントなしでは作れない。
こんなダメ女と一緒にいることになる彼は、これから青春を謳歌できるのだろうか。
鈍臭いダメ女な私は、やはり人の心配ばかりをしていた。