究極のアイドル年代記―An ultimate idol chronicle―
※この作品はフィクションです。地名は一部が実名になっておりますが、実在の人物や団体等とは一切関係ありません。一部でノンフィクションでは…と突っ込まれる要素もあるかもしれませんが、この作品におけるフィクション扱いでお願いします。
※コメントに関しては『ほんわかレス推奨』でお願いします。それ以外には実在の人物や団体の名前を出したり、小説とは無関係のコメント等はご遠慮ください。
※小説家になろうへ移植する際に一部セリフ等を変更している個所があります。
西暦2014年4月4日午後6時、テレビでは一連の超有名アイドルプロデューサー逮捕のニュースが流れている。例外として、1局がアニメになっていて、そこへ視聴率が取られている流れではある。
この世紀の番狂わせとも言える出来事は世界中に広まり、日本が『超有名アイドルによる支配国家』である事を印象付けさせるには十分な展開となった。
それから1週間が経過した4月11日、海外と日本国内で事件の取り上げ方が決定的に違う点も浮き彫りになっていた。
日本が一連の事件や超有名アイドルの軌跡等を取り上げているのに対し、海外は超有名アイドル商法がどんな兵器よりも危険であるかのような報道を行っていたのである。
これに対して4月9日に芸能事務所が抗議をしたのだが、抗議したアメリカ大使館で別の某有名漫画ファンともみ合いになり、そこから理由は不明だが襲撃事件に発展、芸能事務所関係者が逆に逮捕されると言う事態になった。
(この襲撃事件に関しては、アメリカ側が某有名漫画の海外進出をさせる為に仕組んだとも言われているが、ソースが存在しない為に真相は定かではない)
それに加え、この時の1ドルが120円と言う事もあって、超有名アイドルが今まで稼ぎだした額も海外の資産家が束になっても勝てない額だった事も、海外で超有名アイドルが危険な存在だと取り上げる原因となった。
日本政府もこのままでは逆鎖国状態になってしまう事を恐れ、遂には超有名アイドル商法規制法案を国会に改めて提出した。
法案の提出と言うニュースを聞き、都道府県アイドル達は法案が可決された原因を作ったのは芸能事務所と超有名アイドルファンが暴走した結果だ…と訴える。
その一方で、超有名アイドル側は規制法案を廃案に追い込むために反対派の政治家を買収すると言う手段に出た。
最終的に、法案は賛成多数で可決され、4月21日から施行される事となった。そして、買収された政治家は一斉に逮捕され、そこから更に超有名アイドルが行った今までの事件が明らかになり、事実上の超有名アイドル商法根絶は実現された。
しかし、第2、第3の超有名アイドル商法が誕生しないとは断言出来ず、芸能事務所やファンなどが一丸となって同じ悲劇を繰り返さないように見守っていく…と言う方向で事態の収束は進んでいく事になる。
今回の事件をアカシックレコードサイドでは『アルティメットアイドルクロニクル』と命名し、一連の出来事を記録して今後に同様の事件が起こった場合の対策に使用する事になった。
しかし、繰り返しになるが第2、第3の超有名アイドル商法が誕生しないとは言い切れない。既にアカシックレコードでも、過去に同じ事の繰り返しが起こっている事が、その証明にもなっている。
歴史は繰り返されるのか、それとも…? それはファンの意識改革だけではなく、ランキングで1位を取る為ならば手段を選ばないと言う芸能事務所等のやり方を改める時期に来ているのかもしれない。
(西雲隼人のメッセージより。一部抜粋+一部編集)
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シーン12:北千住・アーカシアン本部ビル
西暦2014年4月22日午前10時30分、荒川河川敷ではとある法案に関する反対派勢力のデモが行われていた。
21日に施行される事になった超有名アイドル商法規制法案、それは超有名アイドルに関係すると思われる不当な商法や宣伝行為、それを原因として起こる全ての事件(テロ行為等も含む)を禁止した法案である。
そして、それらには「表現の自由」等のような自由を奪う項目が含まれている…と反対派の人物は主張する。
しかし、それらは某有名□□□漫画が人気となっている流れで、何としても該当勢力を全て排除しようとする為の建前に過ぎなかった。
『お前達が行っている事は、超有名アイドル商法規制法に反する―したがって、この場で逮捕する!』
超有名アイドル勢力にとってはホワイトナイトとも言われていた白騎士が、今度は政府の犬として超有名アイドルファンを捕まえると言う構図が、ここにあった。
その一方で、アーカシアンの方はとある作戦を計画していた。本部ビルでは、秘密会議が会議室で行われている。
「今回の規制法案、何もかもが出来過ぎている。確かに超有名アイドル商法に関しては問題点が多い。しかし、ここまでの事を行う必要性があるのか?」
「さすがに逮捕された者が無期懲役というような状況にはなっていないが、一歩間違えれば恐怖政治と大差はないだろう」
「果たして、今回の規制法案には何の狙いがあるのか?」
「もしかすると、超有名アイドルが支配政治を行っているらしいと言う認識をしている海外勢を牽制するとか?」
「どちらにしても超有名アイドルによってボロボロになった業界を立て直すのには、時間がかかるだろう。直撃を受けた業界に関しては、こちらの管轄外だが」
会議室に集まった構成員等も、今回の規制法案に関しては疑問を抱いていた。大きな議論もせずに、そのまま通したような印象さえある。
「確かに、超有名アイドルに関しては懸念事項が存在するのは事実だろう。しかし、何でもかんでも超有名アイドルに結び付けて、ありとあらゆるものを規制した結果、コンテンツ業界が沈黙してしまっては元も子もない」
「このままでは海外勢によって日本が…」
「さすがに、そこまでの事はしないだろう。しかし、海外コンテンツ業界が日本を独占市場と考えるのも時間の問題だな」
構成員の方も打つ手なしか…と思われた矢先、1本の通信が入った。通信主はメインルームのスタッフらしい。
『お取り込み中すみません。これをご覧ください』
メインルームのスタッフが会議室へ転送した画像、そこにはゴッド・オブ・セラフの量産型が荒川河川敷で暴れているという様子だった。
「どういう事だ? あの機体は政府の方へ横流しされていたとでもいうのか?」
「あの機体はアカシックレコードで開発された物とは別物…。つまり、軍事転用されてもブラックボックスは作動しない―」
「あれだけの兵器を海外へ送り込めば、それこそ世界大戦が起こるレベルだぞ!?」
「政府は一体、何を考えているのか?」
映像を見た構成員も動揺を隠せない。しかし、周囲をよく見て見ると怪我人は出ていないように見える。そして…。
「ゴッド・オブ・セラフもアカシックレコードで作成された技術です。周囲を見れば、それは一目瞭然でしょう」
動揺した構成員に一喝するように口を開いたのは、翼島氷雨だった。
「あれだけの巨大ロボがアカシックレコードで作られた技術だと言うのか?」
「もちろんです。使用されているフレーム自体は他のARゲームでも使用されている物と同じ。それを単純に大型化すれば―」
構成員の質問に氷雨が答えると、周囲は更なる衝撃に包まれた。
「しかし、あれだけの大型フレームが起動している光景を海外メディアに撮影されるのは、こちらとしても都合が悪い。どう対処すべきか」
このランスロットの一言を受けてかは不明だが、荒川河川敷では予想外の展開が起こる事になった。
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同日午前10時35分、突如として現れた赤い閃光が瞬時にして白騎士部隊を撃破する。一体何が起こっているのか…と超有名アイドルファンはその場を動けずにいた。
「貴様たちのやっている事は、規制法案の名前を借りただけの魔女狩りに過ぎない!」
赤いマントにフードを深被りした人物、聖羽望の姿がそこにあった。白騎士側としては想定外というよりは、彼が来るのは計算済みだったかのような表情を見せている。実際は、バイザー越しの表情を見る事は出来ないのだが…。
「日本政府を影で操る存在、それをあぶり出す為にも戦い続けなければならない!」
何故、彼が白騎士と戦っているのか事情は分からないが、今が逃げるチャンスと判断したデモに参加していた超有名アイドルファンは逃走していった。
「今の超有名アイドルファンのように、逃げたい者は逃げても構わない。自分は、敵前逃亡を考えているような人物を後ろから撃つ気はない」
そして、聖羽は大型のARキャノンを構え、それをゴッド・オブ・セラフに向かって放つのだが…フィールドを展開され、ビームは弾かれる結果になってしまう。
『無駄だ! お前達のアカシックレコード技術は調査済だ。我々の技術は、それよりも先の未来からの物を利用している!』
先の未来と言うセラフの発言が気になったが、今のARキャノンではゴッド・オブ・セラフには太刀打ちできないのか…と聖羽は考える。
「先の未来だと? 技術ばかりを重視するあまりに、アルティメットアイドルウェポンの真の力に気付いていないようだな」
突如として、ゴッド・オブ・セラフに向かって飛んできたのはアルティメットアイドルウェポン《バハムート》だった。しかも、そのスピードは以前の物と比べ物にならない速度である。
『バカな!? アルティメットアイドルウェポンは進化する武器とでも言いたいのか?』
バハムートの攻撃をガードするのが手いっぱいなセラフに対し、電車の鉄橋に立って余裕の表情を浮かべていたのは瀬川マコトだった。彼女のアイドルジャケットは北欧神話のデザインに拍車がかかったような新たなデザインにチェンジしているようにも見える。
「アルティメットアイドルウェポンの進化は、適格者限定だからな―」
白騎士の軍勢を撃破しつつ現れたのは、神槍を持った如月アオイだった。その隣には、ハイブリッドの姿もあった。
「ハイブリッド、何時の間に―?」
映像を見たランスロットは、荒川河川敷で何が起こっているのか把握出来ずにいた。
「始まったみたいね。超有名アイドルでもキサラギに所属する音楽ゲームや同人ゲーム楽曲でもない、新たな音楽業界を生み出そうとする流れが…」
会議室に突如として入って来たのは、シヅキ=嶺華=ウィンディーネだった。
「それを望んだ音楽家は他の世界にも訴えかけた。それが、アカシックレコードの始まり」
「そして、アカシックレコードの強大な力を目の当たりにして悪用を考えたのが超有名アイドル勢だった」
「最終的にはアカシックレコードを中心にして多くの世界が出現する事になった。それが、我々が使うようになった用語である世界線だ」
シヅキの話を聞き、構成員はまさかと思った。アカシックレコードを中心とした世界。それもテストケースなのではないか、と考えいる人物もいる。
同日午前10時40分、荒川河川敷ではシヅキ、ハイブリッド、如月、聖羽、瀬川の5人が量産型ゴッド・オブ・セラフと戦闘を続けている。
【まさか? あの法案に反発するとは予想外だった】
【超有名アイドル商法を規制する法案を作るきっかけは、間違いなく彼らなのに…どうして?】
【もしかすると、政治家の利益絡み等で法律をすり替えたと言うのが一番有力だろな】
(中略)
【超有名アイドルは規制し、それに近い売り上げを記録している女性に絶大な人気の某有名□□□漫画を支持しようと言う…。彼らは、超有名アイドルとキサラギの争いを別の相手に差し替えてでも行おうと言うのか?】
【結局、海外の視線が厳しい超有名アイドルは一時的に規制し、某有名□□□漫画をメインにしようと言う考えが丸見えだな】
タイムライン上では、今回の荒川河川敷の件を含めて規制法案が実は政府の利益が上がるように仕組まれていた等の仮説が浮上していた。
同日午前11時30分、西新井にあるキサラギビルのロビーでニュースを見ていたのは秋葉真だった。
《最初のニュースです。有名□□□漫画のイベントに脅迫状を送った高校生を、先程逮捕しました。このニュースを緊急速報でお送りします》
最初に流れたニュースは秋葉の予想に反して、別のニュースだった。荒川河川敷のニュースは黙殺されたのだろうか…とふと頭の中をよぎる。
「そう言う事か。アーカシアンもやってくれる!」
コーヒーを飲みほした後、ARブレスを確認した秋葉は荒川河川敷のニュースが報道規制されたらしいと言うタイムラインを目撃した。
【冒頭のニュース、あれだよな? 掛け算しか考えていない人物の暴走だよな? 小説サイトでもランキングで同じような掛け算のSSばかりが上位を独占している事が問題になっていると聞く】
【同じような事は現実世界でもあったな。結局、超有名アイドルの暴走と同じで悲劇は切り替えされると言う事か】
【荒川河川敷の件よりも、こちらをトップニュースにした民放の意図が分からない。規制法案が出てから、有名□□□漫画のメディア露出度がワイドショー等で広まったのは事実だが】
【国営ニュースは荒川河川敷のニュースだが、超有名アイドルファンが逮捕された事以外は報道されている様子がない】
【もしかすると、アーカシアン絡みで報道規制がされた可能性もある?】
【超有名アイドル規制法案を事実上は推進したアーカシアンが、どうして今回のデモと関係するんだ?】
【一説によると国家組織が派遣したゴッド・オブ・セラフを破壊したのが、アーカシアンのメンバーらしい】
【?????】
【マジか!?】
(中略)
【わけが分からないよ】
【3行で説明してくれ】
このタイムラインを目撃した秋葉はアーカシアンの方へ緊急連絡を入れようとしていたが、それとは別に電話が入ったのである。
「―それは本当なのか? 政府は超有名アイドル規制法案の修正に応じると?」
「超有名アイドルは海外で厳しいと言う話は聞いていた。しかし、それが事実は限らないだろう」
「結局、政府は一部の業者や炎上ブログ管理人、アフィリエイト系サイトが儲かるようなシステムしか採用しないのだろうな」
電話の主は不明だが、秋葉にタレコミがあると連絡をしてきた人物だった。
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同日午前11時40分、荒川河川敷には多数のパトカーが止まっていた。しかし、彼らのやっている事はマスコミや野次馬が侵入しないように見張っているだけで、現場検証等を行う様子は全くない。
【結局、何があったんだ?】
【タイムライン上では、アーカシアンを含めたアルティメットアイドルファイトのアイドルが白騎士部隊と交戦したらしい】
【政府の犬とか色々と言われている白騎士だが、実際は有名□□□漫画に出てくる登場人物の掛け算しか考えていない連中だと聞く】
【実際、そうであるかは不明のままだ。真相はアカシックレコードでも分からないらしい】
(中略)
【例の世界線チャットは?】
【あれは他の世界が過剰介入をして、自分達の意思で決められなくなる恐れもあるとして非常時以外は使えないようにしたらしい。何でも、これを指示したのはアーカシアンらしいが】
【普通に現場検証をしていないのなら、警察ではなくて自警団等に任せればいいと思うのだが?】
【もしかすると、別の勢力が警察を利用して現場へ立ち入り出来ないようにしている説が大きい】
【流れを断ち切って申し訳ないが、貿易輸出が赤字というニュースが流れた。もしかすると、日本は超有名アイドル規制法案で大幅黒字を水増ししていたと言う事が海外にアピールされた形になる】
【他の世界だと超有名アイドルグッズと抱き合わせ商法に近いような生活必需品等が売られようとしていたという噂も聞く。そして、超有名アイドルファンは大幅減税、それ以外は大幅増税。これはさすがに…】
一連のタイムラインを見ていたのは、背広に短髪、身長180位の男性だった。彼も荒川河川敷に用があって立ち寄ったのだが、結局は警察が現れた事で諦めて帰る所だった。
「見覚えのある―」
彼の前に現れたのは、身長179センチのラフな格好をした男性だった。実は、彼こそがブラックスラッシャーの正体でもある。
「君は確か、私と同じ名前の―」
青年が何かを切り出そうとすると、ブラックスラッシャーはアタッシュケースを彼に手渡す。
「このアタッシュケースには、ARゲームの《パンドラの箱》とも言うべきデータが入っている」
「これを超有名アイドル勢力や有名□□□漫画ファン、アーカシアンに渡す訳にはいかない」
「だから、あなたにこの《パンドラの箱》を託したい」
ブラックスラッシャーは言いたい事だけを言い残し、彼の前から姿を消した。そして、アタッシュケースを開けると1つのブルーレイとプラモを思わせる箱のような物が入っていた。
《西雲隼人へ》
ブルーレイのパッケージには、西雲隼人と書かれていた。
「パンドラの箱か―」
西雲隼人は、足早に荒川河川敷を後にした。
同日午前12時、お昼のニュースでのトップニュースは意外な物だった。
《先程届いたニュースをお伝えします。超有名アイドルを多数抱える大手芸能事務所で与党政治家を買収していた事実が明らかになりました》
このニュースはまたたく間に広がり、遂にはタイムライン上での一番話題のキーワードにもなった。
【買収のニュースは今更の気配がする。何故、トップニュースなのか?】
【今回は、超有名アイドル規制法案絡みで反対票に投票したのが買収された政治家だと聞いている】
【反対派は法案が成立してしまったのは、芸能事務所の責任と言わんばかりの八つ当たりをしているのか?】
(中略)
【さすがに八つ当たりは違うだろう。しかし、一連の芸能事務所が強制捜査の対象になったのは政治家の告発があったからと聞く】
【つまり、今度こそ超有名アイドルは黒歴史になるのか】
【魔法のように奇跡を起こし続けた超有名アイドルも、化けの皮が剥がれれば、普通の人だった…と言う事かも知れない】
このタイムライン以外にも超有名アイドル商法が、実は政治家などの買収によって成立していた事実が広まっている事を示すタイムラインは多数存在する。
西雲が託されたパンドラの箱、その中には何が存在するのか…。そして、本当に超有名アイドルは活動を停止したのか…?
さまざまな謎を残しつつ、アルティメットアイドルファイトを巡る一つの戦いは幕を閉じるのであった。




