異世界召喚はニャーばかり ~令嬢歓喜!~
ニホンゴわかんない。
「お父様、異世界召喚は成功させないといけません。この国をよくするために」
私はお父様、国王に言う。
真面目ぶって、あくまでも真面目ぶって。
「わかっている、娘よ。
魔王を倒し、この世界を平和にするために、勇者を、勇者を呼ばないといけない」
「そうね、勇者を」
『勇者』の所を強調する。
「じゃあ、魔術師たちよ、古代より伝わりし呪文を唱えるといい。
ニホンゴで」
魔術師たちはうなずき、唱え始める。
『ニホンゴ』
なぜか現れ、何かを、たぶん、発展させた異世界の日本人。
それが遺したとされる、呪文。
私たちには理解できない、たが、この世界を平和に導くはずの、呪文。
多分、きっと。
その呪文。
「「「なんか異世界つまらんわ。
ラノベもないしvtuberもいないしスマホもないし。
てか、言葉が通じんし。
冒険する気にもなれない、死にたくねー。
もう嫌だ、猫呼ぶ呪文作ろ。異世界人ザマア。
格好いい呪文、格好いい呪文。
思い付かんわ。
よし! ネコ! 現れろ!」」」
「終わったか…」
「そうね、お父様」
令嬢の私はうなずく。
『ニホンゴ』だから何を意味しているのかは、私たちには分からない。
きっと、素晴らしい意味があるのだろう。
そして、今回も呪文は成功。
地面が青く光る。
現れたのは…。
「ニャー」
「お父様! この生き物も飼うわ!」
「またニャーか。勇者を呼べというのに」
『ニャー』と鳴く生き物。
小さくて、ふわふわで、可愛らしい生き物。
魔物じゃないはず。だってこんなにも可愛らしいのだもの!
令嬢だから真面目ぶらないといけないのに、興奮を全然隠せない。
「お父様! 飼っていいでしょ!?」
「いいぞ、娘が喜ぶのなら何匹でも飼おう」
「よっしゃあ!」
「令嬢どこいった?」
私たちを見ている魔術師たちは、
「仕事終わったし飲みに行かね?」
「古代のニホンジンが作った酒場に行こうぜ」
「バニーガールバー。
ニホンゴ全然分からないけど、どんな意味なんだろうな。
まあいっか、可愛いし」
「「「じゃーんけん」」」
古代より伝わる手を使った賭博をする。
魔王とかどうでもいい、このニャーたちが可愛いから。




