第7話 占領しました。
ここから先は簡単だった。
ボスの命令で各船の乗組員を呼びつける。
乗組員を取り囲んで一斉に取り込む。
次は人数増えたぶん、多く呼びつける。
雪だるま式にあっという間にこの基地の人間のほとんどが俺になった。
察して逃げようとした奴らも少数ながらいたが、そもそも船はだいたい俺になってるから、乗り込んだ船に食われて終わる。
バレても大丈夫となってからの俺の行動は大胆かつ迅速だ。
「よう! 非常食! 元気か?」
久しぶりにスライム形態で、独房代わりに使われてるエリアにやってきた。
「やっぱり私って非常食じゃ無いですか!」
「あーごめんごめん、久しぶりすぎて名前忘れただけだから」
「忘れたって自分でつけた名前じゃ無いですか!」
「だから、思い出すのに非常食からスタートしないと思い出せなかっただけだって、えーっと、非常食……携帯食……カロリー……リーメイ! リーメイだ! 元気だった?」
「元気じゃ無いですよ、観葉植物扱いされたし、もう売り先決まってるみたいですし」
「あーコールドスリープしてる奴らと一緒に売られるみたいだな」
「みたいだなって、暢気なこと言って」
「大丈夫、大丈夫、ここの掌握は既に済んでるから、この基地で生きてるのって俺とリーメイしか居ないから」
「え、怖い、ここの人たちどうなったんですか?」
「ん、喰った」
「食った! あんなに沢山いたのに?」
「いやー大変だったよ、今にして思えばもう少し効率的な方法あったんじゃ無いかって思うんだけど、結果オーライって事で」
「うわぁ、ドン引きですよ」
「お? なんだお前助けに来てやったのにそういう事言うのか?」
「それなんですけど、何故私を助けてくれるんです? 木人って動いたり喋ったりこそしますが、外見はただの木ですよ?」
「なんでだろう? 言われてみれば助ける理由ないよな! よし、助けるのやめるか」
「ちょちょちょ、待ってくださいよ! せっかくここまでしたんだから、助けてくださいよ!」
「でもなぁ、俺にメリット無いって気づいちゃったしなぁ」
「えーっと、えーっと、話し相手になれます! 誰とも話さないのって寂しく無いですか?」
「言われてみれば確かに! 気軽にみんな喰っちゃったけど、話し相手くらい残しておけば良かったかも」
「でしょー、でしょー、ほら、まだ間に合いますよ! ここに一人います!」
「じゃあ、話し相手って事でよろしく!」
「ふぅ、よろしくお願いします」
「でさ、行商人の一行は全員、喰っちまおうと思うんだ」
「えーそれって大丈夫なんですか?」
「海賊と取り引きする商人なんて絶対悪いやつだし、問題ないだろう」
「そんないい加減な感じじゃなくて、調べられるなら調べましょうよ、ここのデータベースとかに無いですか?」
「子供のくせに随分難しい事知ってるんだな」
「幼木っていったって、樹齢三十年くらいは経ってますよ、木人の成人は樹齢百年ですから」
「なんだ、子供扱いして損した」
「そこは子供扱いしてくださいよー、種族的には子供なんですからー」
「はいはい」
「ハイは一回で良いんですよ」
「うわぁ、ババくせ、そんな事より行商人はゲシュタルト商社っていう会社の系列会社の末端だな」
「ゲシュタルト商社って、私でも知ってるくらい大きい会社ですよ」
「らしいな、米粒から宇宙船まで、何でも扱うようだ。 そこの非合法部門担当って事なんだろうな」
「そんな凄いとこの相手、取り込んじゃって良いんですか?」
「コールドスリープ持って帰られるとバレるからな、ここはしょうがない」
「えー本当にしょうがないんですかぁ?」
「じゃあ、リーメイもっといい案出してみろよ」
「……うん、しょうがないですね!」
「だろう」
行商人の運命は深く考えるのが苦手な二人によって決められてしまったのだ
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