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【カクヨムSFジャンル週間8位獲得作品】SF世界なのに、スライム転生しちゃった! 何でも食べて強く生きます!  作者: 山親爺大将


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第4話 遭難信号出しました。

 早速、出力最大で全周波数で遭難信号発射!


 発射? であってるのかな? まぁ良いや、発射!


 ふっふっふ、俺は星々の狭間を漂う誘蛾灯、俺に惹きつけられた哀れな蛾どもよ!

 さぁ! 俺の養分になりにこい!


 レーダーに光点が次々と現れる。

 現れる。

 あら……多すぎじゃね?


 いやいや、たった一隻の船にどんだけ集まってきてるんだよ!


 あーなんだ、なるほどそういう事か。

 全部同じグループじゃないんだ。


 光点同士がぶつかり合ってるよ。

 もう少し詳しい情報なんとかならないのかな?


 識別信号……海賊が出してる訳ないな。

 外部カメラ情報での識別が出来るのか、これで分かるかな?


 おー旗艦だけ分かった。

 それを元にした予測勢力ね。

 近辺での勢力規模Dが二箇所、Cが二箇所か。


 へぇ、Dの二箇所が同盟組んでCを攻め立ててるんだ。

 C同士は仲が良くないんだな。


 あ、Cが一つ撤退した。

 こりゃ、二つのDで決まるかな?


 お!別に勢力やってきたぞ。

 えーっと、勢力規模Bか。


 こりゃ全部持っていかれたな。


 おっと、呑気に対戦眺めてる場合じゃ無かった。

 用意しなきゃな!


 何を用意するかって?

 もちろん全面降伏に決まってる。


 勝てる訳ねぇじゃーん!

 なんだあの規模。

 戦争でもするのかってね。


 とりあえず、コールドスリープしてるように偽装して。

 木人のリーメイどうしよ。


 ……無理だな、余計な事するとむしろ危険な気がする。

 一回捕まって貰って隙があれば救出しよう。


 説得しなきゃな。


 リーメイの部屋に、分体出そう。


「リーメイ、残念なお知らせがある」

「なんですか?」


「海賊が強すぎて勝てる可能せがないから全面降伏する」

「しょうがないですねぇ」


 あれ? 思ってた反応と違う。


「もっと取り乱すかと思ったんだが、なんか落ち着いてるね」

「私達の種族って、なんか呑気らしいですよ」


「でも、俺と会った時すごい反応してたじゃん」

「そりゃあ、明らかにスライムだし、食べられると思ったら必死になりますよ」


「え? 海賊に捕まったら何されるか分からないんじゃない?」

「そうですけど、食べられたり、いきなり殺されたりとかは無いでしょうし」


「そういうもんなの?」

「だって商品なんだから、そんなに乱暴に扱わないでしょ」


「それもそっか」

 見た目『木』だもんな。

 エッチな方面でも特に需要ないだろうしな。


 そこまで酷いことにならないか。


「じゃあ、一回鍵かけるから、またジッとしててね。

 あ、一応助けられるようなら助けるから」


「そこは出来るだけ頑張って下さいね」


「期待しないで待っててくれ」

 思ったよりリーメイって神経図太いな。


 さてと、乗組員のコールドスリープ偽装もしたし、動力も最低限にして省エネモードに見えるようにしたし。

 あとは取り付くのを待つだけだな。

 ……

 ……

 ……

 おっと振動が来た。


 接舷したね。

 次は強制侵入路の構築か。


 でっかい筒を船に押し当て、その内側部分から、船の壁を破壊して入って来れるようにする。


 これやられたら、割と逃げ道ないよね。

 これが得意な船体はリーチって呼ぶらしい。


 ヒルの事ね。

 張り付いて生き血を啜るって事で、こう呼ばれるんだそうだ。


 特定の船体じゃなくて、これ専用に装備整えてる船の事をいうらしい。

 まぁ、その張り付いてる外壁も俺の身体の一部になってるから、もちろん取り込み、解析、同化を始めさせてもらうけどね。

 今の俺は宇宙船一隻分のサイズだから、取り込める量も格段に増えてるから、一気に全部いけるだろうけど、ここは慎重に行動しよう。


 悩みどころはこっちに入ってきた人間をどう処理するかだな。

 宇宙船取り込むよりずっと楽だし、時間もそんなにかからないけど一瞬て訳じゃないから、本隊との交信中とかにやっちゃうとバレるかもしれない。


 様子見かなぁ。


 あ、入ってきた。


「おい、見ろよ! コールドスリープ中だぞ!」

「こりゃラッキーだ! 臓器屋に丸ごと売ればいい小遣いになるぜ」


 入ってきたのは二人か。


「早速連絡だ!」


 いかにもなオッサンが二人、やっぱりずっと通信しながら船内探索するか、そりゃそうだよね。


 そのままコックピットへと向かう二人。

 そこで、この船に何が載ってるかを調べるようだ。


 ……まずいな。


 居るはずのスライムが居ないとなると、船体をくまなく探されるかもしれないな。

 誤魔化すか?


 まだこいつらは船外作業用のスーツを着てる。

 先にスーツと同化するか。


 足元から気づかれないように慎重に侵食していく。


 コックピットに侵入してきたな。


「酸素の供給は問題ねぇな、船外スーツ脱ぐか」

「そうだな、窮屈でしょうがねぇ」

 外部との通信をオフにした。


「ちょっとスーツ脱ぐから、一旦切るぞ」

 こっちも通信切った!

 今だ!


 俺と同化したスーツと使って捕食する。

 まずは頭だ。

 ここさえ抑えてしまえば、あとはどうとでもなる。


「こっちの詳細情報送るぞ」

 俺と同化した海賊に船内データを外の船に転送させる。

 もちろん、スライムの情報は伏せてある。


 ふっふっふ、静かに侵略してやる


お読み頂き、ありがとうございます。

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誤字報告いつも助けられてます。


イイねも作者のモチベーション維持になっております。


ありがとうございます。

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