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【カクヨムSFジャンル週間8位獲得作品】SF世界なのに、スライム転生しちゃった! 何でも食べて強く生きます!  作者: 山親爺大将


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第1話 転生しました。

気がつけば俺はスライムになっていた。

あの世の狭間? みたいなところでそう望んだんだから特に驚きもない。


さまざまな転生ものの小説を読んできた俺としては、人間になれない程度はハンデじゃない。


むしろ歓喜した!

人間に転生する事さえ諦めれば、最強のスキルをとって異世界で無双出来る!

俺もあんな小説やこんな小説の主人公みたくなれるんだ!


獲得したスキルは

解析: 様々な物を解析し理解する

悪食: 通常では取り込め無い物でも取り込むことが出来る。

同化: 解析し、取り込んだ物を自身の一部または全部として扱う事が出来る。


選んだ種族は『スライム』


同化との相性がバッチリで、さらに進化先や進化数も多く、突然変異もしやすい。


そう、俺は転生して、スライムになって、この世界で最強になるという、ラノベ世界の王道と同じ人生を送る切符を手に入れたのだ!


まさに転生の勝利者!


まずは周囲の確認だ。

人間の様な目を持っていないので、なんとなくでしかわからないが、ここは狭い空間らしい。


何か微弱な振動を感じる。

練習も兼ねてこれを解析してみよう。

『解析』


ー解析終了しましたー

はや!


解析優秀だなぁ。

解析した振動はどうやら音、もっと正確に言えばここにいる奴らの声だった。


「いやっはっはっは!こんな貴重生物確保出来るなんて運は良かった!」

「ホントね! これでこんなオンボロのポンコツじゃなくて最新の船買える!」


俺の転生した世界ではスライムが希少生物なんだ。

なんかイメージと違うな。


「親分! アラートです!」

強めの振動が感じられた。

警報音か何かなんだろうな


「くそ! 流星群だバリア展開しても防ぎきれねぇ」

「どうする?」

「仕方がねぇ救難信号出してコールドスリープで助かる事に賭けるしかねぇ!」

「そんな事したら宇宙海賊呼び寄せてしまうんじゃ?」

「背に腹はかえられねぇ! 急がないとそれすら間に合わなくなるぞ!」

「分かった!」

「バリア最大出力! 2分後に最低限の生命維持装置のみを残して全てに動力を落とす! 救難信号はもう出しちまえ!」

「ラジャー!」

……

……

……


思ってたのと違う!


え? 俺スライムだよ?

剣と魔法の世界のモンスターだよね?


宇宙海賊? コールドスリープ? バリア全開?

完全にSF世界じゃねぇか!


なんで? どうして? ダメじゃん! ちゃんと剣と魔法の世界じゃなきゃ!


くっそー神様っぽいやつに騙された!

新手の詐欺じゃん!


とにかく周囲で感じられるものを解析しまくろう!

状況を少しでも把握しないと何して良いかも分からない!


そうやって解析しているウチに激しい衝撃が伝わってくる。

そして、周囲が真っ暗になった……ぽい。


この身体だと明かりを利用して見てる訳じゃないせいか光量の差がよく分からない。

周囲を解析してなんとなくこうなんだろうなと推測するしかない。


衝撃のおかげで俺が入っていた六十cm四方の水槽が床に落ちた。

落ちたせいで水槽のガラスは割れ、中の液体も外に漏れ出しようやく動けるようになった。


中の液体は鹹水かんすいって解析結果が出た。

何のことか分からないので更に解析をかけたら海水くらいの塩分濃度の塩水。

海水と同義語でもあるってでた。


じゃあ、最初から塩水で良くね? もしくは海水で。

って思ったけど解析に文句言ってもしょうがない。

いや、もう言ったけど。


どうやらこの世界のスライムは海水以上の濃度の塩水に浸かると活動停止して動けなくなるらしい。

スライムってナメクジの化け物だったっけ?

溶けてなくなる訳じゃないからナメクジよりはマシか。


自分を解析して分かった情報がこれ


ちなみに解析結果はこんな感じだった。


スライム レベル1 ランク1

耐性 物理衝撃

弱点 海水、高熱、寒冷、乾燥、魔法


弱点多すぎだろ!


嘆いても仕方がない、とにかく解析を片っ端からして状況把握だ。


可能な限り解析した。

それで分かった事は、詰んでね? だった。


この世界は科学と魔法が入り混じった現代地球のから分岐した可能性の一つの世界。

科学で補えない部分を魔法が補助し、俺が住んでいた世界よりもずっと発展して宇宙にも進出している。


近未来SF魔法付きって感じの世界だ。


そして俺はどうやら行商人と呼ばれる星間を渡り歩く奴らに捕まったらしい。

魔法もある世界なのでもちろんモンスターもいるんだが、魔法プラス科学の力で何処もかしこも狩り尽くしていて、雑魚モンスターのスライムでさえ希少生物として扱われてるらしい。


絶滅危惧種をペットにしたがるような奴に高額で売れる美味しい商品が俺ってことのようだ。


ここの世界観は大体理解した。

次は今の状況だが、流星群と呼ばれる隕石の元になりそうな物が大量に移動する現象に巻き込まれたらしい。


ありていに言えば遭難だな


船長とクルー二名は生命維持の為コールドスリープ。

出来るだけ時間を稼ぐために動力などは最低限にしてエネルギーの節約をしている。


重力の発生装置もオフになってるから、俺は今ふよふよと浮かんでるんだが……


さて、どうしたものか……。


解析はした。

この宇宙船が遭難している。

流星群のせいで外部に重大な損傷をしている。


直す? うん、無理!


遭難信号は出してるからそれを待つ?

奇跡的にそれで全員助かった所で、俺はどうなる?


最大に運が良くて、塩水に浸けられて、見知らぬ場所でペットとして飼われる未来だ。


くそ、何だか腹立ってきたな。

大体あいつらが金目当てで俺を捕まえてなければ、今頃別の選択肢が生まれていたはずだ!

百歩譲ってこの状況でも、せめて流星群に遭遇しなければ、まだ可能性はあったと思う。


どうする。

……

……

……

腹減ってきたな。


スライムって腹減るんだ!

新鮮な驚きあった。


参ったなぁなんか食べるものあるかなぁ。

流石に船乗員の食料くらいあるよな。


ちょっと探すかぁ。


お読み頂き、ありがとうございます。

この作品を『おもしろかった!』、『続きが気になる!』と少しでも思ってくださった方はブックマーク登録や↓の『☆☆☆☆☆』を『★★★★★』に評価して下さるとありがたいです。


誤字報告いつも助けられてます。


イイねも作者のモチベーション維持になっております。


ありがとうございます。

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