白い鳥居
白通りには白い鳥居があちらこちらにある、そんな世界だった。まだ白い鳥居が長い日さを告げるのだろうか。僕はその白色に染まったのだ。まだ白という輝きがあることをしっていたのは、僕だけだった。彼女と口づけを回したその時、長い夢を見ていた。あの長さは何をアラワスのか? 僕には到底わからなかった。彼女が「私は忘れません」と云うから僕も「忘れない」と言った。白い鳥居の中に、いつか、いつごろからか白い夢がどんどん落ちてくる最中だった。夢が途方なく流れるようにして落ちるのだ。夢の中で彼女と手をつなぎ、彼女のほほを触り、彼女が生きていた証拠を、僕は確かにいつまでも覚えているのだ。