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僕と10人の天使たち  作者: タニシ
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僕の青春2ページ

「な、何言ってるんですか、マユミさん?」


僕の頭は理解が追いつかなかった。

みんなぽかんとした顔で僕を見ている。


「今日マネージャーになるために見学に来たんでしょ?」


何を言っているんだこの人は、、

自分の頭が追いつかない状況で

ひときわ胸がでかい金髪の部員が口を開いた


「私たちのマネージャーになるってことは

部員になるってことでしょ」


その瞬間部員達は喜び出した


「ありがとう君のおかげで部活が助かるよ」

「これでまた続けられる!」


どう言う訳か、全くわからないまま

抱きつかれた。今まで特に女子と触れ合って

来なかった僕は頭が真っ白になり逃げ出した。

気づいたら家の前まで来ていた。わけが分からず

その日はそのまま過ごしてしまった。


次の日学校へ行くと自分のクラス中大騒ぎになっていた


「ケンジ君女子バスケ部のマネージャーに

なったんでしょ?」

「お前バスケ部のマネージャーになったんだってな!」


訳がわからない

昨日突如バスケ部のマネージャーになったと

言われ、しかもクラス中に広まっているなんて。

するとそこにはマユミさんが立っていた


「ケンジくん、バスケ部のマネージャーとして

歓迎するよ」


な、なんなんだ一体、自分は男子バスケ部に入りたいと言うのに…

自分の机の上には入部届が置いてあった。


「一体どう言うことですか?」


僕が状況の説明を求めると


「訳は後で話すから入部届けにサインして!!」


クラス中の奴らは僕が女子バスケ部の

マネージャーになることを面白がっているのが

よくわかった。クラスの奴らに見られながら

僕は嫌々サインさせられた。

すると


「訳は昼休みに話すから2年B組に来て!」


と言ってすぐに去っていった。

その日の授業は頭の中に入らず、ただ昼休みになるのを待っていた。

そして昼休みの時間いつもはユウタと屋上で

食う弁当を持って2年B組に駆け込んだ。

すると昨日の金髪頭の巨乳の人とマユミさんが

待っていた。


「一体どう言うことですか?」


僕は早口になりながら聞いた

するとマユミさんが


「今この学校の女子バスケットボール部は

廃部の危機にあったんだ。」


「廃部…?」


「そう廃部寸前だったんだ。」


僕はやっと理解した。


「僕が入らなきゃ廃部だったんですか?」


「そう、この学校の決まりで最低10人は部員が

いないと廃部になるんだよ」


すると金髪の人が


「この前までは13人いたんだけど

訳あって抜けちゃってね…」


と言うことは僕が10人目として入るってことですか?


「そう言うこと!」


「僕は男子バスケ部に入りたいんです!」


僕はきっぱりと断った。

僕のことをよくわかっていないはずだと思った。

そして最大の疑問の、

なぜ僕のことを知っているのか聞いた。

すると


「別に先輩じゃ無いよ、君とは違う学校だもん」


僕はあっけに取られてしまった。


「じゃあなんで僕の名前を…」

「だって私ユウタの姉だから」


驚きを隠せなかった。今までずっと一緒にいた

ユウタの姉貴だって!?


「君のことはユウタに沢山聞いてるよ

顔も何度か見たことあるし」


と言うことは僕がバスケが下手だと言うことも

全て知っているんだとわかった。

きっと僕がバスケ部に入るかどうかで悩んでいることも知っているんだ。


「わかりました。でも女子バスケ部に入るかどうかは保留にさせて下さい。」


と言うことだけ残しユウタの所へ駆け出して

いった。


「ユウタ一体どう言うことだ!?」


ユウタはこの状況をわかっているかのように

落ち着いた表情で話し始めた


「ケンジお前は俺に今まで頑張ってついて来てくれた

だけどこの学校では俺とお前じゃ一緒にバスケが

出来ない。正直に言うとお前はここのバスケには向いていない。」


まさかユウタにそんなことを言われるとは思いもよらなかった。今まで必死になってユウタについてきた

自分が否定されたようで悲しかった。


「ケンジ、お前にはそれでもバスケと一緒に居続けて

欲しい。お前がここでバスケと関わらなくなるのも

嫌なんだ。」


「だからって今まで一緒にやり続けてきただろ…」


僕は震える声で呟いた。


「わかってる。だから姉貴を助けて欲しいんだ。

お前のことを姉貴に話したらお前のこと

歓迎してたぜ。」


ユウタの瞳がじっと見つめる


「わかったよ。今までユウタには世話になりっぱなし

だったから、今度はお前の姉ちゃんを助けるよ。」


「ありがとう ケンジ

お前がもし悩んでる時は俺が助けるから

いつでも話してくれ!」


ユウタの熱い気持ちがよく伝わった。

その日女子バスケ部の入部届けを出した



こうして僕の青春の火蓋は切って落とされた。













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