第6話 後輩
もしかしたら好みが別れるかもです。
(あぁ……オシッコしたい、一昨日の夜みたいにお漏らししてみたい……)
尿意を相まって鮮明に思い出す恥辱に私は目の前のドアに額をつけて、こっそりと息を荒くする。
(私……いますごい濡れてる)
まるでオシッコを漏らしたかの様に下着が濡れているのがわかった。
(あぁ……すっごいしたい、触りたい……)
身動きが取れない満員電車だったのならば、私はしていたかもしれない。
(そうだ……少しだけオシッコを漏らしたら満足出来るかもしれない)
自分がとんでもない事をやろうとしているのは理解しているけれど欲求が抑えきれない。
(こんなに濡れているんだから少しくらい漏らしたって………)
「せーんぱい」
「ひぅっ!?」
驚き声のした方を見れば後輩の小鹿が人懐っこい笑みを浮かべていた。
「あ、もしかして驚かせちゃいましたあ?」
あざといその喋り方と可愛らしい見た目もあってか男性社員のファンは多い。
「お、小鹿さん? い、いえ大丈夫よ」
危うく仕事前にとんでもない事をするとこだった。
「先輩、顔が赤いですけど、もしかして具合悪かったりします?」
「そ、そんな事ないわ、全然元気よ」
興奮してましたとは言えるはずもない。
「良かったぁ、今日センパイと呑みたいなぁと思いまして」
「え? 私と? 今日?」
小鹿とはサシで呑みに行く様な関係では無い。
一昨日の様な多人数の呑み会でも会話した記憶はあまりない。
あくまでも仕事の後輩だ。
「ダメですかあ?」
上目遣いでお願いしてくるが男性ならまだしも、私にはイラッとするだけだ。
それに正直、彼女は苦手なタイプだ。
「ごめんなさい。今日はちょっとね………」
「えーそうなんですかぁ……じゃあ、みんなに話しちゃおうかなあ」
「……話す?」
含み笑いを浮かべる怪訝に見つめると小鹿は私の耳元に唇を寄せた。
「――あたし見ちゃったんですよ」
小鹿のその声色に言い知れぬ不安に襲われた。
「な、何を見たのかしら」
「センパイのお・も・ら・し」
囁かれる言葉に私は血の気が引いた。
「一昨日の呑み会の帰りかなあ? 実はあたしセンパイと同じ電車だったんですよ」
「な、何を……言って」
動揺し過ぎて言葉が出ない。
「そうだ、ちょっとこれ見て下さいよ」
小鹿が鞄から取り出したスマートフォンの画面には、一昨日の私の姿が表示されていた。
「う、嘘……なんで!?」
「嘘じゃないですよーほら、センパイ、これ動画なんですよ?」
小鹿はうっとりとした笑みを浮かべる。
「な、何が目的なの?」
からからになった喉からなんとか声を発する。
「嫌だなあ、あたしはセンパイと呑みたいだけですよー、あ、できればセンパイの家がいいなあ」
意味がわからない。
だけどその意味不明さが不気味だった。
「わ、わかったわ」
私には拒否する事なんて出来ない。
「やったね! じゃあ今日は残業せずに定時ですよっ ――もし残業なんてしたら、……どうなるか、わかりますよね?」
「ひっ」
いつもと同じ人懐っこい笑顔の小鹿に私は恐怖し震えた。
この時、恐怖のあまりにほんの少しだけ失禁していた事実を知ったのは社内のトイレだった。
今回はダークな感じでいくと思います。
お好きなだったら評価してくれると嬉しいです。
続きは短くても明日投稿します。。。




