第五章 取り残された村と黒の騎士団
次の日も、一日中馬上の人だった。
困った事にお昼過ぎから雨が降った。
突然の豪雨に見舞われ、慌ててシュネルごと風の盾で包み込み、浄化の魔法で自分達を乾かした。
魔法バンザーイ! 本当便利でいい。
視界と足場が悪くて進む速度が遅くなり、目的の街に付いたのは夜も更けてからだった。
たまたま空いてた空き部屋に泊まる事が出来たのはラッキーだったと思う。
翌朝に大量の食材を買い付け、本当の目的地であるボージャの森へと大急ぎで旅立った。
なんて、慌ただしいんだー。
困ってる人達の為、気合を振り絞り騎乗のせいで痛くなった尻も我慢した。
ボージャの森が近づくにつれ、同じ目的地へと向かう冒険者の姿もチラホラと見え始めた。
見かける人が全員、屈強な体した大きな大人の男の人ばかりで、通り過ぎる際に子供の私を見て驚いてた。
場違いなのは分かってますよ。
でも、こんな小さいなりでもそこそこ頑張れるんだからね。
実力を見せなきゃね! と意気込みだけは十分だ。
ボージャの森の前には騎士団による野営地が設営されていた。
私達は少し手前でシュネルを降り、彼女の手綱を引きながら野営地へと足を踏み入れた。
黒い隊服に身を包んだ人達があちらこちらに居て、物々しい空気が漂っていた。
「うわぁ、なんか本物」
本物を見て、本物とか言うのは失礼なんだけど、思わず口をついてでた。
ラノベでよく読んだ光景を前にして、ちょっと興奮してしまったのは仕方ないよね。
「本物?」
「あ、ううん、なんでもない。こっちの話」
慌てて首を左右に振った。
危ない危ない、独り言は気をつけなきゃね。
「俺は今から受付に向かうが、ヴィオはこの辺りでシュネルと居てくれるか?」
「あ、うん」
顔を向けた先にある受付には、強面の騎士が居るし、近寄らなくていいならその方がいいよ。
体の大きな人が大勢いると、ちょっと怖い。
「ここには騎士も冒険者もいるから、危ない事は無いだろうが気をつけるんだぞ。知らない人にはついていかない事」
行かねぇーわ! どこの迷子だよと突っ込みそうになったのはご愛嬌。
ポンポンと私の頭を撫でたジェイさんをキッと睨み付けておいた。
「シュネルと大人しく待ってるよ」
ね、シュネルと彼女の顔に頬ずりする。
ブルルと言う返事が貰えたから、シュネルも了承してくれたに違いない。
何度も振り返りながら受付に向かうジェイさんに、シュネルと2人溜め息をつく。
「あの心配性はどこから来るんだろうね」
ヒヒーンと鳴いたシュネルも同じ事を思ったのだろう。




