第四章 南の美魔女と魔法の修行
「ヴィオ、なにかあったの・・・か」
慌てた顔で台所に飛び込んできジェイさんは、今や手を繋いで踊ってる2体の精霊王に目を釘付けた。
「アハハ、2体目の精霊王ゲットだぜ!」
力なく笑って、嬉しくもないのにピースした。
もうさ、開き直るしか無いんじゃないかと思うんだ。
「あ・・・うん。おめでとう」
全然感情の籠もってないおめでとうをありがとう。
ジェイさんも私と同じ思いの様な気がするよ。
「晩御飯、もうすぐ出来るからね」
まな板の上に置きっぱなしの食材を沸騰するスープにぶち込んだ。
「何か手伝おうか?」
「あ、じゃあ、そこにある唐揚げをテーブルに運んでください。スープが出来上がったらすぐ行きます」
「お、おう」
未だはしゃぐ妖精王達をチラ見したあと、ジェイさんは私に言われた唐揚げを持って台所を出ていった。
彼らは無視で良いんじゃないかと思う。
何か疲れちゃったし。
私に出来るのは、これ以上精霊王を増やさない方法を見つけることかな。
もう絶対に嵌められないと、ここに誓おう!
明日、ソフィアに相談しよう、そうしよう。
一先ず現実逃避をし、スープを作り終えた後、ジェイさんと2人で食事した。
その日の夕飯が、何とも言えない空気だった事だけは伝えておこうと思う。
精霊王達はいつの間にか居なくなってたので、私達はお風呂に入り各自部屋へと戻った。
「なんだかなー。チート過ぎるのも考えものだよね」
ありがたいっちゃーありがたいけど。
精霊王は特に必要ないんだよね。
なんだか最近、本格的にラノベっぽくなってきたよね。
今の所、良い人ばかりに巡り会えてるけどさ。
後からしっぺ返しみたいに、悪い人に出会うなんて事になんなきゃいいけど。
遠い目をして窓の外を眺めていたら、コンコンと窓ガラスをノックする小さな妖精を見つけた。
「あ、メリダの妖精だ」
急いで両開きに窓を押し開ける。
この子は時々手紙を運んできてくれる子だから、よく覚えてる。
部屋へと入ってくると、どこからともなく手紙を取り出し私に差し出してくれる。
「ありがとう。いつもご苦労さま」
窓際に置いてあった小瓶から角砂糖を一粒取り出し妖精に手渡す。
彼女達妖精は甘い物が好きらしく、手紙を運んできてくれたお礼にあげると、とっても喜んでくれる。
角砂糖を両手で抱き締めくるくると、2、3回周ると笑顔を浮かべた後、パチンと音を立て消えた。
うん、今日も嬉しそうに帰っていったね。




