第四章 南の美魔女と魔法の修行
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領主館で昼食を頂いた帰り、昨日買い物をした通りまでやって来た。
お昼の時間は、結構人通りも多くて通りは賑やかだ。
そう言えば、今日も領主には会ってない。
居るのか居ないのか、それさえも分からなかったんだよ。
まぁ、会いたいとは思わないから別にいいっちゃいいけど。
一応、修行の為に場所を借りるから、挨拶しようと思ったんだよ?
でも、ソフィアがさぁ、「下僕にはそんな必要ないわよ」って言うんだもん。
なら、そうするしかないじゃない?
それに、なんだか忙しい人みたいだしさ。
今度、お礼の何かを送っておけばいいかなって結論に達したんだよね。
結構、薄情者の私である。
さぁ、買い物しよう。
昨日買った食材は保存が効くリュックに入れてあるから鮮度が落ちずに使えるので、今日は少しだけ買い足すつもりでいる。
珍しい調味料があればそれも欲しいなぁ。
ブラブラと散策しながら、店の軒先を覗いていると、お腹を抱えて地面に蹲る女性を見つけた。
「大丈夫ですか?」
慌てた駆け寄り、声をかける。
「っ・・・じ、陣痛が始まった、みたい、なの」
彼女は苦しそうに途切れ途切れにそう言う。
言われてみればお腹大きいよ、この人。
家の人に知らせに行かなきゃ。
私の小さな体じゃ彼女は運べない。
魔法を使えばなんとかなるかもしれないけど、妊婦に使っていいのか不安だし。
「とにかく道の端に行きましょう。ここに居たら馬車に跳ねられちゃう。少しだけ歩けますか?」
「う、うん、歩ける」
頷いた女性の額には冷や汗が滲んでる。
少しでも助けになればと手を貸すが、10歳児の体は役立たずだ。
それでも何とか道の端に女性を座らせる事には成功した。
「私、家の人を呼んでくるのでどこに行けば良いですか?」
「そ、そこの角を曲がって・・・3軒目のパン屋・・」
女性は痛みで震える指先を曲がり角へ向ける。
「分かりました。すぐに行ってきます。もう少しだけ我慢しててくださいね」
「あり、がと、う。優しい、お嬢さん」
痛みに顔を歪めながらも微笑んだその女性の顔は、もう立派な母親の顔をしていた。
彼女は大切なお腹の子供を守ろうとしてる。
私はその思いに答えたい。
体に体力強化の魔法をかける。
全速力で走るわよ。
私だってやる時はやるんだ。
通行人を避けながら、猛スピードで通りを駆け抜け、教えられたパン屋を目指す。
角を曲がって、1、2、3軒目、ここだ。
スピードを緩めずパン屋に飛び込んだ。
「パン屋のご主人いらっしゃいますか!」
中に居たお客が驚いていたが、今はそんな事を気にしてる場合じゃない。
「はい、僕に用かな?」
コックコートを来た優しそうな男性が奥の厨房から現れた。
「奥さんが、向こうの通りの雑貨屋の前で産気づいて動けなくなってます。早く行ってあげて」
「えっ! つ、妻が」
「店番は私がやっておくから早く行って」
オロオロする男性に喝を入れて店を追い出した。
赤ちゃん、無事に生まれるといいな。




