第一章 突然の召喚
15分ほど歩いた私達が辿り着いたのは、町外れの一軒家。
柵で四方を囲まれた敷地に建つ木造の家は七人の小人が住んでそうなメルヘンチックな感じがした。
家の横には大きな水車がゆったりと動いている。
敷地内に馬小屋と小さいけれど立派な畑も耕されていた。
うわーなんだか、ますます異世界って気がしてきた。
街の中を歩きながら周囲を観察し、おおよその予想はついてた。
どう考えても私は小さくなっていて、今いる場所が全く見覚えのない異世界かも知れないって事。
メリダの家の後ろに広がる深い森はどう見ても、ラノベに出てくる異世界の森だしね。
街を走るのは馬が引いた馬車で、行き交う人達も間違いなく中世のそれっぽかったし。
こんなの冷静にならなくても転生か、はたまた転移かしかないと分かるもの。
「さ、寒い」
メリダの家についた途端に両手で体を抱き締めカタカタと震えだす私にメリダが慌てたように口を開く。
「ああ、先に体を温めないといけないね。その背中の荷物の中に着替えは入っているかい?」
メリダが、私の背中に目を向けてそう聞いてくる。
あ、私、リュック背負ったままだった。
メリダに指摘されて、思い出した背中の荷物に急に重さを感じる。
冷静にしてたようで、実はかなり動揺してたんだと気付く。
「あ、入ってます」
うんしょっと、思わず声に出し大きなリュックを床に下ろす。
雨に濡れても染み込まない優れもののリュックだから、中身は無事なはずなんだけど、と考えつつチャックを開けて中身を確認した。
良かったぁ、中身は濡れてない。
中から着替えを取り出そうとして、メリダに止められる。
「おまち、ずぶ濡れのまま触れちゃ着替えも濡れちまうよ。その鞄を持ってついといで、風呂場に案内してあげよう」
メリダの声にはっと顔を上げ頷き歩き出した彼女の後を追った。
玄関からすぐの部屋から奥へ向かうとお風呂場らしき扉がすぐにあった。




