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第一章 突然の召喚

「スニフ、お前の強面の面構えじゃ、強盗に間違えられても仕方ないな」

「ククク、お前怖がられてんじゃないか?」

囃し立てるようにそう言って笑うおじさん二人に、スニフと呼ばれたおじさんが苦笑いで言い返す。

「うるせぇよ。お前達も面構えを人に言えた義理じゃねぇだろう」と。

声は大きいが怒ってる感じではない。

でも、ちょっと申し訳ない気持ちになる。

「まぁ、スニフの極悪そうな顔じゃお嬢ちゃんも不安になるわね。でも、まぁこのスニフはここいらじゃ良識のある人物で通ってる冒険者だから、心配いらないよ。荷物は任せようね」

お婆さんはスニフを見てクククと笑った後、私に向かってそう言った。


「メリダーそりゃねぇよ。俺の顔はそんな極悪じゃねぇって」

へにょりと眉を落として肩を竦めたスニフはどうやら落ち込んでる様だ。

「とにかく、お嬢ちゃんの荷物は任せたよ。さぁ、私達は家に帰ろう」

お婆さんはそう言うと私の手を引いてゆっくりと歩き出した。

今のやり取りで、メリダって言うのはお婆さんの名前らしいと確信する。

私は手を引かれながら、メリダの背中を見上げるようにしてよく見る。清潔そうな黒いローブ姿のしたメリダの立ち居振る舞いは何処か品がある。

小さな頃。よく読んだ絵本に出てくる魔女って感じがするけれど、不思議と怖いとは思わなかった。


自分の手を掴む彼女の手も、そして彼女から醸し出される空気も何処か温かくて優しい。

初対面の人なのにメリダの事だけは信用して良いような気がしてしまう。

私の第六感てやつが、メリダを信用していいって告げてるしね。

とにかく、自分の置かれた今の状況を整理する為にも、一息つける場所に向かう事が私の最優先事項だった。

それに、メリダに色々教えてもらわないと、この先の見通しも付きそうにない。

周囲を見渡しても、ここが見た事のある景色じゃないのは間違いないし、メリダの優しい申し出に今は縋るほか無かったのも事実だ。

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