第三章 異世界珍道中
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「じゃあこれを、王都に居る西の魔女メリダに渡して」
書き上げた手紙を折り畳みシルフィーに差し出す。
『分かった。確かに受け取った』
シルフィーは手紙をしっかりと握り頷く。
なのに、テントを出ていこうとしない。
「えっと、何かな?」
『魔力を対価として貰えないだろうか』
えっ? さっきから魔力食べてたんじゃないの?
まぁ、用事を頼むんだから、あげるのはやぶさかでは無いけどね。
「どうすればいいの?」
魔力のあげ方とか知らないし。
『我に触れてくれさえすればよい』
「あ、そう」
意外に簡単な手段だ。
シルフィーって半透明ぽいんだけど、触れるのだろうか。
試しに手紙を握るシルフィーの手に触れてみた。
あぁ、触れるんだ。
『おぉ、直接貰う魔力はより一層美味しいな』
喜びに打ちひしがれるシルフィーに、ちょっとドン引きしたのは内緒だ。
魔力を渡してる感覚は無いから、私はただ手に触れてるだけなんだけどね。
「どのぐらい触れてたらいい?」
加減が分かんないよ。
『もう十分。では行ってくる』
シルフィーがそう言ってふわりと浮き上がった時、背後でジェイさんの声が聞こえた。
「ヴィオは精霊を使役しているのか」
その声には驚きが含まれてる。
バツが悪そうな顔で振り返ると、困惑した表情のジェイさんが居た。
「あーうん。まぁ、そんな感じ」
適当に誤魔化そうと思ってたのに、この大馬鹿精霊王はやらかした。
『失礼な。我は唯の精霊にあらず。精霊王となるものぞ』
うっせぇわ!
「・・・精霊王だ・・と」
ほら、ジェイさんが更に困惑したじゃないか。
もう、こいつ、撤退させよう。
「シルフィー、兎に角もう行って、早く」
パシッと目の前に浮かんでるシルフィーの足を叩いた。
『お、そうじゃったな。では行ってくる』
シルフィーはそう言うと今度こそ掻き消える様にその場から居なくなった。
シーンと静まるテント、一難去ってまた一難なのだろうと重い気持ちになった。
愛想笑いを浮かべジェイさんの方を見た私に向かって、勢い良く歩いてきたジェイさんは座ったままの私と目線を合わせるようにその場に跪く。
「ヴィオ、詳しい話を聞かせてくれるだろうか」
低い低いジェイさんの声に、私は頷く以外の手段を持たなかった。
シルフィー、今度あったらお仕置きだからね!




