第三章 異世界珍道中
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不安に思いつつも、風の精霊王が待ってくれてるので手紙を書くことした。
リュックから筆記用具を出し、メリダに貰った紙に文字を書いていく。
私は順調に旅をしています、と書き出し。
旅先であった出来事を掻い摘んで書いていく。
「あー! もうシルフィーさん、大人しくしてて」
周囲をぐるぐる回りすぎ、気が散って仕方ないよ。
『我の事は呼び捨てて良いぞ。そなたから漏れ出る魔力が美味しくてついはしゃぎ過ぎてしまった。悪かった』
そんな素直に謝られたら、もういいですけど。
精霊王でもシュンのなるんだなぁ。
「じゃあ、シルフィーって呼びます。私の名前はヴィオ、今日はお使いをお願いしますね」
落ち込んだシルフィーが可哀想になって、親切心で名乗ったら、とんでもない事になった。
シルフィーが再びキラキラと眩く光った。
その光が私にまで移って、テントの中は真昼みたいに明るくなった。
『風の妖精王シルフィーの名の元に、この契約は結ばれた』
シルフィーの不穏な言葉と同調したかの様に光は次第に消えていく。
後には、満面の笑みを浮かべたシルフィーだけがそこには立っていた。
「えーと、どういう事かな?」
『互いの意思で名前を交換すると契約が成される』
いやいや、私、契約するためにも名乗ってませんけど。
どういうこと?
「私、契約とかするつもりじゃなかったんだけど」
『精霊王は自ら名を名乗る事はほとんど無い。だからこそ、その意志を持って名乗る。そして、その名を呼ばれ契約は完了する』
「どうして、名前を呼ばせたー!」
思わず叫んだ私は悪くない。
『ヴィオの魔力は心地良くて美味しいからの。契約すると常に我に流れ込んでくるのだ』
「ちょっと、私を嵌めたわね」
『嵌めたなど人聞きが悪い。少し誘導しただけだ』
しれっとそんな事を言うシルフィーに、私は肩で溜息をついた。
「もうやだ、この精霊」
『精霊王と契約出来て嫌がる者が居るとは面白い』
楽しそうに笑うんじゃないわよ。
自分のチート具合と、シルフィーの軽いノリに遠い目になった。
契約しちゃったのは仕方ない、もうそう思う事にしよう。
諦めの境地で手紙の続きを書き上げた。




