第三章 異世界珍道中
おはようございます。
誤字報告、評価ありがとうございます。
本日も頑張っていきます。
「ヴィオちゃん、お兄さんって呼んでんだから、やっぱ兄妹じゃねぇかよ」
サムさんは大笑いする。
「あーもう、煩いですよ」
最初に初めたお兄さん呼びが中々抜けない。
早くジェイさんて呼ぶようにしなきゃだよ。
スニフと同じ匂いのするサムさんは、未だにケラケラと笑ってる。
本当、この人、どうしてやろうかな。
イタズラしてやると心に決め、本日のテントを張る場所を見繕った。
レプリコートまでの旅は後1日を残すばかりとなった。
南の魔女に上手く会えるだろうか。
そう言えば、メリダに報告してないや。
旅に出てから1人になれる時間がほとんどなく、妖精を呼び出すチャンスが無かったんだよね。
ジェイさんがテントの外にいる今なら大丈夫そうだし、妖精を呼び出してみよう。
この辺に、私のお使いをしてくれる子は居るかな?
両手の掌を胸の前で広げ念じる。
手助けしてくれる子来てー! と。
すると目の前がキラキラと眩しいぐらいに輝き出した。
目を開けていられないぐらいの光に目を瞑った私の耳に声が届いた。
『安らぐ魔力を持つ者よ。我で良ければ力になろう』
「へっ?」
メリダと練習した時に呼び出した妖精は言葉を話す事は出来なかったはずなんだけど、慌てて目を開けたら、広げた掌の上には姿はなく、視界の端に入った薄緑色のそれに焦点を当てたら、そこには等身大の何かがいた。
私のこの広げた両手はどうしてくれるんだ。
広げたままなのは恥ずかしいので、手を引っ込めておく。
『初めまして人間の子。我は風の精霊王シルフィー』
「せ、精霊王ですって?」
素っ頓狂な声が出たのは仕方ないと思うよ。
『そうだ。呼ばれたので来てみた』
ニッコリと微笑まれた。
いやいや、私が呼んだのは小さな妖精さんであって、精霊王だなんて大それた方は呼んでませんよ。
気軽に来るんじゃなーい!
『そなたの魔力はとても美味しい。是非とも力になろう』
「あ・・・そんな大それた用事では無くてですね。知り合いに手紙を届けて欲しいだけなんですよ」
なので、チェンジ! 妖精さんとチェンジしてください。
『了解した。それでどれを届ければ良いのだな』
「えっと、今から書くんですけど」
『分かった。しばしこちらで待とう』
頷いた風の精霊王はぷよぷよと私の周囲を漂い始める。
て言うか、手紙運んでくれんのかーい!
精霊王にそんな事をさせちゃっていいのだろうか。




