第三章 異世界珍道中
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「モスビルで準備してから旅に出たら良かったのに」
「そう言われると面目ない」
ジェイさんはポリポリと頭をかいた。
「もしかしたら、何を用意していいのか分からなかったとか?」
冗談めかして言ったら、無言が帰ってきた。
なるほど、この人は良い所のお坊っちゃんだ。
普段は召使いや従事者が居る生活をしてるに違いないよ。
自分で何も用意をしなくても、誰かがやってくれる生活をしてるに違いないわ。
ジェイさんて、冒険者みたいな格好してるけどどこか上品な感じがするもんね。
同じ冒険者のスニフを知ってるだけに、この人が異質な感じがする。
「次の街でしっかり準備しないと辛い旅になりますよ」
「君はそんなに幼いのにしっかりしてるのだな」
「はぁ、まぁ」
中身23歳ですから、そりゃしっかりしてますとも。
日本では一人暮らししていたしね。
「君に世話になった恩は必ず返すと誓う」
「大袈裟ですよ。別に大した事してませんよ」
真面目な顔でそんな事を言われても困るから。
「いや、しかし、かなり世話になった」
「そう思うなら、この旅で危ない目に遭いそうな時は助けてくださいよ」
Win-winの関係でちょうどいいじゃないか。
この先、盗賊や野党が出ないとも限らないしね。
彼の剣は役に立ちそうだ。
「分かった。必ずヴィオを何があっても助けるとアトス神に我が剣を掛けて誓う」
大袈裟なぐらいの誓いを立てられた。
「あ、うん。分かりました。おやすみなさい」
話せば話すほど大変な事になりそうなので、落ちてくる瞼に逆らわず目を閉じた。
ジェイさんが何やら動く気配がしたが、疲れた体は私の意識を奪い取っていった。
ジェイさんてイケメンで凄そうな感じの人だけど、蓋を開けたら残念イケメン臭がしないでもないな。
薄れる意識の中、そんな失礼な事を思っていた私は知らない。
彼が私の寝顔を神妙な面持ちで見つめていた事を。




