第三章 異世界珍道中
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ムードメーカーなおばあさんの誘導で、私達は自己紹介までする事になった。
周囲とはあまり関わりたくなさそうに知る美丈夫も、もちろん巻き込まれてる。
「せっかくだし、自己紹介でもしましょう。楽しい旅にしたいもの」
いい事を思いついたとばかりに声を踊らせるおばあさん。
「それは良いな。互いに名前で呼び合えるのは都合がいい」
おばあさんの提案に乗っかってくるおじいさん。 流石夫婦、息もピッタリなんだね。
感心しつつ苦笑いで前の席を見つめた。
「私達はモスビルで商店を営んでるの。名前はリズよ、仲良くしてちょうだいね」
「わしはローグと言う、よろしくな」
自己紹介した老夫婦が期待に目を輝かせ私達を見てる。
これで名前を教えないとか・・・出来ないよね、まず。
「私はヴィオです」
「まぁ、可愛い子は名前も可愛いのね」
両手を胸元で組んで目をキラキラさせるのは、止めてください、リズさん。
「・・・ジェ・・ジェイです」
隣の美丈夫も戸惑い気味に自己紹介する。
ははーん、ジェイは偽名だな。
彼の顔付きを見て何となくそんな気がした。
まぁ、私も人の事言えないし、だからそれを言うつもりも無かった。
この場だけの縁ならば、お互いに正直になる必要は無いんだもん。
5日間の馬車の旅、テントで4泊する事になるから、仲良くしておいてお互いに損はないよね。
それに、リズさん達は悪い人じゃ無さそうだし。
そんな呑気な事を考えていた私は知るよしもない。隣の彼と2人旅をする様な仲になる事を。
そして、これが運命の出会いだった事を、後々に知っていく事になる。




