第三章 異世界珍道中
31話目の話が投稿ミスで抜け落ちてました。申し訳ありません。修正しましたのでよろしくお願いします。
2階は狭い廊下の両側に沢山の扉があって、床はギシギシと鳴った。
廊下の突き当りの角部屋の前まで来ると女将は、鍵を差し込みドアを開けた。
「狭いが、清潔にはしてるからゆっくりと休んでおくれ。隣はスニフの部屋にしておくから、馬鹿な連中は来ないとは思うが内鍵は忘れずに掛けるんだよ」
「はい、ありがとうございます」
「シャワーはそっちのドア、トイレはその反対」
部屋の中に入らず女将はその場で指差しで教えてくれる。
「はい」
「シャワーは水しか出ないが、魔法が使えるならノズルに魔法をかけてお湯にすると良い。夕飯はさっきのフロアーで提供してるから、食べたい時に声をかけとくれ。酒盛りする連中の為に遅くまでやってるからね」
「分かりました。スニフが戻ってきたら一緒に食べに行きます」
「その方がいいね。酔っ払いの中には絡んでくる奴がいるかも知れないしね。お嬢さんみたいな可愛い子は注目されちまうからさ。まぁ、私の目の黒いうちは手出しさせやしないけどね」
女将は茶目っ気たっぷりにウインクした。
「フフフ、頼もしいです」
「じゃあ、これが鍵だよ」
差し出された鍵を受け取り、お礼を言うと女将は豪快に笑ってきたよ来た道を戻っていった。
部屋に入って直ぐに内鍵を締める。
シングルのベッドと、小振りなテーブルと椅子があるだけの部屋は日本で言う八畳ほどの広さだった。
リュックを背中から降ろし、ベッドにダイブした。
洗いたての太陽の香りのするシーツが敷かれたベッドは、ふかふかとまではいかないけれど寝心地はそう悪くは無さそうだ。
二時間近く歩き、夕暮れまで馬上にいた体は睡眠を欲してるらしく、うつ伏せに寝転がってると瞼が落ちそうになる。
お風呂にも入んなきゃいけないし、夕飯だって食べなきゃいけないのは分かるけど、10歳児の体は起き上がる事を拒否してしまう。
「スニフが帰ってくるまで、ちょっとだけ目を瞑ろうかな」
そう口にして大きな欠伸を一つした。
眠くて駄目だ。
さっきまで元気だったはずなのに、あちこち痛いし、すっごく疲れてるし。
目を閉じると、再び開くのが億劫になるほど、思考能力も弱ってきてる。
もう・・・駄目だ、寝よう。
すんなり諦め、私は意識を手放した。




