第三章 異世界珍道中
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スニフの扱う馬は、常歩から、徐々に速足へ、そして駈歩になる。
まさに風を切るってこんな感じなのかな。
23年間、感じた事の無かった感覚に気持ちが高揚した。
「体の小さいヴィオに駈歩は難しいかも知れないが、こんな風に走らせる事が出来たら楽しいと思うだろ?」
「うん。私も乗れる様になりたい」
背後から聞こえてきたスニフの声に興奮気味に返事を返した。
「ふっ、だよな。馬に乗れりゃ危ない時も敵から逃げられる。ヴィオ、頑張って練習しよう」
「分かった。スニフ先生よろしくお願いします」
現金だと言われても構わない。
教えてくれるなら、しっかりと学ぼうと思えた。
「ククク、先生なんて照れんだろうが。俺が持ってる綱両手で握ってみろ。感覚掴むには荒療治で行くからよ」
楽しそうなスニフの声に頷いて綱を握った。
一朝一夕に上達するとは思えないけど、時間は限られてる。
スニフから技術を吸収できるだけ吸収しなきゃと気合を入れた。
「スニフ、馬って大人しいんだね」
鬣を撫でながらそう言った私に、
「中には気性の荒い奴もいるぞ。全ての馬に言えるのは無防備に背後に近付かない事だ。ヴィオみたいな子供はこいつらの一蹴りで死んじまうぞ」
とスニフは真剣な声で言う。
「わ、分かった」
乗ってる馬が大人しくて良い子だから、皆そうなのかと思ったけど、気をつけないとだわ。
私、まだ死にたくないもん。
「馬を選ぶ時はそいつの顔を見て相性の良さそうな奴を探すんだぞ」
「そうする」
上手く選べたらいいんだけどなぁ。
「それより、そろそろ尻は痛くねぇか?」
そう言われたら、ちょっと痛いんだよね。
レディーに向かって尻って言うのは頂けないよ、スニフ。
「い、痛いけど」
「だろうな。初めて馬に乗る奴は1時間も乗ってると尻が痛くなって、酷い時は尻の皮が捲れたりするからな」
ガハハと豪快に笑うが、それは一大事だからね。
皮が向けるとか怖いんですけど。
「そう言うことは早く言ってよ」
「わりいわりい、自分が痛くねぇから忘れてたわ」
スニフの言い方はちっとも悪びれてないじゃん。
「スニフはお尻の皮もゴツいから心配ないだろうけど、私の大事なお尻が酷い目にあったらどうしてくれるんだ!」
「ククク、一旦休憩取るか。奥方に貰ったサンドイッチで昼といこうや」
その提案はもちろん了承した。
お尻は大事にだもん。




