第二章 異世界生活始めます
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猛特訓の始まった最初の一週間は心身共に疲れ果てる毎日だった。
汚い話、食べた物を吐き出すぐらい疲労困憊した日もある。
そのおかげもあって、体力も魔力もかなり増えた。
王都からの使者はあれ以来、メリダの元は訪れてないけれど、召喚状が届いた。
もちろんメリダだけで、私の事はまだバレては無いようだ。
王族からの召喚状は強制力を持つものらしいが、私の修行の為にメリダが伸ばしに伸ばして私の旅立つ一週間後に王都に向かう手筈になった。
メリダと出会って2ヶ月目の事である。
「忘れ物は無いかい?」
この世界に来た時に担いでいたリュックを背負った私にメリダが聞いた。
「うん。メリダが空間魔法を掛けてくれたから、全部入ったよ」
私にはまだ使えないけど、空間魔法はとっても凄くて、その収納力は計り知れない。
領主の奥さんに頂いた沢山の衣類や靴、メリダに貰った様々な薬も入ってる。
もちろん、野宿になっても泊まれるようにとテントや調理器具なども収納済みだ。
「そうかい。まだまだ一人で行かせるのは心配だけど気をつけて行くんだよ」
「うん。今までありがとう、メリダ。私、メリダに会えて本当に良かった」
「何もしちゃいないさ。手紙を書いておくれよ。このままさよならじゃ寂しいからね」
「もちろんだよ。その為に精霊魔法を覚えたんだもん」
精霊魔法と言っても、どこにでも居るような小さな妖精とその場限りの契約をし、手紙やちょっとした荷物の配達を頼めたりするぐらいのものだけど。
メリダぐらいになれば力の強い精霊や妖精を使役する事も出来るらしいけれどね。
「じゃあ、行くね」
「それじゃあ、私も出掛けようかね」
微笑み合い、お互いに反対方向へと歩き出す。
まだ開けきらない夜、街の人々はまだ寝静まってる。
私の足音と遠ざかるメリダの足音だけがその場に響く。
街でお世話になった人達には昨日の内にお礼は言ってある。
スニフにあって心からの感謝を伝えた。
本当にお世話になったと思うしね。
たった2ヶ月だったけど、沢山の思い出が出来た。
知り合いが居ないこの世界で生きていく為の術をメリダが全部教えてくれた。
胸の奥に湧いてくる寂しさ。
滲みそうになる涙を堪え、私は前を向く。
これはきっとさよならじゃない。
また合う日の為の大切な旅立ちなんだから。
メリダ・・・メリダ、ありがとう。
振り返りそうなる気持ちを抑え、歩く速度を早めた。




