第一章 突然の召喚
「それにしても、こんな小さな子を召喚するなんて、どうしようもないね」
溜息混じりにそう言われ、現実を見つめ直す。
うん、やっぱり小さくなってるよね。
お風呂上がりに着替えたTシャツは七分袖になってるし、ハーフパンツは七分ズボンになってるし。
普段来てた服なのにやたらと大きいなって思ってたよ。
「やっぱり私、小さいですよね」
肩を竦め苦笑いして、椅子の横に置いてあったリュックから手鏡を取り出した。
一度深呼吸して、ミラー部分を覗き込む。
・・・・・誰だ、これ。
鏡に映るのは、光に透けるような長い金髪の茶色い目をした美少女だ。
眉根を寄せ、しかめっ面をして見ると鏡に映る美少女もしかめっ面になる。
どんなけ現実逃避をしてみた所で、それが私の今の姿なのは誤魔化しようもない。
「不安にならなくても、ヴィオの当面の面倒は私が見てあげるからね。小さな子を見捨てる様な真似はしやしないよ」
メリダには私が落ち込んだように見えたらしく、優しい言葉を掛けてくれた。
本当、良い人だよ、メリダ。
見ず知らずの私にこんな優しい言葉をかけてくれるなんて。
「あの、私・・・あの・・・」
本当は23歳なんです、と言いかけ信じてもらえるだろうかと思いとどまる。
頭の可笑しい子だとか思われるだけだったりしたら悲しいよね。
「魔女である私はね。どんな事を言われても大抵驚きはしないよ」
私の瞳に浮かぶ不安を読み取ったメリダは優しく微笑んで、話しても良いんだよと言いたげに小さく頷いた。




