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称号とスキルと今後の予定




 さて。あれからとーま君もまだやる事があると言って部屋を出ていき、スヴィータはスヴィータで少し席を外した。

 現在部屋には私一人。

 テーブルの上で新作のダンスを披露するサビクを眺めつつ、ふと思い立ってダイアリーを手に取った。


「どうせなら、称号とか確認しておこう」

『ティムのでばーん!』

『では私は補足に』

『ぴっぴ!』


 良くできた精霊達で助かるね。

 ティムがダイアリーに入り込んで、メサルがダイアリーの側に移動する。

 サビクはより激しくうねうねする。

 ……ごめんね、サビクのはちょっとわかんないや。


「んじゃ、ついでに称号についても説明してもらおうかな」

『かしこまりました』


 ダイアリーに記されている称号は五つ。


 蛇使いの聖女、女神の娘、聖女の娘、金羊の次期聖女、正規冒険者だね。

 今のところ称号の効果みたいなのは記されていないけれど、ティムがあえて表示していないだけなのかな?


『称号とは、個人が達成し得た業績や能力、個性、地位や身分と様々な条件を達成する事で与えられる呼び名とでも言いましょうか。狙って取得することも可能ですが、基本的には自然に得ている物が多いですね。称号を得てメリットはあれど、デメリットになる事はあまりありません』

『他の人にはわからないようになってるから安心してねっ!』

『ぴぴーぴー?』


 だいたい予想通りでそのままだったね。

 私のは殆どが地位とか身分だよね。

 貴族産まれとかになるとそういう称号を得ていそうだ。

 さて、称号の効果を確認してみようかな。


「それじゃ、ティム。効果のある称号はあるのかな?」

『あるよー。表示するねっ』


 ダイアリーのページに並んだ称号の名前の下部に新たな文字列が表示されて行く。

 こういう細かい芸当はどこで覚えてくるんだろうねこの子。

 私としては楽しめるからいいんだけど。


 さて、五つの内、効果を持っている称号は三つのようだ。

 蛇使いの聖女、女神の娘、正規冒険者で、それぞれ記載されている効果がこう。


 蛇使いの聖女

 アスクレピオスに仕える聖女。

 医学に通じ、同時に人体の破壊にも精通する。

 対人型へのクリティカル率にプラス補正(小)

 回復系スキルの回復量にプラス補正(小)

 調薬成功率にプラス補正(中)

 調薬成功時の品質にプラス補正(小)


 女神の娘

 金羊の女神の娘。

 まだ女神として覚醒していないただの獣人。

 精霊との意思の疎通を行えるのは同じ神霊の末裔である証明。

 精霊魔法を所有している場合、スピリアとの意思疎通を可能にする。


 正規冒険者

 正式に組合に認められた冒険者。

 住民からの評価や好感度にプラス補正(小)



「……メサル達と話せるのって、称号の効果だったの?」

『アリエティス様は、我々と意思疎通なさっておいででしたので、間違いないかと』

『えっとねー。称号の解放条件っていうのが、誰かが同時に五つ以上称号の取得条件を達成したららしいよー。解放されてなくても称号の条件満たしてたら、表示はされなくても効果はあった……だって!』

『ぴっぴ!』


 ふうむ、成る程?

 でもこれ、精霊魔法がなかったら無理だったみたいだね。

 今のところ恩恵を感じてなかった精霊魔法だけど、こうして知ってみると結構な恩恵を得ていたようだ。

 残りの蛇使いの聖女と正規冒険者の効果は特筆する物も無いかな?

 調薬関連はそのうち試してみたいけど、今は材料も器具もないからね。


「それじゃあ、ついでに増えたスキルも確認しちゃおうか」

『おっけー、増えたスキルだけ表示していくね』

『アンデッドとの戦いで随分とレベルが上がりましたからね』

『ぴひょー、ぴひょ……ぴぴ!?』


 まずは短剣マスタリー

 増えたスキルは二つで、スローイングとバックスタブ。

 それぞれアクティブスキルで、スローイングは短剣を投げて攻撃するスキル、バックスタブは敵の背後から攻撃するとクリティカル率と威力に補正がかかるらしい。


 次、体術マスタリー。

 増えていたのはステップ。

 意識すると大きく跳躍できるらしい。……素で同じ事ができそうだから使うことは無さそうだね。


 次、光系統魔法。

 増えたのはプロテクションとマジックバリア。

 それぞれ物理攻撃と魔法攻撃を軽減するバリアを対象に付与するらしい。

 最近聞いたことあるけど、どこだっけ。


 最後に神聖系統魔法。

 追加されたのはブレスっていうアクティブスキルで、パーティメンバーにステータス強化の加護を与えられるらしい。

 結構強そうなんだけど、詠唱時間が三十秒と結構長いから事前に使っておく感じなのかな。

 効果時間は五分らしい。


 敏捷強化、感覚強化、身体制御、鑑定、精霊魔法はレベルが上がったけれどスキルの追加は無いみたいだ。



「操糸も使わないといけないねえ」


 右手の薬指にはめた指輪に意識を向けると、しゅるりと一本の糸が生えてくる。

 糸が出てくるのはいいのだが、別に自由自在に動かせる訳でもない。

 腕を振ってみればその通りに糸が軌跡を描くが、それだけだ。

 操糸のスキルは斬糸。糸に斬撃属性付与するとだけ書かれている。


「うーん? こう、使い道に困るよねえ。思いっきり走りながら振り回したりすれば射程もあるし便利かも?」

『首に巻き付けて、ちょんぱ!』

『ティム、物騒な事を言わないで』


 ごめんメサル、私もそれちょっと思い付いた。

 でも正直使う場面が浮かばないんだよね。

 指輪から切り離したら糸は消えてしまうようで、糸の出せる長さは二メートルくらい。

 それだったら走って斬った方が早いんだよね。


「あとは……調薬、かな? 自分でお薬作れたら便利そうだよね」

『ポーションを買うにもお金がかかりますからね。ヒールがあるとは言え魔力ありきですし、薬品の確保は必須でしょう』

『調薬用の器具と材料が必要だねー。聖女さまにお願いして揃えてもらうー?』

「流石にそれは嫌だなぁ。そういうのは自分で揃えてこそだと思うから、頼むのは無し。材料ってのは買えばいいのかな?」

『買うのも手段の一つですが、自生している薬草やモンスターの素材からでも調薬は可能ですよ』

「それもそうか。こないだのゾンビとの戦いでポーション使いきっちゃったし、暫くは調薬を試してみようか。薬草の確保に外に出る必要はあるだろうけど、頼もしい護衛の騎士様が来てくれた事だしね」


 そういえば、インベントリの中のポーションを使いきってしまったんだよね。

 HPポーションは自分では使ってないんだけど、親衛隊の人達とスヴィータに渡したからHPポーションもMPポーションも残っていない。

 買い足す必要はあるんだけど、自分で作れるのなら作ってみるのもいいかもしれない。


『薬草の生えている場所等は冒険者組合で聞けばわかるかもしれませんね』

『依頼っていうのにありそうだもんねー。お金稼ぎにも使えそう!』

「そういえば髪飾り買ったから手持ちが半分以上飛んでったんだよね……ご飯とか寝床は何の心配もないのはいいけど、やっぱりお金は稼いでおかないといけないかな」


 港町に行く予定だったけど、ここは大きく路線変更。

 お金を稼ぎつつ薬草を集めて、調薬とやらに着手してみよう。

 あまりノアさんに心配もかけたくないし、これなら彼女もまだ安心してくれるだろう。

 MPポーションを作れるようになれればとーま君の手助けにもなるし、一石二鳥って奴だ。


『……ぴぴゃ!?』

「おはよう、サビク」

『ぴ!』


 この子はいつでもフリーダムだなあ。

 私もお昼寝したくなってきた……うん、スヴィータ達が帰ってくるまで寝室に移動しようかな。


『スヴィータ様がお戻りになられましたらご案内致しますね』

『おやすみ、ミラちゃん!』

「ん、おやすみー。サビクもおいでー」

『ぴー』



 そんじゃ、おやすみー。







おくすりつくるよ!


生産に手を出したミラさんの明日はどっちだ



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