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気づき  作者: あもとぱこ
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出会い

「大学一年生の夏までに彼氏ができなかった女子は、残飯なんだって。」

 そんな友人の言葉に密かに焦りを感じた佐子は、ひと月前に大学に入学したばかりの一年生で、授業の合間に昼食を食べているところだった。友人の名は英美里、生まれて18年間恋人というものができたことがない。ふんわり巻いた茶髪に、膝上のワンピース、という清楚でおとなしそうな外見だが、サバサバしすぎた性格と、大きすぎる目から発せられる目力が恋愛を遠ざけているようだ。佐子も、過去にクラスメートに片思いをしたことは何度かあり、中学生の時には告白までしたが、見事玉砕。彼氏いない歴=年齢、残飯に片足を突っ込んでいた。しかし見栄っぱりな性格から、周りには交際人数2〜3人で通しており、今は彼氏いらない、そう公言していた。

「そんなこと誰が言ったの?」

 と佐子が尋ねた。佐子が通う大学は私立外国語大学で、友人との話題は常に恋愛の話で持ちきりだった。しかし佐子の通っていた中学・高校はまるで正反対、友人の中でも恋人がいたのはごく一部、休み時間はいつも趣味のゲームや、流行りの漫画の話ばかりしていた。

「高校の後輩。夏まであと3ヶ月しかない、どうしよう」

 英美里はその大きな目でまっすぐに佐子を見つめながら答えた。佐子は、どうしてそこまで恋愛に必死になれるのだろう、と疑問に思いつつも、残飯という不名誉な称号を受け取りたくない気持ちも芽生えていた。

 帰りに立ち寄った本屋で、佐子はある一冊の本を見つけた。「モテる秘訣」そう書かれた表紙には、裸の女の人が描かれていた。くだらない。すぐに立ち去ろうとしたが、英美里の言葉を思い出し、ぱらぱらとページをめくってみた。男と会話をするときにはこう相槌を打て、正面は避けて斜め前に座れ、など具体的なアドバイスが書かれている。ここに書かれていることを実践したら、本当に彼氏ができるかもしれない。佐子は周りに誰もいないことを確かめながら、レジへと足を運んだ。もし知り合いにこんなところを見られたら、学校でなんて言われるか。

 家に帰ると、宿題はそっちのけで、夢中で買ったばかりの本を読んだ。2時間で完読できてしまうほど簡単で読みやすい本だった。これで本当に彼氏ができるのだろうか。佐子は期待を膨らませずにはいられなかった。

 佐子の大学では、週に3回英会話の授業があった。4人1組に分かれて、毎回異なるテーマについて英語で話し合うのだ。佐子には、初回の授業で同じグループになって以来、気になっている相手がいた。

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