風が踊る岬
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・・・・やがていくつもの年月が流れ・・・・・
オーストは名を変え諸国を渡り歩きある程度の知識と経験を積み重ねていた。
そして自分の生まれ育った国に戻り仲間であったアントニウスと再会。
その卓越した能力で・・・剣の腕もさほど衰えてはいなかった・・・国を変えること・・・いや・・・・国を興すことに成功する。
まず彼等は国としてはどの神をも特別に崇めない代わりに全ての宗教が崇める神をその地の神として認めそれらを敬うような体制を作り宗教間での争いを無くす事に成功する。
やがて彼はその善政を永きに渡り敷き国民から『賢帝』と呼ばれるようになる。
名を変えた彼の名は『アウグストゥス』といった・・・・・・・・。
かの国に白や黄色の草花が咲き乱れる岬がある。
いつでも穏やかな風が吹いており風光明媚な場所として知られている。
いつの頃からか『風が踊る岬』とよばれるようになったそこにはこれもまたいつ頃からあるのか分からない2つの並んだ石がある。
・・・銘も何もなくただ2つが寄り添うように置かれた石・・・それは知る者にしかそれと分からないささやかな墓石であったが・・・彼はこの2つの墓に生涯通い続けたそうである。
そして毎年ある一日だけはほぼ一日中そこから動かずにたたずんでいたという。
・・・まるで自分の家がそこにあるかのように。。。。。。。。
fin
ポロロン♪
「御静聴ありがとうございました」
吟遊詩人は恭しくおじぎをした。
「この物語は私の友人の物語です。お代は結構」笑って言う。
「ほんとにあった話なんですか?」
「あなたはなんでこの話を?」
「・・・・・・」
笑って誤魔化す詩人。
「ねぇなんでイデは神殿を出る時すぐに捕まらなかったの?」目を輝かしながら頭が良さそうな子が問い掛ける。
「あぁそれはね・・・」
オースト等3人は一度はそのまま立ち去ろうとしたのだがイデだけに重い罪を背負わせるのは、とその時神殿を警護していた兵士達、つまりは同僚達を手にかけてから立ち去っていたのであった。
「イデは知らなかったしあの天候で気がつきもしなかったろうけどね」
「もしイデが復讐の為だけに生きていなければ、今でも生きていたらもっと早くにこの国は住みやすい国になっていたかもしれないよ」と付け加える。
その詩人の名はホラティウスといった。
〜終〜
一部ネタは元々自分がよく見ていた夢からだったりしたりしますが。
イデが神殿に勤めるようになってからの日々を書いても良かったのかな、とは思いますが話の主軸は復讐という事であっさり一息に終わらせる感じで書きました。
もし一息に読みたいという方が居るようでしたら章分けせずにズラズラっとしたものを載せます☆
最後までお読みいただきありがとうございましたm(._.)m