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風間〜静かに〜

「・・・そうだな、念の為切っておくか」


首と胴体を分かち足で蹴って距離を離しておく。



しばらくぼぅっと眺めている。


どのくらいそうしていただろうか。



「・・・警備の連中も全然こない・・・どうするか・・」

イデは正直迷っていた。簡単すぎて。


(こんなものか・・・これが『神殺し』か・・・)


「ここを出てあそこかなやっぱり。」


神殿長であったものには目もくれず出口へ歩き出す。



・・・


「・・・・『神』か・・・」

部屋を出て神殿の奥。


そこに立ち存在感をかもしだしている『神』の石像。



「・・・・・」

「ははは・・・・・」



「あははははっは・・はははははあ」

突然笑いが込み上げてきた。


「ははははっはっは!!これが神か!!神とはなんだ!!はははっははは!・・・・・・・いや!神よ!!」

涙が出てきた。


「神よ!!」


「『神殺し』とはなんだ!!これは単なる人間にした復讐だ!!」

泣き叫ぶイデ。


「単なる人殺しだ!!『神』なんかじゃない!単なる人間同士だ!!」


「『人間』が!『人間』に!ただ自分の想いのままに復讐を!しただけじゃないか!!」


「『神』よ!居るなら答えろ!この人間って生き物はなんだ!!なんでこうなんだ!!なんでこれが人間なんだ!」



「人間はなんで・・・・たった一人の人間にこうも狂わされる!!こうも狂う!なんでこうなっている!!!」


「『神』とはなんだ!?『人間』とはなんだ!?答えろ神よ!」


「神よ!!」

叫びだけがこだまし答えるものは何もない。



「・・・なんでだ・・・なんで・・・・・」


もはや泣いているのか笑っているのか、泣きたいのか笑いたいのかすら分からない。



・・・やがて無言のまま再び神殿の外へと歩き始める。


篝火が倒れていたり何か神殿内が汚れている気もしたが気にも留めずにただ歩いていく。




・・・・朽ちた神殿跡・・・・



「・・・シェーラ・・・・・」

雨の中まるでシェーラのぬくもりを探すかのように這いつくばってそこにイデは居た。


今でも時々には処刑場として使われているその舞台。


やるべきことを終えたイデには風雨ももはや気にならない。


どのくらいそうしていただろうか。

こんな嵐の中にあってふと優しい風が頬をなでる。


「シェーラ・・・?」

顔を上げるイデ。


「・・・・・」

なにもない廃墟。


「俺は・・・・『神殺し』の俺はどこへ行くんだろうな・・・」

自嘲気味に笑う。



「願わくばシェーラとまた会いたい・・・・・」


「シェーラ・・・・・また会いたいよ・・・・」



・・・・抜き身のままだった剣をそのまま自分の腹に刺し込む・・・・・・。




「神殿が襲撃され神殿長殺される」その報に国中が混乱した。。。。







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