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明日からの着信

作者: Zoo

 特に目的があってテレビをつけていたわけではなかった。

 たまたまニュースが流れていた。

「最近増えていますね。こういった事件が。怖いですね、皆さんも気をつけてください」

 私は特に気にも留めなかった。

 その時私の携帯電話が鳴った。

 それは知らない番号からだった。

 「今から言う番号で宝くじを買え」

 私は忙しかったのでそれだけを聞いて電話を切った。

 その番号に見覚えはなかった。

 着信日時に違和感を覚えた。

 明日の日付になっていたからだ。

 故障か何かだろうと思った。

 次の日、私は見たことのないデザインの携帯電話を拾った。

 あまりに変わったデザインだったので、私はそれが他の持ち主の物であることも忘れてしばらくその携帯電話をいじらせてもらった。

 携帯電話の番号を表示させてみると、奇妙なことに、どこか見覚えのある番号な気がした。

 その時ちょうどテレビで宝くじの当選番号が表示されていた。

 それは番号を自分で選ぶ形式の宝くじだった。

 その時になって私は妙な胸騒ぎがした。

 自分の携帯電話の着信履歴を見る。昨日の妙な着信の番号とこの携帯電話の番号は同じだった。

 私はすぐに、宝くじの番号をメモに残し、自分の携帯電話の番号をその携帯電話に入力した。

 手元にある自分の携帯電話は一向に反応が無いにもかかわらず、電話の呼び出し音は鳴り始めた。

 しばらくして電話に相手がでる。

 私は言った。

「今から言う番号で宝くじを買え」

 それだけを聞いて電話は切れてしまった。

 昨日の出来事と同じだった。

 昨日の自分に腹がった。

 しかしその苛立ちは、すぐに期待に変わる。

 今日の自分なら明日からの着信に的確に反応できる。

 私は胸を高鳴らせながら次の着信を待った。

 しかし、いつまで待っても私の電話は鳴らなかった。

 テレビではニュースが流れていた。

「最近増えていますね。こういった事件が。怖いですね皆さんも気をつけてください」

 私は特に気にも留めなかった。

 

 

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