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忍苦の時

作者: 竹仲法順

     *

 誰もがあるのだ。何かに耐え忍ぶ時期が。ボクも今、そういったところに来ている。辛いのは仕方ないのだが、目の前のことをこなしながら、耐えるしかない。これは多分以前、どこかしらの紙幅で言及したことだとは思うのだが……。

 逆境を乗り切る時ほど、ある意味、人間が成長することはない。大きく変わる。人は耐えることで、人生が必ずいい方向へ向かうのだ。それに「待てば海路の日和あり」という言葉があるじゃないか?つまり、人生が悪い方に進むとは考えられないのである。それが一番の薬だ。

     *

 苦境というのは、確かに苦しい。字義通り<苦の境>なのだから。だが、人生の面白さは苦労を乗り越えた後、訪れるものだ。そう思って、日々やっている。心苦しいことはあるのだが、しっかり受け止めるつもりでいる。

「~を苦に自殺」とか一番お気の毒だな。人間生きていれば、必ず愉快なこともあるのに。それに自殺をする人は自分に負けたのである。実際、エリートほど打たれ弱いところがある。ボクも昔から英才教育ばかり受けてきたので、根っこはエリートで温室育ち的な側面があるのだが……。

     *

 ところが、エリートという人種も、実社会の冷たい風に吹かれれば分かる。世の実情というものが。綺麗事など何一つとして通用しないのである。まあ、引き合いに出すのもなんだが、オヤジ。あの人間が認識不足であることは、あの山猿の集う会社を見れば一目瞭然だ。バカなことを続けている。目が覚めないもんだなと思うな。可哀想に。

「反面教師」という言葉があるだろう。それが一番いいのである。実人生で負けていくヤツらのことを逆手に取るのだ。そうすれば、きっと人は同じ轍を踏むことなく、ちゃんと人生を乗り越えられる。たとえそれが苦境だったとしても。

     *

 もう一点言うとすれば、人生にはおかしみもある。人間は実に面白く出来ているのだ。ちゃんとハードルを乗り越えたところに、また一つの楽しみがある。そう思えば、何も怖くない。単に葛藤があるだけで、後は普通にスルー出来る。人の世は憂きことが多いようで、実際は楽しいのだ。

 まあ、人生は修業だと言える。悩むことは貴重な体験。それを取っ払うことは出来ない。ただ、人は何かを超えると、またいろいろ見えてくる。ボク自身、今は耐える時だ。忍苦だと思っている。それから先にまた面白いこと、愉快なことがあるだろうと考えながら……。それに永続する苦しみなどない。必ずどこかで終わる。そう思い、日々を過ごしている。

 ひとまず一筆書かせていただきました。

 ではまた。

                              (了)


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[一言] こんにちは! 一読させていただいたので軽く感想をば 私の中にある忍苦という字面には、自分の深い領域が根っこの様になって来るべき日を待つ持つイメージがあります。 ただ最近になって思う事は、…
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