第一話「今週末、終末」
ノリで書いています。暇な時にどうぞ。批評もしていただけると嬉しいです。
太陽が高く昇っている。近すぎてとても暑い。
周囲にこだますのは、まるで風船から空気が抜けていくかのような音。耳に響いてとてもうるさい。
人の声は、聞こえない。
いつかの時代、どこかの場所。
この日、宇宙は終わりを迎えた。
#01「今週末、終末」
「——————」
目が覚めた。夢を見ていたようだ。
「む。朝か。全く、ひでえ夢だこと」
新しい朝が来た。希望の朝だ。等と近所の公園から歌が聞こえてくる。うるさい。
「ったくよぉ、夏休みぐれえゆっくり休ませてくれよな」
腹立たしいものである。こっちは高校生なんだ。勉強に運動に忙しいんだよ。何度も言わせてもらうが、夏休みぐらい休ませてほしい。……まあ、そんなこと言ってても仕方ないのでそろそろ起きることにする。
「しかし、ラジオ体操って土曜日もやってたっけ?」
俺の記憶では平日だけのつもりなのだが。まあ一巡する度に少しの差異は生まれるのだろう。
「――――ん、差異? 何言ってんだ、俺」
とうとう暑さでやられたのかな。我が事ながら他人ごとすぎるのではないかとも思うが、それでもそう思ってしまったのだから仕方がない。……なんてことを考えていたら、急に変な音がしてきた。
それは、風船の空気が抜けていくような、そんな音。
外に出てみた。やはり音が聞こえる。これが巷で話題のアポカリプスサウンドというやつか。
「え、なんなのこれ。世界滅亡でもすんの?」
そんな冗談を言った。すると。
「なんで、わかったの」
そんな、知らない/懐かしい、声が聞こえた。声の主はすぐ前にいた。ボブカットのよく似合う、どこか儚げな少女だった。
「なんだよ。冗談だって。真に受けちゃダメだよ、お嬢ちゃん」
紳士的に返す。だが。
「じゃあ偶然だったんだ。勘がいいんだね。……でもさ、決心した後で自殺を止めさせられるのって、結構ストレスたまるのよ?」
なんて、意味不明な返しをされた。
「は? もしかして電波なのかお前。いや、厨二病か? まあ同じようなもんか。……とにかくさっきのは冗談だからよぉ、本気にすんじゃねえぞ」
そう言い放ってやった。
「いいえ、本気よ。じゃあね、お兄さん。またどこかで会えるといいね」
彼女はそう言うと、文字通り塵となって消えた。
その時、世界は、そして宇宙は、終わりを迎えた。
要約すると、今週末、世界は終末を迎えた。