第9話 ータケルー
「お〜い!!お前ら、進路は考えてるか〜?まだ高校2年だからって、油断してるとな、あっという間に受験だぞ!!しっかり考えろよ。」
担任の高木がクラスに向かって呼びかける。
俺は、鉛筆をくるくる回して、進路希望の紙を見つめる。志望大学は3つくらいにまで絞ってある。だが、まだ決めきれない。無難に今の成績で行ける地元の所か、家を出ることにはなるけれど、県外の、より興味のある学部の所か、それか、2ランクくらい上の憧れの所か…。
中々、集中して考えられない。
朝の出来事が尾を引いている。悟にも、ミカにも、その事は言っていない。絶対に、言いたくなかった。
「タケルは第一志望どうするの?」
悟が聞いてきた。
「そういうお前はどうなんだよ?」
「ん〜、僕は地元の大学の教育学部かなぁ。教員免許とって、小学校の先生目指したいし。」
「そっか。悟らしいな。俺は、まだ…。悩み中かな。地元に残るかも、家を出るかも…。」
「まぁ、まだ僕ら高校2年だしね。世の中の事とか、全然わからないし。そんな中、大事な進路決めるなんて、難しいよね。」
「はぁ…。そうだよな。まだ高校だもんな…。」
「タケル…。」
悟は何か言いたげだったけど、それ以上何も言わずにそっとしておいてくれた。




