第11話 ータケルー
数日後、朝の通学で偶然一緒になったタケルとミカが、揃って教室に入ると、クラス内が妙にざわついているのに気がついた。
いつもとは明らかに空気が違う。
「何か、今日、雰囲気違くない?」
ミカがタケルに問いかけるや否や、
「お!タケミカ!お前ら、もう聞いたか!?」
クラスの賑やかしというか、おしゃべりな青山が2人に話しかけてきた。
「なんだよ、青山。何の事だよ?」
「はーん!てことは、タケ、まだ知らないんだな!」
「だから何よ?もったいぶってないで、早く教えなさいよ!」
「ミカ、お前もびっくりするぞ〜!」
そう言って、青山は少し声を落とし、2人に顔を近づけて言った。
「悟がさ、昨日、美怜に呼び出されたらしいぞ。2人が体育館の裏にいる所を、サッカー部のヤツが見たらしい。」
「え?美怜って、あの3組の?男子にめちゃ人気のある?」
「そうそう!そのサッカー部の中にも、美怜狙いのヤツがいて、すっげーショック受けてる。てか、タケ、同じ部活じゃん。知ってるだろ?白川だよ。マジ落ち込んでるから。」
それを聞いて、タケルは、白川がサッカーの休憩中に、よく「美玲」、「美玲が」って騒いでたな、と思い出した。
「ふーん…。で、悟は?」
「まだ来てないな。もしかしたら、2人で登校するかもよ!」
「!!!2人は付き合ったって事!?」
「そりゃそうだろ!あの美怜だぜ?断る男なんているかよ?」
ふんわりとウェーブした長い髪の毛、色白の肌、柔らかな声、大きな瞳、美玲という女子は、大抵の男子が女子に対して抱く憧れを詰め込んだ様な女の子だった。
「でも、悟と美怜ちゃんって、今まで何か接点あったっけ?その、見たっていうサッカー部の子の勘違いじゃない?」
「いや〜、だって、体育館の裏だぜ?あそこ、普段、人気もないし、わざわざ2人でそこにいたって事は、そういう事だろ。」
「おい、あまり憶測だけで話すんなよ。そんなに気になるんなら、悟に直接聞けよ。」
「なんだよ、タケ〜!ノリ悪いな〜!オレも噂で聞いただけだよ。ま、いいじゃん!新しいカップルの誕生だ!」




