第九話
四人で夜ご飯を食べにいき初めてもんじゃを食べる百合たち、夜ご飯が終わった後宿泊するホテルに行き夜ふかしをしてしまったアイリーン、翌朝……。
二日目の早朝、アイリーンが部屋から出てこないことを心配した三人はアイリーンの部屋の前に行きアイリーンが百合に預けてあったスペアキーを使って部屋に入る三人。ドアを開けて声をかけるが返事がない。
百合「アリー!?おはよう〜」
百合は部屋の中へ入ると信じられない光景が目に飛び込んできた。
輝と千草も部屋に入ると動きが止まった。
そこにはトランクに入れるような体制でアイリーンがそこにいた。パジャマには吐血したような赤いシミが付いている。
千草「・・・現場のものに触っちゃダメだ」
百合と輝は千草の方を向いた。普通このような殺人現場では冷静な判断はまずできない、普段見慣れないものに驚いたり焦ったりするのが普通だからである。殺人という非現実が目の前に入った瞬間、遺体には近づいてしまうのは自然なことだ。他人が死んだ場合、死んだ相手には近づかない。親しい人が死んだ場合、死んだ相手に近づく。千草は二人を冷静にさせるために言った。
千草が事件現場でこのような冷静でいられたのはアイリーンのおかげだからだ。アイリーンは母親の影響でミステリーが大好きで小説から漫画、ドラマを空手や学校以外で見続けていた。合気道教室に行っていた時期いじめられてた千草を助けた時、まだ日本語がうまく言えなかったアイリーンはいじめられている千草に強くなれば、いじめられないと言った。強くなるためには心を強くする必要がある。アイリーンは千草に数日間自分の好きな推理小説を何冊か渡していた。千草はいじめから助けてもらったアイリーンが推理物が好きなのを知って自分も強くなりたいと思いミステリーを見続けた。見るうちに耐性をつけるためにホラーやグロテスクな者も見るようにした。ミステリーはグロテスクなものがほとんどだから。アイリーンが嬉しそうに本を貸した時、自分も彼女のように推理を好きになって楽しく話し合いたいと思ったから。そのせいで、彼女の遺体を見ても焦らなくなってしまった。
輝「百合」
百合は泣いた。
その時
アイリーン「ふぁぁぁ〜 あれ何泣いてんの百合?」
百合&輝&千草「はぁ?」
百合「生きてる」
アイリーン「うん?生きれるよ」
・・・
全員「はぁ?」
《説明中》
アイリーンは昨晩夜更かしで推理小説を読んでいて夜食に千草のお土産の辛麺を食べながら読んでおり、スマホで時間を確認した時にラーメンの汁がパジャマについてしまった。パジャマはひとつしか持って来ていなかったのもあって、着替えることができなかったのだ。流石にベットにラーメンの汁をつけるわけにもいかないのでトランクに持って来たタオルを詰めて、寝ていたのだ。
アイリーンは勘違いさせてしまったことに土下座をした。
アイリーン「すみませんでしたー!」
百合「紛らわしい、心配した」
輝「百合、気持ちはわかるけど・・・首根っこ掴んでそんな乱暴にやらなくてもいいでしょ」
百合はめっちゃ怒った。そんな中、千草の様子が変だ。
千草(なに考えてたんだろ、ぱっと見ただけど本当に死んでるみたいに見えたはずなのに……)
千草「何やってんだよ」
百合「ほんとだよーー」
アイリーン「ごめんなさいぃぃぃ」
《数分後》
アイリーンは百合たちに聞いた。
アイリーン「というかなんで部屋にいるの?」
輝「撮影時間が変更になって午前が午後になった」
百合「ふぅー つまり午前のうちに昨日のカフェ行こうってことになったから迎えに来た」
百合は一呼吸置き。百合はアイリーンに髪を結ったら話すと言いアイリーンは着替えて、百合の髪を結った。百合は機嫌を直して話し始めた。
百合「今が朝の7時45分アリーが行きたいカフェは朝の10時に開店、撮影が12時だから10時になるまで各人渋谷を歩き回る形にします」
輝「部屋で二度寝〜」気の抜けた声で言った。
アイリーン&百合「ダメ!」
千草「息ぴったりだね。さっきの喧嘩が嘘みたい〜」
百合とアイリーンは満足そうな顔でガッツポーズをした。
百合は部屋に戻りそうな輝を連れて、近くの神宮へ観光、アイリーンと千草は近くの映画館に映画を見に行った。
輝「やだ〜神社なんてつまんない」めんどくさそうに言った。
百合「子供すぎるでしょ」
少し笑いながら百合は輝の手を掴んで引っ張りながらホテルを出た。百合は昔から神社が好きで小さい頃はじじぃちゃたちによく連れて行ってもらった。アイリーンと千草は久しぶりに会ったので二人が好きな推理ものの映画を見に行った。二人は映画館に着いてチケットを購入した。
千草「アリー、ミステリーは好きだけどホラーは苦手なんだね。初めて知ったよ」
アイリーン「ミステリーに出てくる殺人シーンなんかは大丈夫だけどお化けなんかは絶対に無理」
朝なのもありアイリーンたち二人と他に男が一人いた。
二人が見ている映画の内容は
『男が実の娘をどこか暗いところに閉じ込めている、ある少年が少女を助けるために男性の過去を調べ少女を助けるお話』二人は少年の推理を聞き楽しく映画を見た。
10時になり、四人はカフェに集まった。カフェはレトロ感があり昔ながらのラジオやレコーダー、古時計などがあった。レコーダーからは優しい音楽が流れていた。四人は観光した時に買ったものを見せ合った。
アイリーン「映画終わった後に行った店で見つけたガラスペン渋谷限定デザイン、百合にあげる」
千草「店で結構悩んでたけどそのデザインにしたんだね〜」
アイリーン「うん。百合の花のデザインで色がついてあるのもあったけど、やっぱりシンプルな方がいいし」
輝「ガラスペンって普通のペンじゃないのか?」
百合「文字どうりガラスで出来てるペンで滑らかで書き心地がいいんだよ」
輝「お前よく知ってるな」不思議そうに聞く。
百合「昔、梨穂姉が美大に通っていた時試しに書かせてもらったことがあるんだよ、たまに絵とかも一緒に描いていたしね」
百合はペンを大事にバッグにしまい自分たちが買って来たお土産を二人に渡した。
百合「はい。お守り」
バッグからアイリーンと千草に百合はお守りを渡した。
輝「俺な百合に言ったんだよ。おばさんぽいって」
百合「はぁ?」
百合は輝の方へ顔を向けた。顔は鬼のような目つきになり輝は一瞬で固まった。
輝「(怖 梨穂と同じ目してる)すまん……」
アイリーン「健康のお守り?」
百合「いつまでも健康でいてね〜」笑いながら二人に言った。
百合はただ軽い気持ちで言ったのかもしれないが不思議とその言葉が心の奥底に色水が浸透するようにその言葉が伝わってきた。
千草「ありがとう〜」
午後の撮影の時間になり四人は撮影場所に向かった。




