第五話
五十嵐家に泊まることになり、夜ご飯をみんなで食べていたら百合の兄の輝に明日の仕事を手伝ってと言われてしまった。百合とアイリーンは了承して、食後に庭を散歩していたら灯りがついている蔵があり、おそろおそろ入ったら本の山に男がいた。
充血している目が二人を見ている。二人は怖さのあまり一歩も動けずただ、目の前の逆光で黒くなっている。人影を見ている。血走った目は二人をじっと見て、言葉を発した。
??「何突っ立ってんの?」
二人は目の前にいる人影が話しかけたことに驚き再び恐怖で叫んだ。
百合&アイリーン「あああぁぁぁぁぁぁ!!」
人影は座っていた椅子から立ち二人に再び声をかけた。
??「落ち着いて」
しかし、二人には背後にあるほんのり赤みがかった灯りのせいで人ざらぬものに見えてしまい声が聞こえていない。人影は二人に近づくが、二人の顔は人影が近づくたびに更に真っ青になっていく。人影が怯えている二人を見て、さっきまで向かっていた机の上に置いてある蝋燭を手に取り二人の方へ灯りを向けた。二人は影の方を見ると二つの丸く大きな光る目が二人を真っ直ぐと見ていた。
百合&アイリーン「うわぁぁぁぁぁぁ!!」
??「だから落ち着け!よく見ろ!」
二人が目を凝らしすと、大きく丸い目はただの丸メガネで、黒い影もよく見るとよく知っている顔の男だった。二人はお互いの顔を見た後、安心して
百合&アイリーン(気の向けた声)「よかった〜」
百合「何やってんの〜?一彩〜」
影の正体は語学オタクで血は繋がっていないが昔から五十嵐家で一緒に育った“鎌倉一彩”であった。
鎌倉一彩は百合の父である秋春の友人の子供で事故で鎌倉夫妻が亡くなってしまい。秋春が一彩を引き取って育てたのである。
一彩「何やってんのはこっちが先に言った。勝手に俺の家に入って来たのはそっちだろ」
百合「家?ここが?」
一彩「あぁ。この蔵は俺が本を置き続けたら動かせなくなって、元々あっちの家の一部屋に住んでいたけどこの蔵に住むことにしたんだ」
アイリーン「紛らわしいな!」
一彩「外に一彩って俺の名前の表札あっただろ」
アイリーン「暗いし提灯だから細かいところは見えないのごめん!」
一彩「なんでちょっと怒ってんだよ!しかもなんで提灯なんだよスマホのライトの方が明るいだろ」
百合「じじぃちゃがスマホは落としたら探すのが大変だから提灯持って行きなさいって」
一彩は不思議そうに尋ねた
一彩「なんでだよ?そんなスマホ落とすことないでしょ」
一彩は語学一筋なのでスマホをあまり外へ持ち出さない、勉強する時もわざわざ本屋へ行き自分の目で確認して買うことがほとんどで欲しい本が入った本屋に無かったら他の店舗まで買いに行く。なぜかと言うと、一彩はネットショップが嫌いで何度か注文をしたことがあるが見た目が明らかに違ったものが届いたり、傷がついていたりしておりそれ以来自分の足でしか本を手に入れないことにした。
アイリーン「昔、夜にスマホのライトに虫が集まって驚いてスマホどっかに飛んでいった」
呆れた表情で一彩は言った
一彩「それに提灯ってそっちの方が火使うから危なくないか?」
百合は提灯をひっくり返した、一彩は火が落ちると思い急いで提灯を百合の手から取った。
一彩(怒って)「お前この部屋の本燃やす気か!」
百合「違う違う 中見て見ごらん」
一彩は上の穴から中を除いた。そこには赤色のLEDライトがあった。
一彩「何これ」
百合「LEDライト赤の」
一彩「それはわかる。でもなんで赤色なの?白でも良くない?」
アイリーン「じじぃちゃが赤の方が本物っぽいから入れときましたって言ってた」
一彩「あっそ……」
提灯を持ちながら安心と疲れた顔で机に提灯を置いた。しかし、アイリーンが一彩の隣の灯りを人差し指を刺しながら指摘した。
アイリーン「てか、そっちの蝋燭の方が本燃えるでしょ!」
一彩蝋燭を持ちながらドヤ顔で二人に言った
一彩「これはただの蝋燭じゃない。本物にそっくりな安全な充電式の蝋燭型の照明だ!しかも灯りの強さが調節できるやつ!」
百合&アイリーン「・・・・」
アイリーン「人のこといないじゃん」
百合「本当」
二人の反応はゴミを見るような目で一彩を見つめていた。
一彩「いいだろ!この灯りの色や明るさが勉強するのにめっちゃ最適なんだよ!捗るんだよ!」
百合&アイリーン「・・・」
一彩「酷くない?そこまで言わなくても良くない?」
少し下を向き、光がなくなた目で落ち込みながら二人に言った。
一彩は何かを思い出したようにパッと顔を上げた。
一彩「とゆうかなんで二人はここにいるの?とゆうかなんで入れたの?鍵かけてあったはずだけど」
百合「いや、一つだけ灯りがついてある蔵があったら不思議で見に来るでしょ。鍵かかってなかったし」
一彩「えっ?・・・あっ さっきトイレに行くために蔵出たんだ」
アイリーン「なんでトイレ行ったこと忘れてんの?」
一彩「好きなことに夢中になったら、誰だってその他のことは何したか忘れるだろ。好きなこと楽しいと思えるもの、のめり込むのは自分の長所であり誇っていいことだ人はそんな当たり前のことを忘れたらいけないんだ」一彩は強気な声で言った。
二人は好きなことにのめり込むのは当たり前のことだとわかっていたが改めて言われると初めて知ったかのような感覚をした。当たり前が無くなった後のことなんて無くなった後にしかわからないから、一彩は両親を亡くしたから大切と言うものがなんなのかが他の人よりわかっていた。
アイリーン「でも、鍵はかけたか確認した方がいいよ」
一彩「トイレ終わって早く続きをしたかったから、次は確認ちゃんとします」
百合(語学が好きなのはいいんだけど一度取り組んだらなかなか向け出せないから、だから語学オタクってみんなから言われるんだよね)百合は安心しような困った気持ちになった。
三人が話していたら本の山の中から低い音が本の振動とともに鳴っていることに気がついた。アイリーンが本の山の隙間を見てみるとスマホが鳴っていた。画面を見ると輝からの電話で出ようとするがちょうど切れてしまった。なぜ、こんなところにあったのか一彩に尋ねた。
アイリーン「スマホ落ちてたよ、それに輝から電話」
一彩「あぁ。百合たちがくる前、電話が何度もかかって来てうるさいから少し離れた本の山の上に置いていたんだけど、振動で隙間に落ちていたのか」
一彩がスマホを開くと二十件以上の輝からの連絡があった。一彩は急いで内容を確認した。
一彩「二人とも急いで戻るんだ!梨穂さんが二人が帰って来なくて、鬼のオーラ出して怒ってるって!」
二人は目を大きく見開いて、急いで家へ戻った。
しかし、玄関を開けると般若の顔をした梨穂が玄関で正座をして待っていた。梨穂の怒りを感じてお手伝いさんたちやじじぃちゃ、輝は廊下の遠くから様子を伺っている。
梨穂「おかえり」
百合&アイリーン「ただいま帰りました」
二人は目の前の鬼を見ることもできず、怯えながら怒られた。




