第三話
久しぶりに五十嵐家にアイリーンがやってくる。両親は旅行へ行っているが兄弟たちと会う。
五十嵐聞けの門の前に着き、アイリーンは小さく口を開けながら思う。
アイリーン「やっぱでかいな」
五十嵐家の門は大型トラックも簡単に通れるように少し余裕を持って作られている。二人は門の横の日常的に使われる出入り口から中に入った。
入った先は、石造の道に枯山水、松などで神秘的な空間が広がっている。少し歩いて玄関の戸を引くと百合の兄の“五十嵐輝”と鉢合わせる。
輝「タイミングよっ 俺もちょうど帰って来たとこ」
不思議そうに玄関に入りながら
百合「あれ?江ノ島から帰ってくるの早くない?」
輝「砂浜歩いてたら、めっちゃ大きい波きたんだよ。すぐ避けたけど膝から下びしょ濡れですぐ帰ってきた。」
アイリーンが玄関に入って来た。
輝は久しぶりにアイリーンの顔を見て、小さい男の子の髪を撫でるようにアイリーンの髪をわしゃわしゃなでた。
輝「久しぶりだな」
アイリーン(えっ髪っっ)
百合は何かを察して、アイリーンのリュックを急いで取った。輝は髪を撫で続けている。
アイリーン「……んな」
輝「えっ?」
百合は素早く玄関の外出た。
アイリーン「髪触んなっ〜!!」
輝のお腹にアイリーンの蹴りがオリンピック並みの技が綺麗に入った。
輝「ヴホッッ」
ドサッ《壁に背中が当たる音》
輝は後ろの壁に叩きつけられた。
輝「いきなりなり蹴り入れんな…それに女子高生が足高く上げんな」
アイリーン「安心してください。毎日スカートの下はジャージの短パン履いてますから」
その光景は側から見たら、仲間が敵にやられてもう助からない状況に見えるが真逆である。アイリーンは輝を上から目線で見下ろしている。
百合「終わった〜」
百合は笑顔で戸を引いて状況を確認した。
百合は近くのお手伝いさんに兄のことを頼み、アイリーンと自室に向かった。長く働いているお手伝いさんは慣れているように兄を運ぶが新人のお手伝いさんは混乱している。
部屋を向かう途中、アイリーンが百合と兄のことについて話し始めた。
アイリーン「輝って、何回も同じ目にあってんのに直んないよね」
百合「癖が抜けない性格だからね〜」
五十嵐家の長男である“五十嵐輝”
現在二十一歳で林音大学へ通っている大学生である。
身長が高く186cmあり、五十嵐家特有の黄色い瞳を持つ高身長イケメンである。大学内でも噂で本人が知らないだけでファンクラブが存在する。(文化祭に来てと言われていった時にファンクラブの誘いを受けた)普通に断った。そして、よく髪を撫でる癖が出てしまう。
これは百合や弟たちを褒める時によくやっていた癖が抜けないのだ。
五十嵐家の相関図
現当主で百合の父親である。“五十嵐秋春”
当主の嫁である。“五十嵐凛”
長女である。“五十嵐梨穂”
長男である。“五十嵐輝”
次女である。“五十嵐百合”
次男である。“五十嵐秋”
三男である。“五十嵐春”
百合の部屋へ着き、櫛を借りて髪をとかした。百合は楽しそうに椅子に座り
百合「早く早く〜」
アイリーン「よし髪元どうりになったし、やっていくよ」
数分して、アイリーンは百合の髪を綺麗に結った。
百合「かわいいぃぃ ありがとう」
フッフー《ドヤにながら鼻息がすごい》
アイリーン「百合のお母さんに色々と教わったからね、日本語や髪のアレンジなんか。まぁ、日本語はのほとんどは語学オタクのあの人に教えてもらったけどね」
百合「一応、兄も日本語教えんだけどね……」
アイリーン「教えたって言っても日本のアニメ見せまくっただけどね、そのおかげで空手や合気道なんかに興味持って、この家の人に一時期習わせてもらったんだよね」
百合「本当に上達が早すぎて、みんな驚いていたの覚えてるよ」
アイリーン「今なら成人男性くらいなら簡単に倒せるようになったから大満足!」
苦笑いをする百合、アイリーンが学校で可愛いと思った彼女が今はイケメンに見える。
百合「あっ 久しぶりにうちに来たんなら小さい頃の写真一気見しよ」
アイリーン「いいね見よ」
自室のアルバムや旅行に行っている母親の部屋から写真データを百合の部屋へ持っていった。写真を見て二人は楽しんで思い出に浸っていた。
途中、姉の梨穂が帰って来た。
梨穂「ただいま アイリーンちゃん久しぶり!何してんの?」
百合「写真の一気見している途中」
梨穂は机から一枚の写真を手に取った。
梨穂「見て見て!」
笑いながら二人に写真を見せた。それは百合が輝にいたずらでタライ落としをしようとして自爆した写真だった。
アイリーン「かわいい〜」
百合「恥ずかしいから返して!」
梨穂はサッと避けて思いついた。
梨穂「だったら〜」
姉は家族の恥ずかしい写真を持って来た。百合は恥ずかしかったが兄や姉、弟たちの恥ずかしい写真もあったので楽しく写真を見た。
百合「これかなり古い写真じゃない?」
梨穂「ん〜本当だ 見た感じ昔の先祖の写真だね」
写真は白黒でかなり汚れている。
梨穂「これは父上が帰って来たら渡しとくね」
廊下の方から足音が大きくなりながら近づいてくる。
秋&春「ご飯だってー」
アイリーン「うわ!外暗い」
輝「せっかくだから泊まってきな」
百合「あっ復活した」
梨穂「そうだね。久しぶりに泊まっていて」
アイリーンは少し考えて五十嵐家に久しぶりに泊まることにした。




