第二十三話
爆弾を体につけた強盗、周りの人たちが爆弾を見るや否やフロアは大混乱になってしまった。
強盗は混乱に乗じて、梶を殴り一瞬の隙で拘束を解いた、立ち上がってバットの先を床に押し付けた、ヘルメットを被っていてもわかる、明らかに弱っているのが。
強盗はふらついたままエスカレーターを駆け上がった、途中の階に着くたびに壁や柱にあたり、倒れてもエスカレーターを駆け上がり続けた。
ゾンビの様に。
梶が捕まえるがバットで攻撃され捕まえることができなかった。
エスカレーターで行ける階まで上がると強盗は最上階に行ける非常階段を使い、屋上へと向かった。
屋上の扉をバットでこじ開け、扉を勢いよく開けた、梶が屋上に出る時、扉のそばにバットが落ちていた。
もうバットがいらないかの様に投げ捨てられていた。
強盗はフェンスを飛び越えた。
梶は飛び降りるのを止めようと手を伸ばしたが強盗の体が前へ倒れるのが先だった。
アイリーンと一彩も屋上へと追いついたが間に合わなかった、強盗はすでに飛び降りていて姿はなかった。
強盗の体は落ちる風の勢いで空中で暴れながら落ちて行った、体に巻きつけた爆弾が外れ、空中で爆発した。
爆風は数十キロまで破裂音を広げた、幸いにもその爆発で死傷した人は一人としていなかった。
梶が下を見ると男は体を強く打ち付けて、倒れていた。
三人は一階へ降り、人だかりをかき分けて強盗が転落した場所まで走った、ヘルメットをかぶっていたおかげで顔は判別できた。
数分後に警察がやってきて強盗の死体の件で梶は警察と話をした。
アイリーンと一彩は梶の横で話が終わるのをただ待っていた。
梶「鑑定の結果、ちょっと嫌な結果が出だみたい」
「嫌な?」
なんと、強盗は数日前に亡くなっていたのだ
一彩「死んだ人間が強盗なんてできない、異能力ってことですか?」
梶「そうなると犯人は死体を操れる異能を持っている」
話をしていると警察が身元を伝えた。
警察「この男は先月、行方不明になっていた精神病の患者で病院から突然いなくなった様です」
三人は異能が関係していると考え老人へ調べる許可を得た。
ホテルに戻りスーツに着替え地下駐車場の梶の車に乗った。
梶は遅れて、車に乗り車を出した。
《移動中》
梶「さて、この仕事が僕が君たちに対しての、上司としての初めての仕事だね」
アイリーンは焦った様に言う。
「梶さん、元警察だからって民間人が死んだ人間の捜査なんてダメじゃないですか?」
梶「大丈夫、今の仕事も警察と同じ権利を持っているから」
一彩「そういえば、店で会社って言っていましたけどなんの会社なんですか?」
梶「表向きはただの服とか雑貨なんかを作っている会社なんだけど、僕たち『アマランサス』は異能力者を見つけて悪用しない様に会社に入れたりしてる」
一彩「異能力者は平安時代頃から確実にいるみたいだね」
一彩は蔵で見せてくれた本を懐から出した。
梶「ふぅ〜ん・・・えっ!?」
一彩の話に驚いて、後ろを向いてしまった梶、またもや車は激しく揺れたがすぐに前を向きながら運転した。
一彩「あぶなっ」
梶「ごめん」
(てか、本持ってきてたんだ)
梶「何その本?」
一彩は五十嵐の蔵で見つけたことを梶に言った。
梶「なんかすごいねその家」
車が止まり梶は一彩に言った。
梶「今からこの道を真っ直ぐ走るから一彩、防犯カメラに干渉してみてくれる?」
写真を見せた。
梶「この男の顔よく覚えて二人とも」
一彩「わかりました」
一彩は車が走ると同時にパソコンに周囲のカメラの映像を映し出した。
走ってる車、人、猫など身近なものが多く映っていた、そこには死んだ強盗の姿も映っていた。
「強盗は今通っている道を真っ直ぐ歩いています」
梶が運転をして一彩は周囲のカメラの映像をパソコンに映し出し、アイリーンが方向を指示している。
走っていると梶のスマホに電話がかかってきた、路肩に車を停めて電話に出た、電話はアマランサスの情報部からだった、電話を切ると再び車を走らせた。
止まっている間、空を見ると飛行機が大きく見えた、車はアイリーンたちが来た空港へと辿り着いた。
三人は空港内に入った。
入る前に一彩は異能を使うのをやめてから入った、梶が空港に入るとアイリーンたちに肩を触る様にと言った。
二人は言われるがまま梶の肩に触れた。
すると周りが白黒の昔のテレビの様な風景が目の前に現れた。
梶「僕は短時間だけその場所の過去を見せることができる、自由に移動もできる、他人にも発動する時、接触する必要があるけど」
三人は空港のいろんなところで梶の異能力を使い、男を探した。
数分後にアイリーンは写真の顔と全く同じ男を見つけることができた。
アイリーンたちは男が出てきた飛行機を調べると
その便は・・・
強盗は日本から来たのだ。




