◎勇者とは。
今から300年前ーー。
"剣の勇者"が魔王に殺された翌年。
世界を二つに分断した魔王はある条約を持ち出して来た。
それは"非促進勇者誕生条約"。
女神の領域側が勇者を誕生させない代わりに魔王は領域をこれ以上増やさない、という内容。
従うことしかできない女神の領域側、つまり魔王に襲われる側はこれを了承。
人間の国、ポプルス国を代表に魔王とこの条約を締結させた。
◇
「こうして、現在、魔王側と勇者との争いは300年間起こっておらず平和になった、というわけですね。」
砂利道の上で大型の車を走らせる。
タイヤと石が擦れる音が絶え間なく鳴り続け、たまに大きな石を踏み、車体が揺れる。
「こうして見るとやはり、勇者が居なくなって安心ですね。」
ラジオから低くも聞き取りやすい、スーツを着た男が思い起こされる声が聞こえてくる。
「ええ。勇者は私達、一般人にとっては魔王を倒すと言って倒せない"裏切り者"ですから。」
そんな声に博士だろうか、いかにも自分は頭がいいと誇示するようなハキハキとした声が答える。
「言われてるな。君達……」
ハンドルを握る男が小さく、誰に言うわけでもない声量で呟いた。
そして男はラジオのつまみを回し、電源を切る。
「よし、着いた。ここが君達の新しい家だぞ。俺の店"レリク"ーー」
"レリク"と書かれた看板が玄関上に飾られているこの大きくも小さくもない建物が男の家であり職場。
男は大型車の荷台から箱を取り出し、木板を壁に天井に貼り付けただけ、雨漏りも所々に見られるような質素な建物のドアを開けた。
開店や閉店と書かれた掛け看板が揺れ、竹製の風鈴のような音を立てる。
男は一旦、箱を地面に置き、近くにあるスイッチに手をかけた。
指の腹に合う窪みに指の腹を押し付け、男は指に力を込め、ピリッと電気を流す。
すると、店の至る所に吊るされた電球が点滅を繰り返し、灯りが点いた。
このスイッチは魔法を増幅できる装置が組まれていて、多くの場所で活用されている。例えがこのスイッチ。誰もが出せるほどの微量の電気を増やすことで、あらゆる電気製品を動かすことができる。
現代の生活を支える重要な技術だ。
店中が照らされると、ショーケースや棚が現れた。
それらの中にはボロボロの破れた服が丁寧に畳まれ、何かの牙や鱗がクッションの上に置かれ、長年手入れされていないであろう剣までも飾られている。
他にも何に使うのか分からない多くの物が入れられており、そのどれもが欠け、破け、壊れていた。
けれどもショーケース、棚には汚れの一つも無い上に埃も溜まっていない。
そのような光景はさながら何かの博物館で、オルゴールが聞こえてきそうなくらい静かで、綺麗でいてどこか不思議な空間だった。
男は箱を今一度持ち上げ、展示物の数々を通り過ぎ、店の裏に運んで行く。
勘の良い方はお気付きであろうか。
ここは、ただの家ではない。
"勇者"の遺物を展示する博物館である。
「痛っ!」
そこを経営するのは奥で箱を積み上げるも落としてしまい大きな物音を立てているこの男。
「サロス!!帰ってきたんだね!」
サロスーー。
”勇気”を冠する名の持ち主である。
「おー!お前達か!また来たのか?」
やって来たのは近所の村の子供たち。
ポプルス国辺境、西地区郊外、平野がどこまでも広がる草木に囲まれた村で育つ元気な子供たち。
その子らは毎日のように村から離れたレリクに遊びに来る。
親から何度注意されようともーー。
「そうだよ!今日も遊んでよ!」
「うんうん!」
男の子がそう遊びに誘い、女の子と一緒になってサロスの服を引っ張った。
「2人とも!サロスが困ってるだろ?」
「うわ!偉い子が来た!」
2人の子供は茶化し笑い、注意してきた"偉い子"から逃げた。
「もう!また逃げた!」
サロスはその子に近づき、頭の上に手を置いて撫でる。
加えて優しくこう言った。
「ありがとな。コア。」
ボサボサの跳ね上がった黒い髪に、頬の上に念入りに貼られた絆創膏、やんちゃな男の子の要素しかないが子供たちの中では1番の年長者。
だが結局のところ1歳程度しか変わらない。
そんな年ゆえか、父親が医者をやっているからか冷静で正しさを突き進む真っ直ぐな賢い子だ。
とは言ったもののまだ子供。
頭を撫でられ、ありがとうと言われて恥ずかしがることは無く、純粋に喜んでいる。
目を閉じ、口角を上げ、子供ながらの丸みを帯びた優しい笑顔。
「で、今日は何の用だ?」
サロスが話を切り替え、本当のやんちゃ坊主は大きな声でこう言った。
「今日もあれやろ!あれ!」
「また?またあれやるのか?」
サロスは眉をひそめ、あきらかに嫌そうな顔をしてみる。
しかし、純粋無垢な子供達にその表情を読み取ることは難しい。
「もちろん!今回も!サロスがボスね!」
「分かったよ。」
店の外に出て、緑色の原っぱに立つ。
両手を広げ、息を吸い、覚悟を決めた。
「わはは!この俺こそが世界を征服する魔王である!皆、俺の前に平伏せ!」
少し顔を赤らめながらいつものセリフを言う。
「待て!この僕たちが今日こそお前を倒す!」
やんちゃ坊主が率先して役になりきっている。
彼に続く形で女の子もコアも叫びながらサロスに向かっていく。
小さい手でサロスをポコポコと叩き、サロスは押し倒された。
「ぐ、ぐはー!やられたー!」
サロスは生い茂る草の上に寝転び、舌を出し、死んだふりをする。
「やったぞ!僕たちが世界を救ったんだ!」
やんちゃ坊主を筆頭に空に手を突き上げて喜んだ。
そんな風に、なりきり遊びをし、森を探索し、サロスと子供達は毎日を過ごす。
この世界は平和そのもの。
何もかもがゆっくりと進み、笑い声が絶えない。
であればどれほど良かったか、と考えない日はないだろう。
きっとこの分かたれた世界に生きる人たちにとっては尽きることのない憧れと望みである。
暗くなる前に子供達を家に送り、サロスは家に戻った。
それから、今日持ち帰った箱の中身を出すなど、店の整理をしていると、窓から不穏な灯りが見えた。
空には月が星を伴って光り始めている。
時間はもう遅い。
こんな時間に祭りなどもしないし、そもそも、今日にそんな予定はない。
けれど村から空へと立ち昇る黒煙。
外から中に入ってくる空気を肺が押し返す。
微かに聞こえる悲鳴。
サロスの頭によぎった。
予想することすら嫌悪する考え。
店の壁に伝う階段を駆け上がり、自身の部屋に入る。
準備を始めた。
逃げる準備か、誰かに伝えに行くのか。
そのどちらでもない。
タンスからマフラーを取り出し首に巻く。
そして、その上に飾られた剣を取る。
大きな白い鞘に収められている長剣。鍔は鈍い金色に緑色の宝石が埋め込まれているシンプルなもの。
サロスは家の鍵も閉めず、車に飛び乗り、窪みに指の腹を押し付け、電気を流す。
車が震え、エンジンが掛かった。
彼がやろうとしているそれはーー。
「みんな、無事でいてくれ。」
アクセルを踏み、村の方へ走らせた。
レリクから村までは程々に離れている。
車で10分から13分。村には食品、衣類などが売っていてサロスも利用している。
であれば土地に対して拘りも無いサロスがどうして村の近くにレリクを立て直さないのか。
反対になぜ村から離れて暮らすのか。
◇
場所は変わり、辺境の村。
火の粉が舞い、暗い夜空を赤く染める。
村人達が泣き叫び、逃げ惑うも、出口はない。
緻密に計画された放火で、村に置かれた柵に沿うように火の壁が出来上がっている。
ただ一つ残っている門もゴブリンが居座っており、兵士を持たないこの村では通ることも叶わない。
最大国土を持つポプルス国の1箇所であるため脅威などは滅多にない。
つまりは平和だったために武器を放棄。
自衛を国に委ねていた。
だが隣村への連絡手段が絶たれた今、ましてや国に通ずる手段は残っていない。
そんな中、村人達はどうにか逃げられないか四苦八苦するも、気温は瞬く間に上がり続ける。
息は絶え絶え、死ぬのは時間の問題。
「コア!コア!起きなさい!」
コアは母親に起こされた。
眠い目を擦り、ぼやけた視界のまま母親の輪郭を捉える。
コアの寝ぼけた声とは似ても似つかない母の声はひたすらに自身の息子を急かした。
火の手は家から家へ、家から木々へ。村を囲んだ炎は更に薪を焚べられ、その火力を増やしている。
幸いにもコアの家には引火していなかったため外に出ることはできた。
それでも、コアの手を握り、母親は必死に走った。
握る強さは徐々に徐々に強くなり、腕を引っ張られコアの足を引きずっていることに気付かない程に。
手が握りしめられた痛みと身を焦がす熱さで目が覚めたコアはハッと、
「……お母さん。お父さんはどこ。」
父がいないことに気づき、無意識に母の手を握り返していた。
「大丈夫。あとで合流するから。」
母の目は一切コアの方を向かない。
いつもなら目線を合わせてくれる。その"いつも"がないことに不安は募る。
母親に手を引かれるがまま、小石に足を引っ掛けながら、どこに向かってるのかも分からず、走った。
「やめろ、やめろ!やめてくれ!!」
聞き馴染みのある声がした。
反射的に見てしまった。
近所の優しいおじさんが斧で切られていた。
右肩から斜め下に向かって切り裂かれ、中の臓器がこちらを覗いている。火はおじさんに家の影を落とし、燃える家に背中を付け、焦げた匂いを伸ばす。
昨日、コアをいい子だと言って褒めてくれた、太陽みたいに明るくて、面白くて良い人だった。
コアは目が離せずにいた。
おじさんを切った、その怪物から。
血滴る斧を持った腕や足は細く不恰好、緑色の凸凹な体についた頭は大きく、黄ばんだ歯を覗かせ、死体を見て喜んでいる。
全身で感じる。
あいつは恐怖を体現した存在。
緑悪魔。
その時、飛び出した黄色い目がギロリとこちらを向いた。
横顔は正面に、火は奴の口を照らす。
口角は限界を突破、グラグラと今にも落ちそうな歯を付けた歯茎を剥き、欠けた三日月を作る。
ゴブリンの顔は歪み、嬉々とした表情でコアたちに駆け寄って来た。
ドタドタと地面を跳ねるように向かってくる。
身の毛を立たせ、ゴブリンから顔を背け、コアは母の手を引こうも動かない。
なんで、と振り返れば、母が膝に手を置き、屈んで目線を合わせ、こう言った。
「あなただけでも逃げて。」
「え……」
耳を痛めつける火の音も人が切られる音も誰かの悲鳴すらも止んだ。
「いやだ、やだよ!」
残ったのはコアの叫び声だけ。
「大丈夫。お母さんも後から追いかけるから。」
母親はいつもの笑顔、コアに似た丸く優しい笑顔を見せる。
でも、謂れもなく涙が目からあふれ出して止まらなかった。
「やだ……」
その場に立ち止まったまま両手でこぶしを作り、目をこすり続けるコアを母親は残酷にも力一杯突き飛ばした。
衝撃に目をつむり瞼に収まりきらなかった涙が頬をなぞる。
地面に尻をついた後、目を開けた。
母親が、切られていたーー。
"いつも"が失われ、過去が苦痛に変わり、"偉い子"のコアは意識外で察してしまえた。
もうお父さんはいない。
「コアは偉いな!もう薬草を覚えられたのか!」
しゃがんで目線を合わせ、頭をポンと叩き、微笑む。
あのお父さんはきっともういない。
母の呟きは薄かった。連想しない方が無理だった。
お母さんから出る大量の血が一滴一滴、足を伝って地面に落ちていく。
連想しないなんてできなかった。
お母さんもお父さんのようにーー。
ゴブリンは再度手の斧を振り上げ、荒々しく削られた刃が母の首元に差し掛かった時。
「……っ!!」
考えるより先に、身体が動く。
涙を散らし、右腕の拳を頭の後ろで構え、ゴブリンに殴りかかっていた。
その時、コアの中で何かが変わった。
右腕の中から体外へと魔力が溢れ出し、電気へと変換されてゆく。
形作られた稲妻が拳の軌跡をなぞる。
拳はゴブリンの顔に直撃、殴ることでのダメージはほぼない。
だからこそ、コアの魔力はその場にいた全員の想像を超えた。
奴に当てた拳から電撃がゴブリンの体へと流れ込む。
電撃は電流となり、骨を通り、筋繊維を進み、体の隅々まで行き渡ると高電圧をかけ細胞から破壊、ゴブリンに内側からの激痛を与えた。
と同時に赤く染まった夜空を真っ白に塗り替え、閃光を村全体に届かせた。
ゴブリンの緑色の体は黒く変色し脱力。
「ぼ、僕、今、何を……」
自分の右手を見つめ、戸惑うもそんな暇はない。
「てめぇ!なにやってくれてんだ!」
さっきの眩い閃光を見た大柄なゴブリンがコアの元にやって来た。
倒したゴブリンの二倍かそれ以上の背丈に肩幅。肌の緑色もより濃く、腕から隆起している筋肉は丘から山のように盛り上がっている。服装も腰巻きのみの貧相なものではなく金属製の胸当てにおそらく奴自身が剥ぎ取った動物の革を装飾している豪華な装備。
いかにもゴブリンの長が棍棒を担ぎながら胸を揺らすような低い声でこう言った。
「てめえはここで殺さなきゃな。」
ドタドタという軽快な音ではなく、地面を揺らす一歩でボスゴブリンは歩いて来る。
肩に背丈以上もある棍棒を担いで、こちらを睨む覇気はコアの腰を抜かし再び地面に座り込ませてしまった。
奴の歩幅は相当でコアの身長程度なら一歩で越えられる。そんな歩幅でゆっくり、恐怖を煽るように近づいてくる。
あの棍棒を振り下ろされれば、お母さんもろとも潰されて殺される、そう考えて最後、コアの体は震え、息も上がってゆく。
奇跡の電気も出ない。
立ち上がる勇気も消えた。
「一振りで逝かせてやるよ。」
目の前に立つこいつは人を殺す化け物だ。
ゴブリンは棍棒を振りかぶった。
「そうはさせない!!」
声……。
馴染みのある、あの人の声。
ボスゴブリンとコアはその声のする方に視線が動いた。
「あれは……車!?」
ボスゴブリンは気付くなり衝撃に備え身を構えるも、全速力の大型車に耐えられずボスゴブリンは吹き飛ばされ、崩落寸前の燃えた家に突っ込んだ。
瓦礫がボスゴブリンの上に覆い被さり奴の動きを止める。
コアとその母親を守るかのごとくボスゴブリンを跳ねた大型車は停車。
バンパーはもちろんエンジンルームまでもを大きく凹ませ、フロントガラスに蜘蛛の巣を作っている。
その白い煙を吐く車から、白い鞘を腰に携えた男は降りてきた。
マフラーが北風に舞い、周囲の雰囲気をガラリと変える。
「……サロス。」
コアは力の入らない喉で呼びかけた。
が、返事はない。
だが、コアたちの前に立った。
ボスゴブリンは瓦礫を押し除け、怒りを露わに子分に命令を下す。
「あいつを殺せ!」
その空気を震わす怒号に子分のゴブリンたちが炎の中から次々とサロスの前に姿を現す。体格は小さく、手足も細い。けれども現れた数は十数人程度ではなく、右から左と視界を変えて見ただけで三十はいようか、集まってくる大群にボスゴブリンのものとはまた違った迫力を持っている。
「殺れ!!」
頭の中まで真っ赤に染め上げたボスゴブリンの怒号に加え叫び、ゴブリンたちは棍棒を掲げてサロスの方へ走った。
サロスは左腰に下げた剣に手を掛けーー。
剣を抜かずに鞘ごと抜いた。
右手に持った剣を地面と水平に抜き放ち、剣と中身の詰まった木製の鞘の重さに腕から細い血管を浮き出す。
鞘を支えるベルトは楕円形となり力無しにサロスの大腿を撫でている。
鞘をつけたままの剣の様子は頭でっかちの鎧を着ているようで可笑しくて耐え切れなくなった一人のゴブリンが吹き出した。
唾を吐き、指を刺して大笑い。
笑いは伝播し、隣のゴブリン、またその隣と型を倣ってサロスを笑う。
サロスは剣を持つ腕を垂らし、前傾姿勢。
ゴブリンたちは止まらぬ笑い声とともに緑の腕を振って煽動する。
数にして三十対一。
博物館の亭主が剣士の真似事でこの状況を覆せようか。
その場にいる誰もが理解できなかったーー。
瞬きの秒間、乾燥し切った土に身を巻いて、風が吹いた。
土埃が晴れ、靡くのは一対の白布。
先ほどまで騒いでいたゴブリンの半分が地面に倒れていた。
奴らの体に傷は見当たらず、ある者は白目を剥き、ある者は泡を吹いている。
サロスは剣先を地に向け、立っていた。
間髪入れず追加でゴブリンたちが襲いかかる。
剣を握る腕に力を込め、首の後ろ、顎の下、腹の溝、それらを素早い動きをもって物量のある鞘で狙い打っていく。
「死ねっー!」
最後のゴブリンが棍棒を横に振った。
サロスはまるで予測していたかのように跳び避け、鞘が付いたままの剣を縦に前回転、後頭部を勢いよく打った。
響くことなくただ鈍いゴンッという音がした後、ゴブリンは皆一斉に倒れた。
息切れもなく、直立で前髪の陰に両目を埋めている。
ボスゴブリンは戦慄いた。
「あいつ、あの動き、あの雰囲気、300年前のヤツに似てる……」
声を震わせ呟いた後、サロスにこう放った。
「お、お前!"剣の勇者"なのか!?」
「……だったら、どうする。」
睨んでいない。声もがなりが効いてない。
ただ人と話す風に淡々とそう返された。
その異質さが、異常さが、ボスゴブリンの思考の中である言葉を想起させた。
眼前に立つアイツは化け物だ、と。
「お、お前ら!一旦引くぞ!」
彼の圧にたじろぎボスゴブリンは意識のない者は担ぎ、意識のある者を従えて村から逃げて行く。
最後のゴブリンが村から出ると、まるで女神様の祝福かのように雨が降り始めた。
火は収まり、代わりにーー。
「サロス。お前って、勇者だったのか。」
「嘘だよな。」
「バカ言うなよ。あのサロスだぞ?そんなわけないだろ。」
村人の心には暗雲が立ち込める。
サロスは全ての声から耳を塞ぎ、一瞥もしないで去って行った。
「サロス……」
コアはその彼の後ろ姿を見ていた。




