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30年経つんだなあ  作者: きむらきむこ
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1 朝ドラ

 「虎に翼」からの流れで朝ドラを観てます、夫が。


 夫が観てるのを洗い物しながら、とかタブレットを弄りながらとか、ながらで見てるわけなんですが…


 始まりましたね、神戸編。

なんというか、ながらであっても見るのが辛い。私は本当の意味で被災していないのだが、それでも避難所とかをみるのは辛い。


 私は当時里帰り出産で、神戸の自宅から実家近くの病院に入院しておりました。


 娘は生後六日。その日の昼には退院して、実家に戻る予定でした。

朝、揺れで目が覚めた私たち入院患者は、収まると我が子の様子を見に新生児室に行き、そのまましばらく抱っこしてました。


 その後、神戸に住む夫に電話。

その時点では連絡が取れたので安心したのを覚えてます。

その後不通になった。家の前の公衆電話にすごい列が出来たらしいが、夫から聞いた話なので私は実際には見ていない。


 私の実家は奈良にあって、震度は5くらいでした。

それでもエレベーターが止まってしまったので、朝ごはんの配膳にエレベーターを使用できなかった為に、職員さん総出で階段を使って食事を運んで下さってたのを思い出します。


 退院しようにも、パソコン関連も使えなかったので、精算が出来ず結局夕方になってやっとのことで退院しました。


 実家に帰ったものの、この時には夫とは連絡が取れない状態で、それでも私と夫、娘の安否を気遣ってくれる親戚一同から電話が続々と入り、私自身退院したばかりで情報に疎く、とりあえず無事ですとしか答えられなかったのでした。


 それから二ヶ月ほど実家で暮らしましたが、テレビもあんまり見ない赤子三昧の日々(笑)それでも時折夕方の情報番組なんかで「今日のお風呂屋さん情報」何かを見るにつけ、夫が私に言わないだけで自宅は潰れて無くなってるんじゃないか?とか考えたりしてました。


 自宅は無事だったんですが、さすがに水や電気が止まってご近所の方は赤ちゃん抱いて隣の公園まで給水車に並んだ、と聞いてます。


 当時、生後六日だった娘が今度の冬には三十歳になります。








 


 

 

「今日のお風呂屋さん情報」は、真冬のことだったのでせめて暖を取りたいと、営業しているお風呂屋さんの案内をテレビで流してくれていたのです。

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