エピローグ
残党と化した名のある冒険者達は概ね始末完了。
そして残留するプレイヤー達や、私達の活躍を視聴し復帰を決めたプレイヤー達は一丸となって建築の素材を収集し、第2第3の街へと復興の手を伸ばしつつあると。
これでBWOの世界は安泰でしょう。
あの腐敗した思想はまるごと幽閉して二度と湧き上がらないようにした以上、段々と風化してゆくのみ。
かくして終わりよければ全てよしの幕引き、あるいは新たなスタートとなれたのです。
そして私達も、役目を果たして仮想世界から去り、私から恵理子に伝えるべき想いも、ようやく告白出来ました。
「これで私達、恋人同士になれるんだね」
そう私の最愛の人が承諾してくれました。
恋人同士だなんて、自負心が確固となる魔法の響きです。
今の私には戦いだとか使命感だとかといった漫画のキャラクターのように生きるよりも、ただ恋のために生きる方がよほど現実的でよほど良い。
「間違いではないでしょうが、なんだか関係が変わったという実感がわきませんね」
「う、うん。キスも結婚式もとっくにやっちゃったし、プロポーズも……私からしたかったんだけどね……」
振り返れば振り返るほど、然るべき段階をすっ飛ばして何をしていたんだかと、顔も合わせられなくなる気持ちになります。
そこからの交際、なんだかランクダウンは否めませんが、やはりゴールまでの過程こそを体験したいものです。
まだ若干の実感の無さが残っていますけど。妙な浮遊感もあり、これからの生涯への想像力もやけに働きません。しかも眠気まで深くなってきました。
「恵理子、私の頬をつねってくれませんか」
「うぇ!? 付き合って最初にすることがそれなの!?」
あぁ、これは絶対に変だと思われてる表情です。らしくもない失言をいきなりしてしまっただなんて、幸先悪いです。
「すみません。ですけど何故だか本当に夢心地なので、夢ではないとどうしても確認したくなったのでして……」
「いいけど、じゃあ私の頬もつねって?」
「いや何故そうなるのですか!?」
「同じ罪を背負うって約束したじゃん。莉緒ばっかり痛い思いさせたら、こっちの心が痛くなっちゃうから」
恵理子、こんなところでも誓いを一貫してくれるのですね。
こんな私のためだけに、しかも配信者としての復帰の望みさえ捨ててまで私に本気で集中して構ってくれるのだと聞きました。私も相応の真心をもって愛さなければなりませんね。
私もあなたに一生かけて寄り添い、正しき光の道筋を迷子にならず歩みたい。その第一歩が頬をつねる行為とは、この際あまり気にしないでおきましょう。
「では、なるべくお手柔らかに」
あなたの頬に指を備え、私の頬を恵理子に差し出して痛みの交換式です。
「ぐへへぇ。りおほっぺ、ぷにつやぁ」
あなたの手、爪が丁寧に切られたその指先が、私の頬に優しく触れて……あれ……幸せすぎておかしくなったのですか……? 私の意識が妙に朧げになって……。
「ゆ、夢? えっ、いや、全部夢だったのですか!?」
目が覚めて全て気づきました。頬をつねろだなどと頼む記憶などどこにも転がってないはずなのに、何故違和感を持たなかったか。
ここは、どこなのでしょうか。目をこすって一瞥しても、まるで見覚えのない場所です。
ベッドも、照明器具も、匂いも、窓やそこから差し込む陽光の具合も、少なくとも私の自宅ではなく何処かの宿泊施設なのでしょう。
私はこれまでどうしていたのですか。
何故こんなところでリラックスして眠れていたのですか。
この無機質さと孤独感こそが、現実なのですか。
そして布団の中では、私の体の上でモゾモゾと動く温かく大きいものが。
「んんっ……おはよりお」
そう瞼も開いていない寝起きの恵理子の顔だけが、ひょっこりと目の前に現れました。
目が覚めて最初に聞くものがあなたの声だなんて、なんだかとても安心しました。それはそれとして行儀悪いですが。
「また寝惚けて私の布団に潜り込んだのですか? ほら、起きてるならば早く顔洗ってパジャマも着替えて下さい。二度寝は許しませんからね」
「やだぁ、莉緒がチュウしてくれなきゃ起きられないもん」
はぁ、寝起きの口の中は雑菌だらけで不潔だと私に何年連続で説明させるつもりですか。
なので額に1秒間だけ口先を接触させました。せめてもの譲歩です。
「おっはよぅ莉緒っ! プリンセスのキスパワーで目覚めバッチリ!」
たったそれだけでも恵理子は瞳に星でも浮かぶほどに覚醒して飛び起きてくるとは、同棲当初に比べて扱いやすくなったというか安っぽくなったというか。
だのと感心してないで、私も早く頭の中も目覚めないとですね。
昨日の記憶、有給休暇を使って私と恵理子の二人だけで東京からはるばる大阪へ旅行し、このホテルで寝泊まりしたのも、あなたが行きたがって止まない大型テーマパークで今日一日を遊んで過ごそうということです。
このデートプランさえ寝惚けて忘れてしまっていただなんて、これも日頃の疲れのせいか、はたまた歳のせいなのでしょうか。
「ねえ莉緒、すごい笑顔で寝てたけどなんか楽しい夢見てたの?」
いやあなた、私の寝顔を知っているということは既に二度寝していたのですか。
ともかく夢のことを訊かれましたが、寝顔の件を今更追及したところでしつこく思われそうなので、話を切り替えましょう。
「それが楽しいどころではありません、実はあなたと交際を始めたあの日の夢を見ていまして」
「えっすご! じゃあちゃんと覚えていたんだ。私達が付き合って今日でちょうど10年目だってこと」
もう二桁目だったとは、実感がわかない年数です。
年月の経過など、光が通りすぎるようにあっという間なのでしたからね。高校三年間よりも、そこから七年間の方が短く感じるという時間感覚の不思議もありました。
出発の時刻を意識し、着替えようとした途端。
「そうだ! いいもの持ってきたんだ。ちょっと待ってて」
何やら恵理子が心弾ませて着替えの荷物をまさぐっていますが、どうせろくでもない物だという予感は確かです。
「じゃじゃーん! 高校の時に着てた制服、持ってきちゃいました!」
そう実家に眠らせていたはずであった、学生時代に身に纏っていた冬服を見せつけていました。
呆気にとられるとはこのことですか。
「こんなもので荷物を圧迫していただなんて、ふざけているのですか」
「いいから莉緒、着て?」
そう恵理子は笑顔になりつつも圧をかけながら制服を差し出そうとしてきましたが、たかがそんなことで受け取れるわけがありません。
「全くあなたという人は、常々思いますがこの関係性に甘え過ぎではないですか? いくらあなたの頼みだとしでも、そう何でも言うこと聞くはずがないでしょう」
「でも一昨日の夜いってたじゃん『何でも言うこと聞きますからぁ、私のお尻叩いて下さいぃ!』って」
「だああっ!! 朝なのにそんなみだらな話掘り返さないで下さいって! くっ、着ればいいのでしょう!」
いくら倒錯していても、「何でもする」とは軽々と声にしてはなりませんでしたか。言質を取られた私の負けでした。
もう二度と着ないと思い込み、それでも記念として保管しておいた制服でしたが、まさかこの歳になって再び袖を通す日が来ようとは。
「うぅ、着れてしまいました……」
服が小さいから脱ぎ捨てるという口実を後出ししようと考えてましたが、これではご破算です。
特に胸の辺りが窮屈で、これで胸を張るような姿勢をとろうものなら胸元のボタンが弾け飛びそうです。
スカートもこんなに短いのでしたっけ、一応身長は当時からあまり変化していないはずですけど、記憶の美化とは恐ろしいものですね。
「隙あり!」
「ちょ、恵理子っ!」
自分の体について再確認している時、気づいた時には恵理子に背後を取られ、私の髪に何やら悪戯されてしまっていました。
これは、頭を左右に振ると髪が肌に当たる感覚は、あれですか。
「はい、平均的女子高生莉緒、ツインテール版の完成! ぐへっぐへっ! んちゅちゅっぐへへへへぇ!!」
「い、嫌っ! なんで興奮してるんですか変態!」
世にも恐ろしい悪夢を目覚めさせてしまいました。こんな鼻息荒くし、目線や舌を舐め回しているだなんて変態そのものでしょうが。どんな話題の甘味を目の前にした時でさえこれよりかは落ち着いていたのに。
服装と髪型二つ変えただけで、あなたの趣味があなたでなければ気持ち悪くて耐えられないものに様変わりする光景まで見せられなければならないのですか。
「やっぱり脱ぎます! もう若くもないのにこんな制服に髪型、絶対キツいですって!」
「ぐへ? リアル吸血鬼さんって評判の莉緒なんだから若さに自信持って大丈夫だよ。ゆりゆりの高校1年生でウニバ歩ける!」
「はぁ!? こんな格好で外出させるつもりなのですか!」
「そりゃそうだよ。かわいくおめかしした莉緒と制服ウニバしたくて旅行したんだから」
どうやら悪い冗談ではなく本気でしたか。ナントカは盲目とはよくいったものです。
いくらかわいいと熱心に褒められようとも、これまで私が何を試着してもどんなコスプレをしてもそう盛大に褒めてくれるせいで、却ってファッションについて疑り深くなってしまったのですから、あなたの責任ですよ。
だからこそ、その都度お揃いのコーディネートで決めてくれるあなたの姿から、逆算して自身の格好を客観的な反応を想定するしかありません。
もちろん今回も例外ではなく……もちろん、ですって。
「えへへぇ、お久しぶり、JK恵理子だよ。どう、高校三年生くらいにはサバ読めそう?」
気づけば恵理子も同じく制服姿となっていました。
まさかあなたまで年甲斐もなく恥ずかしい格好をしてくるとは。全く下らない、年齢を自覚していない、この格好で微笑みを崩さないでいられる神経が理解出来ません。恥ずかしくて道行く人から白い目で見られても無理ありませんって。
それなのに何故、私の目からは涙が溢れているのですか。
「あ……恵理子……あなたなのですね」
人生の最盛期、そこへ若返ったあなたの姿。情緒も目茶苦茶となり、こみ上げてくるものが堪えきれません。
「もう二度と会えないかと思いました……」
「なにそれ? 莉緒の大好きなプリンセスの恵理子は、いつも近くにいるじゃん」
「そ、そうでした」
瓜二つの再現度に、現在も忘れて感動するほどに過去の記憶が鮮明に呼び起こされていました。
初めてあなたをお慕いした時の服装。
その頃まで虚無だった学校生活も、あなたのその姿を見たくて毎日登校する目的になれたほど。
ため息をつくほど綺麗で、唇を奪いたいほど私だけのものにしたくて、人混みに紛れていようと目で追ってしまうほどの美貌があり、そんなあなたが他の友人よりも特別扱いしてくれたおかげもあって、私がどれだけ勉強しても知り得なかった感情を追加させてくれました。
恵理子、好きです。
「おいで〜」
「はい……」
ベッドを椅子代わりに座り、変わらない姿に声までそのままに手招きされてしまえば、体が勝手に引き寄せられてしまいますよ。
そのまま恵理子に前から抱き寄せられ、片手は背中に回しつつもう片方は後頭部を撫でられ、私の期待していた通り可愛がられました。
「ちょっとだけ、このままでいさせてもいい?」
「私も同じです。この懐かしさに浸らせて下さい」
柔らかい肌に同じシャンプーの匂い、私だけでなく、あなたも心臓の鼓動が激しくなっていて、思いの形や強さが同じなのだと共有されます。
私がこの前あなたにつけた噛み跡、うっかり出血させたためリアル吸血鬼さんと呼ばれるようになってしまったほど強く残した愛情の跡も、その制服の内側の肌にまだ残っているのでしょうか。
そう欲求のまま抱きしめている内に、あなたの腰のくびれが復活していたことまで、指先をなぞらせていく内に判明していきました。
「……ダイエット、珍しくよく頑張りましたね」
「今回はちゃんと頑張れたよ。この制服着て……莉緒が喜んでくれるって思ったから!」
「えっ?」
もしや、私にその姿を再現したいがために必死に運動して体型を整えていたのですか。私のためだけに、努力していただなんて。
本当にあなたってば馬鹿ですよ。なにせ普段は卑小な見栄のために痩せようとしてはリバウンドの繰り返しなのに、私を動機にしたらそれで成功するだなんて、あぁ、感激ですって。
そんなサプライズ、完全に撃沈させに来てますって。
「恵理子、もっと好きになってもいいですか」
「ばっちこい! どんなに重くったって受け止めてあげるよ!」
恵理子の勇ましさすら感じられるこの包容力に身を任せ、ちょっとだけと言いながらも暫し姿勢をこのままにして心の中身を若返えらせました。
「懐かしいね。付き合ってからさ、昼休みにいつもこんな感じにぎゅってしてあげてたっけ」
「はい、人の目や次の授業なども考えられなくなるほど夢中になって、最高の息抜きでした」
「付き合ってる人同士の特権だね。クラスメートの友達もあれからみんな彼氏できてたけど……でも莉緒は私の自慢の彼女だから、何があったって羨んだりしないよ」
「ふふっ、あなたが自慢したがるほどの私になれていたなんて、光栄です」
そう話せば話すほど口が軽くなり、恵理子と共に思い出を語り明かしていました。
高校卒業後、二人きりの同棲生活を始めたこと。
進路先は異なりましたが、お互いが志望する将来の夢を叶えられたこと。
恵理子はこれまで培ったキャリアを活かし、ストリーマー専門学校の教師になって後進の育成に励んでいること。
私は勉強をやり直して介護職に就き、誰かの支えが必要な人への援助となれたこと。
それでも裕福とも言えず、両親からの仕送りにもあまり委ねられず、仕事も残業になりがちで恵理子と会える時間すらままならない日々ですが、その分休日は水入らずの時間を必ず作って心を満たし、あなたと共に暮らせるという当たり前となった幸福や優越感が活力となってくれています。
まあ恵理子ときたら私物は散らかすし服も脱ぎっぱなし、食器も水につけるだけであり部屋内の虫も怖がって私に退治させたり、好き嫌いが激しいくせにデザートは私の分まで平らげようとするだの、いつもいつも都合よく私に苦労をかけさせて……。
なんでこんなだらしない人を好きになったのだろうと一時期気の迷いはありましたが、時々でも罪滅ぼしのようにこうして私を幸せな気持ちにしてくれるから、あなたへの想いは冷めないのでしょうね。
「昔も楽しかったなぁ……でも私、莉緒と一緒に暮らせて今もすっごく幸せ。周りにいっぱい良い人がいる中で、私を選んでくれてありがとう」
「感謝したいのはこちらこそです。選ぶといっても、振り向いてくれる期待など持ててませんでしたし、特にあなたに告白した場所とタイミングなんて……」
「もしかしなくてもBreakWorldOnlineだよね! はわぁ懐かしすぎ! 莉緒から先に勇気を出して想いを伝えた時の嬉しさは、ちゃんと覚えてる」
昔語りは、私達のこじれていた赤い糸が折り重なったきっかけへと移ろいでいました。
あのVRMMOが無ければ、失恋で終わっていた過去だって有り得たかもしれません。
そうなれば友達付き合いも豊富な恵理子はともかく、私は孤独に絶望から立ち上がれずどうなっていたことやら。とまあ起こらなかったIFの話はよして、そのゲームの話でしたね。
あれからBWOは、引退に追いやられたプレイヤー達へのカムバックキャンペーンもあって全ての街が元の形を取り戻すほどの復活を遂げ、堂々サービス継続中。
冒険者の残党は完全にいなくなったわけではなかったのですが、野生の熊以下の脅威しかならない程度には有名無実化。
プレイヤー同士の小競り合いこそ多々あれど、あの暗黒時代を知る先達の方々が取り締まりに尽力し、あれらに並ぶ巨悪が生まれることもなく現状維持。
そして私RIOとプチ・エリコ、破壊されゆく世界を駆け抜け再生の転機を成した二人のプレイヤーは生ける伝説として、掲示板でもたまに話題が上がるほど人々の記憶に残る一大配信者となれました。
意外だったのが、私達のドタバタ結婚式イベントを視聴した方達が琴線に触れた結果、わざわざBWOで挙式するカップルが多く現れたことでしょうか。
もはやジャンルも変わるほどの賑わいだと苦笑する声も聞きました。しかし言い換えれば善や悪に拘らず少しだけ間違いがあれども正しすぎない、穏やかで伸び伸びと過ごせるほど平和だという証拠。
やはり喧嘩や争いと無縁でいられる世界が一番です。
そんな安定した場所と同じような日々をあなたと過ごせたおかげで、私は一人の平均的な人間になれた思いです。
「それじゃ行こ莉緒! 心の中もあの頃に戻って、今日一日中制服で過ごそ!」
「それも悪くはないですが、本当に良いのですか? 私のあの頃といったら、事ある毎に噛みつかんとする勢いで嫉妬心むき出しでしたけど」
「もちろん! ついでに配信もしちゃったり、なんて」
「ああなるほど、あの頃といえば自由に配信もしていましたね」
確かアカウントは削除してはいませんから、十年ぶりに配信者RIOを目覚めさせれば、より学生時代に戻れるかもしれませんね。
楽しみが増えてきたところで、さて忘れられない思い出を作りに出発しましょう。
支度は万端です。窮屈な制服もどうにか体に合うよう整え、恵理子から腕を組まれたって形が崩れない完璧なコーディネートに変身。
それと……指輪も。
同じものを私から贈ったその日にあなたから贈られた永遠の愛と誓いの印、途切れのない運命の輪。
自分の薬指と共に眺めるだけでも、あなた本人からも見つめ返されているように感じられるこの大事なアイテムは、お互い肌見放さず身に着けないとですね。
まあ学生服に指輪の組み合わせはよく考えたらおかしいかもしれませんけど。それでも構いません。
だってあなたは、いくつになっても何があっても私の側に居てくれているのですから。
それがたとえ。
正しくても、間違っていても。
離れていても、重なっていても。
嬉しくても、悲しくても。
特別でも、平均的でも。
愛し合っていても、喧嘩していても。
悩んでいても、進んでいても。
傷ついても、癒されていても。
努力していても、諦めていても。
多くの人に慕われていても、世界の全てが敵に回っても。
そんな複雑なことなどに囚われず、支え励まし合いながら二人で進みたい道へとただ真っ直ぐに進んで行けます。
だからこの握りしめている奇跡からは、決して離れないようにしましょう。
もう決して、他人や自分を傷つけないようにするために。
もう二度と、暗闇の中に立ち止まらないようにするために。
完。
色々物申したいことはありますがその辺は活動報告にて。
それではまたいつか。ご拝読ありがとうございました。
(3/27追記)新作連載開始致しました。




