波乱の幕開け
ちゃーちゃーちゃちゃーちゃーちゃちゃちゃちゃちゃ
ちゃちゃー
今日は私立明日香中学校の卒業式だ。
この日で、義務教育を終え、自分の人生の第一歩を踏み出そうとしている。
希望にみちたその玄関は、光り輝いているように見えた。
あっ私は有栖瑞音といいます!
よろしく!
今日でこの学校を卒業し、新しい学校、私立陽炎高等学校に入学することになるという事を実感し、震えていた。楽しいという気持ちと寂しいという気持ちが混ざっていた。
私は、自分でも、素晴らしい中学校生活を送ったと思っている。なぜなら、テストでは上位3位をキープし、
生徒会長にもなったのだ。体の方はそんなに成長しなかったがそんなことは気にしてない。ほんとだよ?
ただ、中学3年になると、進路や受験勉強などが山積みだった。どの高校に入りたいか。そして自分はどんな職業につきたいのか。そんなことを自問自答していた日々が続いていたのだが、ふと、こんな高校が目に付いた。
それがそう、この私立陽炎高等学校である。
まず、名前からしてかっこよさそうである。カゲロウなんて、かっこよさの具現化したものだ。しかも、よく見てみると、結構偏差値は高そうだし、推薦も狙えそうだ。そして、なんと言っても、ここに書いてある
「忍者になってみませんか?」
という文字がすごく魅力的だったのだ。
1度きりの人生。どうせなら楽しいひりつくような人生を送りたい。なので私はこの高校を選んだ。
しっかり推薦で合格したので、お金もそこまでかからなそうだ。まぁ私は特待生なので。ドヤァ。
────そんなこんなで入学式──────────
この高校への期待と不安で心臓がバクついていた。
「みなさん、おはようございます。今日は非常にいい天気で皆さんが入学してきたことを祝福しているようです。...........」
この長い校長先生の話を聞き終わると、次は、生徒会長からの挨拶だ。
緊張してきたぁー!上手く同級生と喋れるかな?
「みなさん、入学、おめでとうございます。詳しいことは、後で教室に戻って聞くでしょうが、ここでは、忍者になるために、勉強はもちろん、忍術、体術、更には薬の調合などもやります。そして、例年、この、100名の入学生の半分程が退学になります。もちろん、自分で退学する人も沢山います。なので、みなさん、死ぬ気で食らいついて頑張って下さい!応援しています。あっそういえば、椅子から動かないでくださいね。危ないですよ?」
えっ?そんなに厳しいの?っていうか動かないでくださいって何?
すると、新入生全員の座っている場所の床が開いた!
「ああああぁぁぁ〜!えっ?ちょっとちょっとちょっと!助けて〜!おとうさ〜んおかあさ〜ん!」
これが地獄の3年間の始まりだった。
読んでくれてありがとうございました!
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