雑草と雨
雑草へ、恵みの雨が、降り注ぐ。
人の事情なんて関係ないと、雑草は生いしげる。
アスファルトの割れ目からブタクサが、いつもの倍は大きく伸びて、葉っぱを自由に広げている。
人が嘆き、家は沈み、水は無慈悲に奪い去る。
雑草たちの祭りの日。
泥水が栄養を運ぶ。
濁流が外敵共を黙らせる。
雑草たちの独壇場がそこにはあった。
1メートルは楽々と超えて、人の身長ほどの雑草まである。
進路を塞ぐ雑草の群れに手間取っていると……
ボチャン! ざばざば……
ぎゃー! 水だー!
大きな水溜まりに足を突っ込んでしまいましたとさ。
靴に泥が入った。