11枚目・剣の道に生きるということ①
小説の構成順番を直すために投稿し直しました。
2024年7月15日
服を着た猫
「ありえないんだけど!!」
「っ!・・・・・何がありえないんだよ?・・・って言うか顔が近ぇよ!」
とっさに両手で耳をふさいでいた青いジャージに身を包んだ男子である泉水は、ポニーテールを揺らしながら、おでこ同士が当たりそうなくらい顔を近づける女子、こちらも青いジャージに身を包んだ泉美の両肩を掴むと、グイッと引きはがした。
「まったく・・・いきなり何言いだすんだか・・・
ああ・・・もしかしてお爺様がクラス決めに口を出したこと言ってんのか?
あの時は俺も驚いたけど、お前はとっくに納得してると思ってたんだけど?」
「私も驚いたけど、納得はすぐにしたよ。
私の事情を知らない人だらけのクラスに入るより、事情を知っている泉水や瑞希と同じクラスにした方が気も楽だろうって考えてくれたんだろうってすぐに分かったし」
「確かに・・・俺や瑞希が居るクラスならトラブルが起きてもすぐに対処できるか・・・流石お爺様ってとこだな」
苦笑しながら納得した泉水だったが、すぐに考え込んでしまった。
「クラス決めのことじゃないってなると何が・・・
あ!もしかして博士から送られてきたDNA検査の結果が納得できないとか?」
「あれは、結果なんて分かってたようなもんだし、逆にあの結果に納得できない理由なんてないでしょ?」
泉美の言葉に、泉水も小さくうなずきながら、スマホを取り出した。
「そりゃそうだよな。
博士からのLalanに届いたメッセージで
『お前らのDNA検査の結果が来たぞ
結果は〖99.9%兄妹である可能性が高い〗だそうだ。
ちなみに、99.9なんて数字が出るのは異例らしくてな、検査結果もってきた知り合いの研究者が「お前らに会わせろ」って息巻いてるが・・・
どうする?』
ってメッセージの後、大笑いしてるスランプが送られて来たんだよな」
そう言って泉水は苦笑しながらスマホの画面を見せてきた。
そこには大笑いするキャラクターのスタンプが表示されていた。
「意外と博士ってユーモアあるんだって、話したヤツでしょ?
お堅いだけの人じゃないのは分かったけど、こっちが困るって分かってて大笑いスタンプとか、意地悪だよねぇ~」
泉美は肩をすくめると苦虫を噛み潰したような顔で呆れた。
「まぁ、その博士のスタンプに、顔をブンブン横に振るスタンプ返した泉水も泉水だと思うけどね・・・」
そう言って泉美は、スマホの画面をジト目で睨みつけた。
そこには泉美の言う通り、胸の前で✕印を作り、顔をブンブン横に振りながら汗を流す動くイラストのスタンプが映っていた。
「ハハ・・・博士のスタンプが面白かったからな、お返しで、な」
少しニヤケながら言った泉水は、泉美に向けていたスマホを手元に戻すと、指でスクロールしてから、改めて泉美に向けて画面を見せてきた。
「だけど、更に面白スタンプ送ってくるとは思わなかったわ」
「・・・たしかに・・・ニヒルに笑う女の子のスタンプなんて、いつもの瑞希みたいでちょっと笑っちゃったけど・・・」
「笑ったっていうか、ブーッ!!って、思いっきり吹いてたよな。
まっ、確かにバカにしたようにニヒルに笑う顔が瑞希にそっくりで、『フッ』なんて描いてあるんだもんな。吹くよな」
クスクス笑いながら泉水は言った。
彼の手にするスマホには確かに、バカにしたような顔でニヒルに笑う女の子のスタンプが、博士から送られていた。
「他人事だと思って、完全にバカにしてるんだから!!」
「まあまあ・・・」
プンプンと音が聞こえてきそうな顔で怒る泉美を、泉水は苦笑いでなだめた。
しばらくなだめた後、泉水は左手で口元を覆いながら首を傾げた。
「DNA検査の結果のことじゃないってなると後は・・・
あ!もしかして部活を勝手に決めたことか?」
「それもある!!
泉水もマリア先生も、私の言葉無視してどんどん話すすめちゃうんだもん!!」
泉水を睨みつけながら、私はあの日のことを思い出していた。




