花火オヤジの最期

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　花火工場を百二十三人の村人が眺めている。

　夜になって、空にはいよいよ無数の星が瞬（またた）いている。

　正直なところ、集まった村人たちは、これから何が始まるのか知らなかった。ただ得も言われぬ期待に呼び寄せられた。

　花火工場の閉鎖が決まったのが、ちょうど三週間前。子供が悪さをするというのが主な理由だが、結局のところ儲（もう）からなくなったからだ。

　同じ工場で働いていた花火オヤジの同僚は、すぐに別の仕事を探した。大きな花火の会社に勤めを移した者もいる。

　花火オヤジにも、そういう話がないではなかった。

　しかし全て断っている。